2017/10/26 07:00

【与那原恵氏書評】台湾人の活躍で発展した歌舞伎町史

稲葉佳子 青池憲司・著『台湾人の歌舞伎町』
稲葉佳子 青池憲司・著『台湾人の歌舞伎町』

【書評】『台湾人の歌舞伎町 新宿、もうひとつの戦後史』/稲葉佳子 青池憲司・著/紀伊國屋書店/1800円+税

【評者】与那原恵(ノンフィクションライター)

 終戦直後の新宿歌舞伎町あたりは焼け野原だった、と話していたのは、故種村季弘さん(ドイツ文学者)である。私が子どものころ、歌舞伎町は映画を見に行くところで、帰りにロシア料理店に寄るのが楽しみだった。

 父に連れられて何度か行った沖縄料理屋「南風」は女優の嘉手納清美の実家だと知られていて、在京沖縄人が集う店だった。この歌舞伎町がかつて野原だったとは想像もつかなかったが、たしかに昔の歌舞伎町には「新開地」の雰囲気が残っていた。

 戦前は小さな商家や住宅が混在し、高等女学校があった旧角筈一丁目北町だが、空襲により空白地帯となった。終戦後、この一帯を興行街にする計画が立ち上がる。歌舞伎劇場の建設が予定され、町名も「歌舞伎町」に変更された。結局、歌舞伎劇場建設は頓挫したものの、映画館や娯楽施設がつくられ、その周辺に個性的な飲食店が誕生していった。

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