2017/09/22 07:00

【書評】戦中派の思いがこもる失った痛みを自覚した定点観測

【書評】『富岡畦草・記録の目シリーズ 変貌する都市の記録』/富岡畦草 富岡三智子 鵜澤碧美・著/白揚社/2500円+税

【評者】川本三郎(評論家)

 東京は変化が激しい。町の姿が次々に変わる。そのために写真家は定点観測という方法を考える。銀座、日本橋、丸の内などひとつの場所を定め、何年にもわたって撮影し、町の変化をとらえる。

 今年、九十一歳になる富岡畦草(とみおかけいそう)とその娘の三智子、さらにその娘の鵜澤碧美(うざわたまみ)の三代によって、主として東京の変貌を追っている。手間のかかった労作。昭和二、三十年代から平成、そして現代へとつながっている。

 富岡畦草さんが撮った、戦後から高度成長期にかけての東京の写真がやはり懐しい。その後の変化があまりに激しいからだろう。丸の内にあったレンガの建物が並ぶ「一丁倫敦(いっちょうロンドン)」、銀座にあった森永製菓の地球儀型の広告塔、有楽町駅前の「すし屋横丁」、新宿西口にあった淀橋浄水場。どれもとうになくなった。

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