2019/02/10 07:00

当代随一の人気歌人、東直子と穂村弘対話集『しびれる短歌』

「恋の歌」の中で紹介されるのはたとえばこんな歌。

したあとの朝日はだるい 自転車に撤去予告の赤紙は揺れ
岡崎 裕美子

 おそらくはセックスの後で、女性が感じているのは、恋の喜び、高揚感とはほど遠い。

「われわれの若い時は、若さイコール恋の歌という感じでしたが、いまは若いからといって必ずしも恋を歌うわけではない。現実のシビアさだったり、高揚ではなく平熱の歌だったりしますね」

たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく
山田 航

 現実より素敵に表現してしまう「素敵バイアス」はこれまで名歌を名歌たらしめてきたが、現代的な目で見直すと、作者の気取りや自己陶酔に映ることも。新聞歌壇の選者としてアマチュアの歌にも日常的に触れている2人は、投稿歌も先輩歌人の歌も同じ視線で、その歌ならではの面白さを紹介、時に辛口の批評もする。

「平成のはじめに短歌を始めた穂村さんも私も、過渡期にいたんですね。文語旧かなの歌の良さも味わいつつ、口語短歌の新しい可能性を広げていった。両方が見える場所にいるのかなと思います」

 ウィキペディアの記述で偶然、五七五七七になる部分を取り出したもの、数式だけのこんな歌も。

(7×7+4÷2)÷3=17
杉田 抱僕

 どう読むか、わかりますか?

◆取材・構成/佐久間文子

※女性セブン2019年2月21日号



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