2019/01/21 07:00

【法律相談】宅配BOXへのイタズラに効く警告文を教えて

宅配ボックスへのイタズラ防止策はないのか
宅配ボックスへのイタズラ防止策はないのか

 ネット通販の拡大で宅配便の需要が増え、運送会社が人手不足に悩まされるなか、再配達の手間を省くのが宅配ボックス。運送会社のみならず、荷物を受け取る利用者にとっても便利なシステムだが、イタズラを防ぐために効果的な張り紙はできないものか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 マンションの出入り口に住人用の12個の宅配ボックスが備わっています。最近、このボックスのすべてがロック状態のままなので、管理人に調べてもらったところ、誰かのイタズラにより、わざとロックされていることが判明。今後の防止のため、どのような文書をボックスに貼れば抑止力になりますか。

【回答】
 宅配ボックスはマンションの外扉と、暗証番号などで立ち入りを制限している内扉の間に設置され、各区分所有者の専用ではなく、管理組合で管理している共用施設であり、配送業者が適宜空いているボックスに入れてロックをし、解除番号などを受取人の郵便受けに入れておく形式だと理解します。

 イタズラでロックされると、宅配業者は受取人への直接連絡や、不在の場合は再配送の手間が生じます。この場合、犯罪になるかは、ロックした者がイタズラ目的でマンションに入ったとすれば、刑法の住居侵入罪に当たります。

 また、刑法233条には「偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」との規定があり、これを偽計業務妨害といいます。

 銀行の無人出張所で、ATMを利用する顧客の暗証番号を盗み撮りする目的で機械の前に隠しカメラを設置、その機械に顧客を誘導するために、別の機械を1時間半以上も使い続けた犯人がいました。

 この犯人に対し、住居侵入の罪のほかに、盗撮目的を隠して普通の入出金や振込等を行なう一般の利用客のように装い、他の客が利用できないようにしたことを「偽計を用いて銀行が同現金自動預払機を客の利用に供して入出金や振込等をさせる業務を妨害するものとして、偽計業務妨害罪に当たる」と判断した裁判例があります。

 宅配ボックスのロックのイタズラを偽計とまでいえるのか疑問はありますが、普通に宅配便が配達されたように装いながら、長期間マンションの管理組合の業務を妨害していたことになります。そこで「イタズラでロックをすると、管理組合の管理に対する偽計業務妨害になり、3年以下の懲役で処罰されます」といった警告文を掲出するのが適切でしょう。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2019年2月1日号

今日の運勢

おひつじ座

全体運

忍耐強くいこう。今日は動くよりも待つ方にツキがあり。またジ...もっと見る >