2019/01/21 07:00

重度の歯周炎に新薬リグロス登場、手術で救える可能性も

歯周病治療の新常識「リグロス」
歯周病治療の新常識「リグロス」

「歯科治療」の世界には、急速な技術の進化がある。そのため、“かつての常識”が間違いだったと明らかになることが往々にしてある。その進化に追いついていない歯医者にかかると、症状が改善せず、むしろ歯の寿命を縮める可能性すらある。何が“最新常識”なのか。話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏がレポートする。

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 抜歯原因1位の歯周病。重度の「歯周炎」に進行してしまうと、歯を支える骨が溶けて、もう完治はできない。さらに歯が大きく揺れてくると、抜歯するのが当然とされていた──。

 だが、新常識として「手術」で救える可能性もある。

 これまで不可能だった、重度「歯周炎」を治す新薬「リグロス」が2016年に発売された。歯周組織を再生する医薬品としては、日本初。「リグロス」の治療は、次のような手術が必要となる。

【1】歯周炎になった部分の歯肉を開く。
【2】プラークなど汚染物質を除去。リグロスを投与して歯肉で塞ぐ。
【3】リグロスの成長因子が、歯周組織の細胞を増殖させ、約半年で歯根膜や歯槽骨が再生する。

 だが、難易度が高いので専門医で受けたほうがいいという。弘岡秀明氏(スウェーデンデンタルセンター院長)はこう解説する。

「リグロスは画期的な新薬ですが、どんな歯周炎でも治せるわけではありません。有効なのは、垂直方向に歯槽骨が溶けている場合のみ。歯槽骨全体が水平に下がってしまった状態には、効果は期待できません。手術の難易度が高いので、歯周病専門医が安心でしょう」

 再生治療としては、「エムドゲイン」が、世界各国で20年以上の実績がある。だが、自由診療なので5万~20万円と治療費は高い(日本では「材料」として承認)。

 リグロスは保険適用なので、費用は約1万円。

「再生治療には“患者の自立性”も必要です。手術後も定期的に通院して口腔ケアを徹底する。これを怠ると、すぐに逆戻りします。また、喫煙者は再発リスクが高いので、再生治療は向きません」(弘岡氏)

※週刊ポスト2019年2月1日号



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