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2019/11/26 08:00

【医師監修】妊婦は寿司を食べたらだめ? NGネタをチェック!

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「妊娠したら、生ものを食べるのは控えた方がいい」というのは、よく聞く話ですね。

妊娠は病気ではありませんが、免疫力が弱まっているうえ、胎児への影響を考えて飲める薬も限られることから、体調を崩す要因はなるべく遠ざけたいという意味があるのでしょう。

中でも生魚は避けた方がよく、お寿司(すし)やお刺身はなるべく食べないようにと指導する病院もあるそうです。それはどうしてでしょうか? すべての生魚はダメなのでしょうか? 生でなければ食べてもいいのでしょうか?

この記事では、そんな疑問にお答えしましょう。


【監修】
成城松村クリニック院長 松村圭子先生


婦人科専門医。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学付属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。女性の「体の健康」「心の健康」のために、一般の婦人科診療だけではなく女性のあらゆる面をトータルにケア。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。

著書に、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など多数。


■妊婦は寿司や刺し身などの生魚を食べたらだめと言われる理由
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理由1:生魚には細菌やウイルスが潜んでいる可能性があるため


妊婦が生魚を避けた方がいい理由の一つに、加熱すれば死滅する細菌やウイルスがそのまま体内に入り、食中毒を引き起こす確率が高くなるためです。

中でも、次の2つには要注意です。

▼リステリア


リステリア・モノサイトゲネス菌(以下、リステリア)は、河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する細菌です。4℃以下の低温でも死滅することなく増殖するため、冷蔵庫などで冷蔵保存してそのまま加熱せずに口にする食べ物からの感染が多いといわれています。

初期症状はかぜに似ており、発熱・筋肉痛、時にははき気や下痢から始まります。

生の魚介類に限らず、生ハムなどの食肉加工品、未殺菌乳、ナチュラルチーズなどの乳製品、スモークサーモンなどの魚介類加工品などから感染します。

74℃以上で死滅する菌なので、加熱して食べることで感染を防げます。

参考サイト:
厚生労働省
「これからママになるあなたへ」



▼アニキサス


アニサキスは、魚介類に寄生する寄生虫の一種です。その幼虫は、長さ2〜3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のような形をしています。

アニサキス幼虫が寄生している魚介類を生で食べると、 食べた人の胃壁や腸壁に幼虫が刺入し食中毒を引き起こします。

多くの場合は急性胃アニサキス症で、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛みや嘔吐(おうと)といった症状が出ます。食中毒が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

魚を~20℃以下で24時間以上冷凍するか、70℃以上の加熱でアニサキス症は予防できます。一般的な予防方法として、食酢での処理や塩漬け、しょうゆやわさびをつけるなどがいわれますが、これらでは幼虫は死滅しません。

参考サイト:
厚生労働省
「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」


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理由2:食中毒のリスクが高いため


食中毒には、細菌性とウイルス性があります。

先に紹介したリステリア菌は細菌性で、多くの場合、口にしても症状が出ることはなく、重症化することはまれです(諸外国の報告では 10 万〜100 万に1人の発生率)。

ただし、妊婦や体力の低下した人は感染する機会が増し、妊娠期間後半 26 週以降が最も重症化しやすく、胎児への影響も報告されています。

妊婦が感染すると、リステリア菌が胎盤を通じて胎児へも感染し、流産や早産、死産の原因にもなるといわれています。

そのほか、生の魚介類が原因で食中毒になる細菌には、サルモネラ菌、腸炎ビブリオなどがあります。

一方、ウイルス性食中毒には、生もしくは加熱不足の二枚貝(カキなど)が原因のノロウイルスや、同じく生もしくは加熱不足の魚介類が原因のA型肝炎ウイルスなどが挙げられます。

いずれも免疫力が落ちている妊娠時期の感染は避けたいものです。魚介類には十分火を通して食べることで予防できます。

参考サイト:
農林水産省
「これからママになる方のための食中毒予防」

農林水産省
「食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑」



理由3:水銀摂取の危険があるため


魚の種類によっては、量を調節して食べる必要があるものがあります。それは、魚に含まれる水銀量が原因です。

自然界にはある一定の量の水銀が存在し、魚の体内にもその水銀は蓄積されています。そのため、食物連鎖によって小さな魚を捕食する大きな魚(クジラ、イルカを含む)ほどより多くの水銀を体内にためています。

魚を食べると、それに含まれる水銀を摂取するわけですが、通常は徐々に体外へ出ていくため、平均的な食生活をしていれば問題はありません。ただ、おなかの中の赤ちゃんは胎盤を通してお母さんから摂取した水銀を外には出せません。

水銀を含む魚を大量に食べ続けたお母さんの赤ちゃんは、1000分の1秒以下のレベルで音への反応が遅れるといった影響が出るそうです。

参考サイト:
厚生労働省
「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」

厚生労働省「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」



理由4:動物性ビタミンAの過剰摂取も危ないため


動物性ビタミンAは、目や皮膚、粘膜の働きを助けたり、抵抗力を高めたり、暗い所でも視力を保つ働きをもつビタミンです。

ただし、水には溶けず油に溶ける性質をもつ脂溶性ビタミンのため、体内に蓄積されやすい特徴をもっています。そのため、過剰摂取してしまうとビタミンA過剰症となり、おなかの赤ちゃんには先天異常が起こる可能性も。

■妊婦になってから寿司を食べちゃってた! 病院にすぐ行くべき?
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特に問題が起こっていなければすぐに病院へ行く必要はない


1回食べただけでも問題が生じるのは、アニサキス症とリステリア症でしょう。

急性胃アニサキス症に感染した場合、食後数時間から十数時間後には症状が出ます。また、リステリア菌の場合は、平均3週間の潜伏機関をへて発症します。

もし、食べてから上記の期間、何の症状も出ないようであれば、特に病院へ行く必要はありません。

参考サイト:
国立感染症研究所「リステリア・モノサイトゲネス感染症とは」



▼妊娠初期の胎盤ができるまで


妊娠2カ月(4〜7週)頃から赤ちゃんはお母さんのおなかの中で発育を始め、妊娠4カ月頃には胎盤が完成。それから胎盤を通して、赤ちゃんはお母さんから栄養をもらい育ちます。

▼妊娠初期なら大丈夫?


おなかの中の赤ちゃんは、胎盤を通してお母さんから栄養をもらいますが、同時にお母さんが摂取した有害物質も体内に取り込んでしまいます。

赤ちゃんは体の機能が未発達なため、それら有害物質を体から排泄(はいせつ)したり代謝したりがうまくできません。そのため、食事には一層気をつけなければいけないのです。

では、胎盤が完成していない妊娠初期なら大丈夫かというと、そういうことはありません。妊娠中は免疫機能が低下するため、食中毒にかかりやすいといわれています。重症化することはまれですが、感染予防のため加熱が不十分なものは口にしないようにしましょう。

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アニサキス幼虫が潜んでいる可能性の高いネタ


アニサキス幼虫は、以下の魚介類に寄生している場合が多いようです。
・サバ
・アジ
・サンマ
・カツオ
・イワシ
・サケ
・イカ ほか


食中毒の可能性が高いネタ


食中毒の原因となる食材を、細菌性とウイルス性に分けてご紹介しましょう。
【細菌性食中毒】
リステリア菌:スモークサーモンなどの魚介類加工品、ナチュラルチーズなどの乳製品、生ハムなどの食肉加工品、コールスローなどのサラダ
サルモネラ菌:ウナギ、スッポン、乾 燥イカ菓子、卵、またはその加工品、食肉(牛レバー刺 し、鶏肉)
腸炎ビブリオ:魚介類(刺身、寿司、魚介加工品)、二次汚染 による各種食品(漬物、塩辛など)

【ウイルス性食中毒】
ノロウイルス: カキなどの二枚貝
A型肝炎ウイルス:カキなどの二枚貝


参考サイト:
内閣府 食品安全委員会「その他」
厚生労働省「食中毒の原因と対応」



水銀量が高いネタ


日本人が1食で食べる魚の量は、切り身にしても刺身にしても、1食につき平均80gとされています。次に挙げた魚は水銀量を多く含むため、おなかの赤ちゃんに影響が出ないためには1週間に1食までが目安となります。
・キンメダイ
・メカジキ
・本マグロ(クロマグロ)
・メバチマグロ ほか

そのほか、キダイやマカジキ、ミナミマグロ(インドマグロ)、クロムツなども比較的、水銀量が多い魚となります。

参考サイト:
厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」


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ビタミンAの過剰摂取の危険性があるネタ


ビタミンAを多く含むものとして、次の魚介類が挙げられます。
・ヤツメウナギ(生)
・ホタルイカ(ゆで)
・ウナギ(かば焼)
・銀ダラ(生)
・アナゴ(生) ほか


■あぶってあれば大丈夫? 食べてもOKな寿司ネタ

あぶりでも要注意


生の魚介類を口にする場合、どれくらい火が通っていればいいのでしょうか?

アニサキスは中心温度60℃で1分以上、ノロウイルスは中心温度85〜90℃で90秒以上の加熱で予防できるとされています。

それ以外の細菌、ウイルスも温度・時間の指定はありませんが、「中心まで十分に加熱」によって食中毒は避けられることが多いようです。

そのため、表面に焦げ目がつく程度に火を入れる「あぶり」では、完全には予防できないでしょう。

参考サイト:
農林水産省「食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑」



食べてもOKなのは火が通っているもの


妊娠中でも食べられるお寿司の魚介類ネタは、「完全に火が通っているもの」。

例えば、蒸しエビや蒸しタコ、煮穴子なら、食中毒の心配はないでしょう。ただし、煮穴子は水銀量が多めなので、食べる量は調整しなければいけないでしょう。

魚卵なら大丈夫かといえば、実はそうでもありません。イクラにアニサキスの幼虫が寄生していることもあり、やはり生である以上、食中毒の危険性は変わりありません。

ネタが魚介類以外のお寿司、例えば玉子や納豆巻き、かっぱ巻きなどはいくら食べても問題はないでしょう。

■妊婦が魚を食べる時の注意点

寿司はNGでも妊娠中は魚介類を積極的にとろう


妊娠中、生の魚介類がネタとなるお寿司は避けたほうがいいですが、魚自体は積極的にとって欲しい食材です。

魚には、良質な動物性たんぱく質や骨・歯を強くするカルシウム、血管障害を予防したりアレルギー反応を抑える効果があるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれます。

おなかの中で赤ちゃんを育てている妊婦さんにとって、栄養豊富な魚介類は欠かせない食材です。水銀量が多い魚は避ける、十分に加熱するなど気をつけて、積極的に魚を取り入れた食生活を送りましょう。

参考資料:
日本産婦人科医会
厚生労働省
農林水産省
国立感染症研究所
内閣府 食品安全委員会



(山本知美)

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