2017/09/15 22:00

仕事をしていてやってきた、人生でいちばんうれしい瞬間

ドラマみたいなキラキラ職場に憧れて入社。…のはずが、配属は埼玉営業所での汗だく飛び込み営業!

でも、そこでヘコむ桜子ではない。憧れの自分に近づくための決死の逆転劇が、ここから始まった。女の人生ルポルタージュ2人目、Vol.2!

★Vol.1はこちら→ キラキラOLのはずが、飛び込み営業マンに!

南 桜子(仮名)31歳/IT企業 広報

1986年生まれ、東京都港区在住(ひとり暮らし)
職歴/音楽大学卒業後、IT企業に入社。約2年3か月間の営業職を経て、広報担当に。現在入社9年目。
似ているタレント/木村文乃
理想のタイプ/大沢たかお

Vol.2 仕事をしていてやってきた、人生でいちばんうれしい瞬間運を貯める

ちょうど入社3年目にさしかかったある日、桜子は勤務地の埼玉の営業所から本社のMビルに向かっていた。営業のボスから面談に呼ばれたのだ。

「いよいよかな」

営業成績は全国でも上位には入っていた。営業トークも工夫してチームで協力し、会社の利益に貢献した。それが認められて表彰されたり、成績優秀者旅行に連れて行ってもらったりもした。それだけじゃない。会社の飲み会では雑用も含めてテキパキ働いて、印象を残した。本社に行きたい! という強い思いを込めながら…。

営業のボスとの面談内容を要約するとーー、

「今後会社を大きくしていくために、6月から新たに広報の担当を置く。それを、桜子さんに頼みたい。ゼロから仕事をつくっていくことになるが、君ならできる」
ということだった。

「私、人生でいちばんうれしかった。涙がこぼれそうになったけど、ガマンして、思いっきりの笑顔で、『ありがとうございます! 頑張ります!』って言いました。営業を頑張ってやってきて、よかった。本当に、よかった」

その日のことを思い出すと、今でも目頭がジーンと熱くなる。

同期は「本当によかったね!」と自分のことのように喜んでくれた。なぜなら、桜子がやってきた努力をずっと近くで見ていてくれたから。仕事だけでなく、雑用も周囲の人のお世話も、だれよりも一生懸命やっていたのは、桜子だった。

桜子が最近好きだったお仕事ドラマ『重版出来』で、いいことを言っていた。だれも見ていなくても、毎日小さないいことをして「運を貯める」と。奇跡なんてなくて、小さな積み重ねをすることで、運が開ける。桜子のおばあちゃんがよく言っていた「お天道さまは見てる」というのと、同じだ。

その週末、桜子は7センチと9センチのヒールのパンプスを買った。埼玉で営業をしていたときは、5センチだったけど、本社Mビルでキラキラ女子になるためには、もっと盛りたい。ちなみに、身長168センチの桜子がハイヒールを履くと、男性社員の身長を追い越してしまうこともある。いつしか、好みの男性は「背の高い人」と言うようになっていたが、その真意は「頼れる人」を求めているんじゃないかと、自分では分析している。

サトルと別れてからつきあった今の彼は、大学時代のアルバイト先で仲良くなった常連のお兄さん、松也(仮名)。身長183センチ。桜子さんがハイヒールを履いてちょうどいいバランスだ。マスコミの仕事をしていて、お互いに忙しさが同じくらい。見た目もアクティブさも趣味も好みもすべて一致。初めて結婚したい! と思える相手だった。

広報レディ誕生

会社でたったひとりの広報担当。

それが、桜子の新しい肩書きだ。「大変でしょ」「ひとりでさびしくない?」と同期からは言われるし、営業しかやってこなかったキャリアを考えると、不安なことは山ほどある。けれど、ようやく念願かなった本社勤務。自分で乗り越え、自分で道を拓くしかない。まずは目の前の与えられたことを全力でやること。最初に任せられたのは、会社の認知度向上。会社がやっていることを「リリースにまとめてマスコミに配り、メディアに取り上げてもらうこと」だった。

「リリースってなんだろう? マスコミって、具体的に何をさすんだろう? こんな基本的なことからスタートです。PR会社に研修に行き、リリースなるものを作成しました。社外に向けて、伝えたい情報を完結にまとめたニュース速報みたいなものです。そして、マスコミ電話帳からピックアップした新聞・雑誌・ネットニュースにアポを取り、会いに行き、リリースを渡しつつ会社のPRをします。

どの方法が正しいのかはわからなかったから、とにかく片っ端からあたる作戦。営業のときから、ローラー作戦は得意なんです。

会ってもらえなかったとしても、リリースをメールして、機会があれば記事として取り上げてもらうよう、丁寧にアプローチしました。全部で200社以上は電話をしてアポを取り、プレゼンをしました」

その後も新サービスが出るたびに、リリースをつくり、マスコミ各社に売り込み、取材を受け、その数は異動1年目、2年目と、右肩上がりで増えていった。3年目以降はSNSの運用、採用プロジェクトの仕事も加わった。また、会社の株式上場に向けての準備が始まってからは、外部に発信するニュースも増えて、さらに忙しくなった。

それでも、片道2時間かけていた通勤時間は本社勤務で30分になったので、全然ツラくない。それどころか、ますます自分の中から力がわいてくるような、いくらでも働けるような気がしていた。目一杯働いて、夜9時、10時から飲みに行くなんていうのも、よくあること。夜遅くまでやっているジムを探して通ったりもしていた。

マスコミ勤務の彼・松也も同じで、寝る時間ももったいないくらい、仕事をして、そして遊んでいた。地方ロケに行って戻ってきたその足で桜子の家に会いに来ては、荷作りに自分の家に帰ってまた別のロケに出かけて行く。

松也も桜子もそれぞれ、東京で働くことの楽しさを24時間感じていた。

※次回は9月22日(金)22時に更新します。
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Vol.1 キラキラOLのはずが、飛び込み営業マンに
Vol.2 仕事をしていてやってきた、人生でいちばんうれしい瞬間
Vol.3 頑張る女子が、男よりもマラソンにハマる理由(9/22 22時更新予定)
Vol.4 今どき「がむしゃら」はカッコ悪い。31歳が選んだ「カッコいい」働き方(9/29 22時更新予定)文/南 ゆかり
「CanCam」や「AneCan」、「Oggi」「cafeglobe」など、数々の女性誌やライフスタイル媒体、単行本などを手がけるエディター&ライター。20数年にわたり年間100人以上の女性と実際に会い、きめ細やかな取材を重ねてきた彼女が今注目しているのが、「ゆとり世代以上、ぎりぎりミレニアル世代の女性たち」。そんな彼女たちの生き方・価値観にフォーカスしたルポルタージュ。

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