2019/01/23 16:00

虫歯治療の古い常識 先進国で「銀歯」が主流なのは日本だけ

銀歯はもう古い?
銀歯はもう古い?

「歯科治療」の世界には、急速な技術の進化がある。そのため、“かつての常識”が間違いだったと明らかになることが往々にしてある。その進化に追いついていない歯医者にかかると、症状が改善せず、むしろ歯の寿命を縮める可能性すらある。何が“最新常識”なのか。話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏がレポートする。

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 虫歯治療といえば「銀歯」。丈夫で長持ちし、比較的安価な金属だったので、治療費も安い。現在も1か月間で、約180万本の「銀歯」治療が行なわれている。しかし、先進国で「銀歯」が主流なのは日本だけだ。

「銀歯」は長期間経過すると、合着用セメントが溶け出して隙間が発生する。それが、虫歯の再発原因となっていた。

「銀歯」の素材は、金・銀・パラジウムなどの合金だが、パラジウムが、レアメタルとして国際的に高騰。現在では金と同等の価格になった。もう「銀歯」は決して安い金属ではないのだ。

 また、銀歯を装着するために、虫歯が小さくても健康な歯を大きく削る。それが、歯の寿命を縮める結果を招いていた。

 歯科先進国のスウェーデンでは、「コンポジット・レジン修復」が虫歯治療の基本だ(虫歯のサイズによる)。レジンは、歯の色に近いプラスチック系素材なので、治療部分が目立たない。固める前はペースト状なので、小さい虫歯でも余計に削る必要はない。

 拙著『やってはいけない歯科治療』の出版後、多くの読者から相談が寄せられた。最も多かったのが、「今、口にある銀歯を外して確認すべきか?」だった。第一線の歯科医たちの考えを総合すると、判断のポイントは3つ。

(1)自覚症状
 痛みなどの自覚症状があれば、「銀歯」を外すのが第一選択。トラブルが起きていない「銀歯」をあえて外す必要性は低い。

(2)銀歯の形状
「銀歯」が部分的に嵌め込まれているのがインレー、冠のように全体を被せているのがクラウン。インレーなら、外した後にレジン修復できる可能性があるが、クラウンをレジンに置き換えることは難しい。

(3)神経が残っているか
 一般的に神経を抜いた歯は、強度面などが大きく低下する。その為「銀歯」を外す際、抜歯になるリスクが高い。

「レジンは銀歯より、耐久性や強度に劣る」と主張する歯科医がいるが、臨床研究では両者の生存率に有意差はないと立証されている。レジン治療が得意な歯科医は「日本接着歯学会」「日本歯科保存学会」の所属であることが多い。

※週刊ポスト2019年2月1日号

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