2019/02/11 07:00

相続や成年後見制度の手続きが楽になる「財産目録」の作り方

財産目録の一例
財産目録の一例

 認知症700万人時代を迎え、親の認知症対策は誰にとっても他人事ではない状況になっている。仮に認知症になった場合、相続でもめるのは必至だ。だからこそ、元気なうちに家族会議を開いておくことが必要となるが、その際、「財産目録」を作成しておくとまとまりやすくなる。

 子供たちにすれば、将来の相続財産の全体像が見えるし、今後、親の介護や医療費、生活費をどう負担していけばいいかの見通しを立てやすくなるからだ。

 図は岡野雄志税理士事務所監修のもとに作成した財産目録例である。

 書式は自由だが、預金は口座別の残高、有価証券は銘柄ごとに株数を記入するなど財産の種別毎に整理するのが原則。一番重要なのは借金がある場合、借入額と、毎月の返済額を遺漏ないよう調べておくことだ。

「成年後見(任意後見)」や「家族信託」の契約を結ぶうえでも、この財産目録が役に立つ。

 認知症が進行して金融機関の窓口で「判断能力がない」と判定されると、口座を事実上凍結され、家族も、本人さえも引き出せなくなるケースがある。

 その対策である「成年後見(任意後見)」は親の判断能力があるうちに家族の1人を後見人に指名(契約)しておき、認知症が進んだ段階で後見人が家庭裁判所に届け出て親の財産を管理する制度だ。

 もう1つの「家族信託」も親が元気なうちに家族に資産の一部を信託し、運用・管理を委ねる制度だ。信託した財産は、受託者である家族に管理を委ねられるため、信託契約の内容次第で家族は広い財産処分権を持つ。

 ただし、後見人は、自動的に親の財産すべてを管理できるわけではない。親の全体の財産目録の中から、どの資産について後見人に代理権を与えるかを契約で指定し、不動産であれば「賃貸」だけか、「売却」まで認めるか。銀行取引であれば、預金の払い戻しや解約までか、融資を受けることも認めるかという財産の種類ごとの事務の範囲を定めた「代理権目録」を作成しなければならない。親は、“A銀行とB銀行の預金は管理を任せるが、郵便貯金の年金振込口座は自分で扱う”といった選択ができるのだ。

「家族信託」も契約にあたって「信託財産目録」を作成しなければならないが、書き方に注意が必要だ。司法書士の山口和仁氏が解説する。

「信託財産目録には不動産であれば登記簿に記載されている内容を記入しますが、預金の場合は口座番号などではなく金銭として書く。実際には、親名義の口座から信託する金額を信託口口座などに振り込む手続きになります」

 いずれのケースでも、最初に親の全財産の目録を作っておけば、子供が管理する財産の選別が容易になる。

※週刊ポスト2019年2月15・22日号

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