2019/01/30 07:00

おにぎりの名店『ぼんご』 一番人気「しゃけ」の丁寧な仕事

カウンター前のガラスケースには多彩な具材が並ぶ
カウンター前のガラスケースには多彩な具材が並ぶ

「おにぎりブーム」が到来している。中でも、おにぎり好きの聖地と呼ばれるのが東京・大塚の『ぼんご』だ。午前11時半の開店前から行列ができ、閉店時間の24時まで職人たちがカウンター内でおにぎりを握り続ける。昭和35(1960)年創業の大人気おにぎり専門店を密着取材した。

 朝7時。シャッターが閉まった店の中で、仕込みが始まる。1日に炊く米の総量は1俵(60kg)以上。新潟県岩船産の棚田米コシヒカリに合う味付けの具材を毎日55種類揃える作業にも、手間と時間をじっくりかける。一番人気の「しゃけ」(250円)に使用する鮭は、焼いた後に小骨を1本1本抜き取り、細かなフレーク状に丁寧にほぐす。

 開店するや満席になり、客の注文の声やおにぎりを握る作業で店内は一気に活気づく。

 ふわふわ、熱々のおにぎりを頬張ると、絶妙な塩梅の美味しさに自然と笑みが出る。壁一面に貼られた品書きや、カウンター前に置かれた多彩な具を眺めながら、次は何を食べようかと思案する時間も楽しい。おにぎりは250~550円。どれもご飯だけで150グラム。具材を入れると200グラム前後~300グラム前後とボリューム満点だが、2~3個食べる客が大半という。

「ぼんごのおにぎりは、大きい、具が多い、あったかいの三拍子揃っているのが特徴。具材倍盛りもプラス50円からできるんですよ」と、女将の右近由美子さんが説明する。別の具材を1種類追加する「トッピング」もプラス50円~で可能。その組み合わせは無限に広がり、客の注文によって新しい美味しさを発見することも珍しくない。

「お客さんが発想する組み合わせは斬新で、驚くようなベストマッチも誕生しています。焼きたら子+ホッキサラダもその一つです。私が試したことのない組み合わせの注文を受けた日は、後で必ず自分でも食べてみます」(同前)

 右近さんが創業者の夫の元に嫁いだのは24歳の時。洗い場の手伝いをしていたが、5年後、職人が病気で辞めてしまったことからカウンターに立つことになったという。夫亡き後も、美味しいおにぎりを握るために研究と研鑽を重ねてきた。

「お客さんに育てられ、今があります」と、右近さん。66歳を迎えた女将の“細うで繁盛記”は、おにぎりブームも追い風に今後ますます盛り上がるだろう。

●ぼんご
・住所/東京都豊島区北大塚2-26-3 金田ビル1F
・営業時間/11時半~24時
・定休日/日曜日(祝日の場合は営業)

◆撮影/中庭愉生 取材・文/上田千春

※週刊ポスト2019年2月8日号

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