2017/09/28 18:00

200年の時を経て日本での刊行が実現。米ボストン美術館で発見された『北斎漫画』

200年の時を経て日本での刊行が実現。米ボストン美術館で発見された『北斎漫画』
200年の時を経て日本での刊行が実現。米ボストン美術館で発見された『北斎漫画』
日本の漫画の元祖とも言われている、江戸時代に活躍した浮世絵師・葛飾北斎による『北斎漫画』。1814年に初版が刊行されると瞬く間にベストセラーとなり、全15編が刊行されたこのシリーズは多くの西洋画家達にも衝撃を与え、今も世界中で愛されている。

しかしこのシリーズは全15編で完結ではなかったことが明らかになり、約200年の時を経てついにその続編が日本で刊行されることが決定した。

米ボストン美術館で発見された『北斎漫画』

今回刊行される『北斎漫画[肉筆未刊行版]』は、江戸当時に出版されることなく、原画のまま和綴じ製本された画帖が全ページ収録されている。不思議なことにこの原画は日本ではなく、米ボストン美術館の収蔵庫に眠っていた古い箱の中から発見されたもので、同館の学芸員セーラ・E・トンプソン氏たちによる調査の結果、これは『北斎漫画』の続編的企画として出版が予定されていた本の版下絵であると推定されたのだ。

そして昨年、米国にてトンプソン氏による詳細な解題・図版解説を付してこの漫画は出版されることになった。

米ボストン美術館で発見された『北斎漫画』
米ボストン美術館で発見された『北斎漫画』
米ボストン美術館で発見された『北斎漫画』

江戸時代の出版物は、絵師が描いた原画を元に、専門の彫り師が彫った線を印刷する木版印刷が採用されていたため、版下絵として使用された原画自体は木版の製作過程で切り刻まれ残ることはなく、これまで世に出た『北斎漫画』の原画は現存しない。

しかしボストン美術館で見つかった漫画に関しては、印刷物として世に送り出されていなかったことから北斎の肉筆原画がそのまま残ることになったというわけだ。

なぜ「ボストン画帖」が未完の画稿として残ったのかに関してはいまだに多くの謎が残っているものの、このロマン溢れる北斎肉筆による『北斎漫画』の生原画を、美麗な5色印刷で忠実に再現した『北斎漫画[肉筆未刊行版]』は、まさに歴史的な出版と言えるだろう。

北斎漫画[肉筆未刊行版]



北斎漫画[肉筆未刊行版]


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©2016 Museum of Fine Arts,Boston
北斎漫画 [肉筆未刊行版]

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