2019/02/07 07:00

大腸がん、胃がん、肺がん ステージII・IIIの治療費の目安

どのくらいお金がかかる?
どのくらいお金がかかる?

 病気になったら医療費に関して漠然とした不安を抱くが、本当に怖いのは「お金がかかること」よりも「治療費の総額がいくらかかるかを知らないこと」だ。

 日本には、患者の医療費の自己負担が3割で済む公的医療保険に加え、患者の自己負担額に一定の上限を設ける「高額療養費制度」がある。同制度は、保険適用の治療を対象として、1か月に支払った医療費の自己負担額(3割負担)が一定の限度額を超えた場合、超過分が払い戻される仕組みだ。

 限度額は年齢や年収によって異なるが、70歳未満で年収370万~770万円の人なら、医療費が月額100万円かかったとしても、自己負担は月額10万円ほどに抑えられる。

 実際にインターネットサイト「がん治療費.com」が蓄積する治療費データを基に、3大がん(大腸がん、胃がん、肺がん)別ステージIの自己負担額(高額療養費制度の適用後)をみると、治療費は20万円程度で横並びになっている。

 ただし、ステージが進むごとに、患者がどういった治療を受けるかによって自己負担額にも違いが生じてくる。

 ステージII・IIIで切除手術のみの場合、自己負担額は20万~30万円台だが、切除手術と抗がん剤治療を組み合わせた例では、50万円台と高額になり、治療費総額に30万円以上の差が生じてくる(表参照)。「がん治療費.com」を運営する笠井篤氏が語る。

「一度の切除手術を行なう場合は手術代に高額療養費制度が適用されて自己負担額が少なくなりますが、抗がん剤治療は長期間にわたって治療を続けることになるので、自己負担額が大きくなる傾向があります」

 切除手術の後に抗がん剤治療を施すケースに加え、「ステージIII以降だと、先に抗がん剤治療をして、がんの病巣を減らしたうえで手術を行なう『術前抗がん剤治療』を施すことも多くなっている」(がん難民コーディネーターの藤野邦夫氏)という。そうした場合も、高額療養費制度が適用されるかどうかと治療期間によって負担額が左右される。

 同じくステージII・IIIの肺がんで、放射線治療だけを行なうケースも見てみると、その場合の自己負担額は約35万円となっている。

「高齢などの理由で切除手術に耐えられない患者には、身体への負担が少ない放射線治療を行ないます。放射線を複数回照射したり、抗がん剤と放射線を併用する『化学放射線療法』は、治療が長期間、複数回にわたるため自己負担額は積み重なることになります」(医療経済ジャーナリストの室井一辰氏)

※週刊ポスト2019年2月15・22日号

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