2017/12/10 07:00

美術家・横尾忠則が語る「我が人生の書」6冊

 その意味ではジュール・ヴェルヌの作品も同じです。やはり挿絵に惹かれて【3】『十五少年漂流記』から入り、『神秘の島』、『八十日間世界一周』と、一連の作品をダーッと読みました。よく読んだのは1985~1986年頃、50歳の頃ですね。ヴェルヌはまだ実現していない未来の科学を想像力で書き、それが後に実現している。凄い予言者です。もうひとつ面白いのは、ある作品で登場させた人物を、別の作品でも出してくること。『海底二万里』で謎の人物として登場し、『神秘の島』でその正体が明かされるネモ船長がそうですね。僕はその方法論に驚きました。それで、自分も昔描いた絵を何年後かに反復して描くようになり、それが僕のスタイルになったのです。

 少年時代に本を読まなかった僕が、大人になってから本を読むきっかけになったのがアンドレ・ブルトンの【4】『シュルレアリスム宣言』。1960年に24歳で上京した頃、よく耳にしたのがシュルレアリスムという言葉でしたが、何のことかさっぱりわからない。それでこの本をこっそり読みました。難しくてよくわからなかったけれど、シュルレアリスムの原則であるデペイズマン、メタモルフォーゼ、オートマティズム、この3原則をご神体のように自分のデザインに取り入れました。シュルレアリスムを知ってから、デザイナーより美術家の人達との交流が多くなりました。ネオダダの時代です。

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