2019/02/02 07:00

大腸がんや胃がん発見率高い内視鏡検査 その効果、つらさは?

胃カメラの様子(写真/AFLO)
胃カメラの様子(写真/AFLO)

 がんを早期発見すべく検査を受けても見逃されてしまうことはある。たとえば、大腸がんの発見のために広く実施されている便潜血検査(いわゆる検便)では3人に1人の割合で、大腸がんが発見されないというデータがある。

 また、バリウム検査で胃がんの早期発見が難しいのはもはや定説で、厚労省の「地域保健・健康推進事業報告」(2016年度)によると、1年間で13万人発生する新規の胃がん患者のうち、自治体のバリウム検査で見つかったのはわずか4500人だった。また、胃がんの原因の95%ともいわれるピロリ菌を除去しても胃がんリスクは3割残るという指摘もある。

 では、どうしたら良いか。大腸がん、胃がんともに発見率が高いのが内視鏡検査だ。

 先端部にライト、カメラ、鉗子のついた管を、大腸がん検査の場合は肛門から、胃がん検査の場合は口か鼻から挿入し、内側から臓器を直接観察する。観察しながらポリープや初期の腫瘍を切除できるメリットもある。

「大腸内視鏡では、便潜血検査で発見しにくい『腺腫性ポリープ』を見つける確率が格段に高くなります。このポリープを切除すれば、大腸がんの発生を8~9割抑えられるとされます」(とよしま内視鏡クリニック院長の豊島治医師)

 胃カメラ(上部消化管内視鏡)は、高精度であることに加えて「他のがん」も発見できる可能性があるのも利点だ。

「胃カメラはバリウム検査と違って胃内部の色の変化まで見られるので、精度が飛躍的に向上しました。また口や鼻から胃までカメラを入れるため、途中にある咽頭、食道など胃以外の部分のがんや病変も確認できます」(宮崎善仁会病院消化器内科の押川勝太郎医師)

 新潟市の胃がん検診では、バリウム検査よりも胃内視鏡のほうが、発見率が3倍高かったというデータがある。

 内視鏡は年々進歩しており、現在は従来の100倍の倍率で患部を観察できる「拡大内視鏡」も登場している。

 その半面、患者にとってつらいのは「挿入時の不快感」だ。東京国際クリニック副院長で、消化器内科医の宮崎郁子医師が解説する。

「以前は異物が体内に挿入される恐怖や痛みで敬遠する人が多かったが、最近はカメラの性能が向上し、負担はずいぶん軽減されました。大腸内視鏡は下剤を2リットル程度飲む必要がありますが、鎮静剤の使用により不安や緊張は緩和される。約20分ほどで検査は終了します」

 胃内視鏡では、鼻からカメラを入れて痛みや吐き気を抑え、検査中に会話もできる経鼻内視鏡も登場した。

 大腸内視鏡では、検診時の「恥ずかしさ」もハードルとなる(特に女性が男性医師による処置を嫌うケースは強く、女性に大腸がんが多くなる一因といわれる)。だが、そのデメリットを解消する新技術も登場している。

「長さ約3センチ、幅約1センチの小型カプセルにカメラを内蔵した『大腸カプセル内視鏡』ならば、水と一緒に口から飲むだけで病変を撮影して診断でき、その後は自動的に排泄されます。導入する医療機関も増えており、従来の大腸内視鏡を敬遠していた人の受診も増えると期待されています」(医療経済ジャーナリストの室井一辰氏)

 ではどれくらいの頻度で検査を受けるべきか。

「既往歴がなければ、胃の内視鏡検査は1年に1度、大腸は2~3年に1度が目安です」(宮崎医師)

「費用」はどうか。便潜血検査は自治体の無料検診に組み込まれているのに対し、大腸内視鏡は消化器専門クリニックなどで、全額自費(自由診療)で受けなければならないケースが多い。胃がん検査でいえば、無料検診に胃カメラを取り入れている自治体はあるものの、地域に専門医が居ないなどの理由で実施していない自治体もあり、その場合には自費となる。

「自由診療の場合、胃カメラで2万円、大腸内視鏡だと2万5000円ほどかかります。もし便秘や胃痛などの症状があって何らかの病名が付いた場合には保険適用となり、大腸内視鏡で7500円、胃カメラで6000円程度(3割負担)になります」(室井氏)

 日本人が「かかりやすいがん」の上位を占める大腸がんと胃がん。その検査の利点と課題をよく理解しておきたい。

※週刊ポスト2019年2月8日号

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