2018/03/11 07:00

【著者に訊け】小川洋子さん 壊れやすい関係性に迫る短篇集

『口笛の上手な白雪姫』を上梓した小川洋子さん
『口笛の上手な白雪姫』を上梓した小川洋子さん

【著者に訊け】小川洋子さん/『口笛の上手な白雪姫』/幻冬舎/1620円

【本の内容】
 吃音の少年とお婆さんとの交流を描いた「先回りのローバ」。出産祝いのよだれかけを縫い続けるりこさんを描いた「亡き王女のための刺繍」。世の中のかわいそうなことをノートに記録する少年の心情を描いた「かわいそうなこと」など全8篇。密やかで親密で、そして壊れやすい関係性が胸に迫る。

 かけがえのない相手との懐かしい記憶、必ずしも言葉に依らないやりとりを描いた短篇集である。読むうちに、子どものころのぼんやりとした記憶が不意によみがえってくるようだ。

「私自身は、自分が子どもだったころのことはまったく忘れてるんですけど、小説の中にいる子どもの声だったら聞こえるんですね。小説を書くときに研ぎ澄ませているのは、私の場合は聴覚かな、と思います」

 表題作では、公衆浴場にいる小母さんが赤ん坊を落ち着かせるために吹く「口笛」が、言葉に代わるものである。「一つの歌を分け合う」ではミュージカルの歌。「乳歯」では、外国で迷子になった少年が、聖堂の柱の「浮彫の人々」と無言の会話をかわしている。

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