2019/01/24 16:00

歯のインプラント治療 「最新」を謳う歯科医に落とし穴

インプラント治療の権威である小宮山氏
インプラント治療の権威である小宮山氏

「歯科治療」の世界には、急速な技術の進化がある。そのため、“かつての常識”が間違いだったと明らかになることが往々にしてある。だが、“最新”とされる治療が最善とは言えないケースもあるので注意したい。話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏が、インプラント治療についてレポートする。

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 最近、「インプラントの治療期間の短縮」をアピールする歯科医が増えている。基本的なインプラント治療は、人工歯根を顎骨に埋入して、骨折が治るのと同様に、2~6か月間、結合するのを待つ。

「埋入後即時荷重」は、人工歯根の埋入と同時に「歯の部分」となる上部構造も装着する方法。これを可能にしたのが、人工歯根の表面を粗面加工して、早期に骨と結合させる技術だ。

 なかでも、片顎12本分の歯を4本のインプラントで支える「オールオンフォー」を「埋入後即時荷重」で行なう歯科医院が、人気を集めているが──。

 人工歯根の粗面加工は、感染を引き起こしやすいという重大な問題が分かってきた。これはインプラント周囲炎と呼ばれる症状で、最悪の場合はインプラントを撤去しなければならない。

 小宮山彌太郎氏(ブローネマルク・オッセオインテグレイション・センター院長)は次のように解説する。

「埋入後即時荷重は、患者さんの理解と協力が得られないと、トラブルが起きるリスクが基本的な治療法より高いと考えられます。

『オールオンフォー』方式には、幾つもの利点もありますが、噛む力を支える人工歯根の本数が最小限です。1本でもトラブルが起きると、やり直す間、何らかの妥協が必要です。

 患者にとって本当のメリットは、10年、20年単位でインプラントが口腔内で機能することでしょう」

 インプラントに潜む重大なリスクを、伝えない歯科医も多いので注意したい。

※週刊ポスト2019年2月1日号

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