2019/02/19 16:00

「急性骨髄性白血病」と診断されたらどんな治療が始まるのか

白血病との診断が下った(共同通信社)
白血病との診断が下った(共同通信社)

 水泳の池江璃花子選手(18)の白血病公表は、世間に衝撃を与えた。白血病は“血液のがん”と呼ばれる。血液をつくり出す造血幹細胞に異常が起き、がん化した白血球(白血病細胞)が増殖する病気だ。

「急性」と「慢性」の2種類があり、急性が7割、慢性が3割を占める。さらにそれぞれに骨髄系幹細胞に異常が起きる「骨髄性」とリンパ系幹細胞で起きる「リンパ性」がある。

 これまでに白血病の闘病を明かした著名人は多く、夏目雅子さんや本田美奈子さんは急性骨髄性白血病で亡くなった。池江選手と同じ18歳で発症した女優の吉井怜(36)、29歳で発症した俳優の渡辺謙(59)は治療の末、克服している。

 白血病は毎年約1万人が発症し、20代未満の若い世代が罹患するがんの種類では最も多いとされる。

 ただし、若い世代に特徴的な病ではない。歌舞伎俳優の故・十二代目市川團十郎さんは50代後半に急性骨髄性白血病を発症し、現在も闘病を続ける大塚範一キャスター(70)が急性リンパ性白血病を発症したのは60代前半だった。

「日本の白血病で最も多いのは急性骨髄性白血病で、全体の4割を占めます。20歳未満の若い世代には急性リンパ性白血病が多い傾向がありますが、最も患者数の多い急性骨髄性白血病の好発(発生する度合いが高くなること)は50代とされています」(長尾クリニック院長の長尾和宏医師)

 厚労省の統計によれば、2016年の白血病の罹患数は1万3789人(男性8143人、女性5646人)で、30代の594人に対し、50代は1383人と倍以上の発症者が出ている。長尾医師が続ける。

「一般にがんは、細胞の遺伝子に傷がついたり、分裂する際のコピーミスが起きる病気で、それは白血病でも同じです。どの世代にも発症し得る病気ですが、老化により遺伝子の傷の修復が追いつかなくなる50代あたりから増えます。75歳以上の高齢者になるとさらに多くなります」

 白血病と診断されると、基本的には抗がん剤治療に移ることになる。新潟県立がんセンター新潟病院の内科・血液・化学療法臨床部長の張高明医師が解説する。

「大腸がんなどの固形がんとは違い、血液のがんの場合には、抗がん剤治療の臨床効果は確立されていて、どの抗がん剤を組み合わせて使用するかもはっきりしています。

 骨髄性の場合は1週間から10日ほど、リンパ性で2か月ほど『寛解導入療法』と呼ばれる抗がん剤治療を行ないます。これで白血病細胞はほとんどなくなる。正常な造血細胞もすべてなくなりますが、その後1~2週間で正常な造血細胞が増え始めます。

 1か月ほど経ったら、また入院して残った白血病細胞を根絶やしにする『寛解後療法(地固め療法)』という抗がん剤治療を行ないます。これを何度か繰り返し、個人差はありますが、治療には半年以上かかります。

 池江さんのように、若く、基礎体力が一般よりはるかにあることはメリットとして捉えられます。若い世代の白血病は7割以上が治るとされ、成人の場合は抗がん剤治療で根治できる割合は3割から5割。再発リスクの高い病気ではあります」

 その治療法でも、年齢によって違いがあるという。

「65歳以下の『若年者』には、複数の薬剤を用いる強力な化学療法を行ないますが、高齢者には強い治療を行なわないケースも出てきます。特に75歳以上になると基礎体力に不安があるので強い抗がん剤治療や骨髄移植は難しいことが多い。食欲不振や感染などの副作用に耐えられないこともあります」(前出・長尾医師)

※週刊ポスト2019年3月1日号



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