2018/03/02 16:00

宮沢賢治と父の特異な関係に焦点を当てた直木賞受賞作

 受賞作は、広く知られた宮沢賢治ではなく、父政次郎の視点で描かれているのがユニークだ。賢治について書かれたものは膨大にあるが、父に関する資料はほとんどなく、賢治の本にほんの1、2行、登場する記述をかき集めて、新たに政次郎像をつくりあげた。

「賢治の研究者からはあまりよく言われない人ですが、子供のためにセットで買った学習漫画の宮沢賢治の巻を読んで、『お父さん、立派じゃないか』とぼくは思ったんです。われわれと同じようなことで悩んだり苦しんだり、これは小説に書けると思いました」

 学齢前の賢治が赤痢で入院したとき、政次郎は伝染も恐れず病院に泊まり込んで看病した。汚れ仕事も厭わない。

「史実ですが、明治の男としては非常に珍しいことで、当時の常識とはかけ離れたふるまいです」

 岩手県川口村(現・花巻市)の質屋の三代目に生まれた政次郎は、家業に関心を持たず別の道を選ぼうとする息子に悩みながらも、何とか理解し、支えようとする。小説はこの特異な父子関係に焦点を当てる。

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