2018/06/25 07:00

アモールの向こう側にあるのはなに? メキシコ・ロスカボスで愛について考えた

ランズエンドで見た
愛の向こうにあるもの

「ラバーズビーチ」と名付けられた砂浜が、メキシコ北西部、バハ・カリフォルニア半島南端に位置するロスカボスの、カボ・サンルーカスにある。この街の「ランズエンド」という岬は、ロスカボスでも有数の観光名所だ。


こちらがランズエンド。左側がコルテス海、右側が太平洋。

 ランズエンドは半島の南端が海に落ち込むポイントで、「Land's end」の名の通り、ここで地が終わり、その先にあるのは広大な海のみ。またバハ・カリフォルニア半島とメキシコ本土の間のコルテス海と太平洋が交わる場所でもある。


ランズエンドの名所、打ち付ける波で美しく岩が削られた「エルアルコ」。

 ランズエンドにはふたつのビーチがあり、コルテス海側にある小さなビーチの名前を「ラバーズビーチ(恋人のビーチ)」という。


こちらがラバーズビーチ。スペイン語で「Playa del Amor(プラヤ デル アモール)」。

 ラバーズビーチは岩石に囲まれているため陸路からは行くことができず、ボートなどで上陸する。ラバーズビーチの向こう、太平洋側にはもうひとつビーチがあり、ふたつはつながっていて歩いて行き来ができる距離。

 そしてラバーズビーチの向こう側にあるのは……なんと、「ディボース(離婚)ビーチ」。


こちらがディボースビーチ。岩にはじける波しぶきが遠くからでもよく見える。

 コルテス海側にあるラバーズビーチは、湾に面しているため波が穏やかなので「恋人のビーチ」。一方ディボースビーチは、その先になにもない太平洋の荒波をもろに受け、非常に波が荒いことから「離婚ビーチ」と呼ばれているのだという。

 愛の向こうにあるのは離婚!? 愛と離婚は陸続き!? 愛と離婚は容易に到達できない場所にある!? 愛ってなんだかムズカシイ!!

 非日常の風景を求めてロスカボスへ来て、いきなりまさかの愛と離婚の禅問答。旅が終わるまでに、果たして答えは見つかるのだろうか……。


ディボースビーチに渦巻く波。

 愛と離婚の関係を考えはじめてヒートアップした頭を冷やそうと、ランズエンドを一望するリゾート「ザ ケープ ア トンプソン ホテル」へ向かった。荒々しいディボースビーチを目にした後に、ラバーズビーチ側からランズエンドを眺めると、なんだか穏やかな気持ちになれたのは、気のせいではないかもしれない。


ラバーズビーチ側から眺めるランズエンド。

 アメリカ・ロサンゼルスから飛行機で約2時間半のロスカボスは、古くからハリウッドセレブ御用達のリゾート地として発展してきた。ビーチ沿いには豪奢なリゾートが立ち並び、マリンアクティビティに興じ、バケーションを満喫する人たちで一年中賑わっている。

 乾いた大地とサボテン、波が打ち付けるごつごつした岩、乾燥地帯でオアシスの存在を意味するパームツリー。それらロスカボスの風景をモダンにデザインに取り入れた「ザ ケープ」も、セレブに愛されているラグジュアリーリゾートのひとつだ。

 ルーフトップバーからは、ランズエンド方面に沈む夕陽を眺めることができ、愛を語るにはぴったりのシチュエイション。予約をすれば、宿泊ゲスト以外でも利用できる。



左:グレーを基調とした空間は、ロスカボスの自然と一体化したようなデザイン。総客室数は161室。
右:ロスカボスの特産品の貝、アルメハ・チョコラタ。セビーチェ(生)で食べるのがバハ・カリフォルニアスタイル。

「ザ ケープ」の背景にある景色。乾いた大地にパームツリーが一列に生えているのは、そこに水脈があるということ。

愛の思い出を残すなら!

 ふたりが愛を語るのにふさわしい、とっておきの場所をもうひとつ紹介しよう。それが2018年3月にグランドオープンしたオールインクルーシブのラグジュアリーリゾート「ル ブラン スパリゾート ロスカボス」だ。


総客室数373室。メインとなるゲストルームは約60平方メートルという贅沢さ。

 フランス語で白を意味する「ル ブラン」は、白亜の空間に海と空の青が映える優美なリゾート。太陽に輝くビーチの前で純白のウエディングドレスに身を包み……と、リゾートウエディングを希望する女性には、まさに憧れのシチュエイションがここにある。

 このリゾートいちばんのフォトジェニックスポットが、ビーチに向かって伸びる一本の道「ブラン ウインド」。ここで結婚式を挙げることもできるし、もちろん旅の記念撮影だけでもとびきりの思い出になるに違いない。


「ブラン ウインド」の向こうに見えるのは水平線! 4泊以上のカップルは事前に予約すればセレモニーを無料でおこなうこともできる。

 ちなみに、こちらでは宿泊日数に応じて付与される「リゾートクレジット」を使って、さまざまなサービスを受けることができるのだが、ブラン ウインドをはじめとするリゾート内で、プロのカメラマンによる記念撮影を選ぶことも可能だ。

 詳しくは「メキシコ・ロスカボスで一番新しい! オールインクルーシブホテルの快楽」で紹介しているので、あわせてお読みいただきたい。



左:海と一体化した気持ちになるインフィニティプールもある。
右:ほぼ全室オーシャンビュー。思い出の朝の風景をカメラに収めて。

 さて、ここまでの旅で考えたのは愛する人=恋人を前提とした愛だった。しかし……愛とは恋人同士の間だけで交わされるものではないはずだ!

いろいろな愛がいっぱいのロスカボス

 ロスカボスでは毎年冬から春にかけて、ホエールウォッチングを楽しむ人で賑わう。

 アラスカ沖で過ごしていたクジラは、冬になると生まれ故郷を目指して南下。ここで出産して、しばらく子育てをする。生まれた子クジラは、母親を真似て生きる術を学ぶわけだが、生まれてしばらくすると、母クジラが子クジラに潮吹きやジャンプを教えるようになるのだそうだ。


潮を吹くクジラの親子。


春頃に2頭一緒に見えるときはたいてい親子。ときどきジャンプに失敗する様子も微笑ましい。

 海の上では聞こえないのだが、海中にマイクを入れるとクジラがなにやら音を発しているのを聞くことができるという。母クジラが子クジラに「そこでもっとお腹に力を入れて!」と指導したりしているのかな、などと考えるとちょっと楽しい気持ちになった。

 母の愛は厳しくも永遠のもの。子クジラが立派にひとり立ちする日まで、母の厳しいレッスンは続くのだろう。


たくさんのホエールウォッチングツアーが出ている、カボ・サンルーカスの街並み。

ロスカボスを愛するアーティストたち

 ロスカボスには、この地を愛してやまないアーティストが多くいる。

 ロスカボスの東側に位置する、サンホセ・デル・カボのダウンタウンで毎週木曜日に開催されているのが、アートフェスティバル「アートウォーク」だ。多くのアートファンで賑わい、夜になると通りがライトアップされて街はいっそう幻想的な雰囲気に。


ギャラリー「パトリシア メンドサ」。

 このアートウォークは15年ほど前に3つのギャラリーからスタート。毎年10月から6月の毎週木曜日、午後5時から9時に開催されている。

 いまでは14のギャラリーが参加、アートギャラリーだけでなくショップを巡ってお土産を探すのも楽しい街だ。ギャラリーにいるオーナーやアーティストに話しかけてみると、どれだけアートとロスカボスを愛しているか、聞くことができるだろう。



左:「パトリシア メンドサ」では2カ月に一度ほどで作品が入れ替わる。
右:ギャラリーではカクテルを手渡されることも。渇いた喉を潤しながら作品を鑑賞。

アートウォークを運営するパトリシアさん(左)。ギャラリー「コルシカ」のオーナー(右)は「メキシコはカラフルな色であふれていて、生命を感じるんだ」と言う。

ギャラリー「コルシカ」では、50人ほどの有名なメキシコ人アーティストの作品を観ることができる。

ギャラリー「エンリケ バスコン」のエンリケさんはスペイン出身。「エネルギッシュなメキシコ、自然にあふれたロスカボスが大好き」という。

エンリケさんのお気に入りは中央のフリーダ・カーロ。

21年前にオープンした「アルテ ギャラリー」は、アーティストのフリアンさんの工房兼ギャラリー。

物静かなフリアンさんは「ほかの土地で暮らすなんて、考えたこともないよ」と語ってくれた。



左:夕暮れ近くに通りでストリートパフォーマンスがはじまった。
右:メキシコの祝祭日「死者の日」のガイコツ「カトリーナ」。

 恋人、親子、好きなことや場所への愛……ロスカボスの景勝地ランズエンドで考えはじめた、いろいろな愛のこと。

 はからずも愛について思いをめぐらすことになった旅の終わりに、東京に向かうアエロメヒコ航空の機内で映画『リメンバー・ミー』を観た。故人へ思いを馳せるメキシコの祝祭日「死者の日」をテーマにしたこの映画は、音楽を愛するミゲル、家族を想うヘクターを中心に家族の愛が描かれている。


『リメンバー・ミー』の原題は『COCO(ココ)』。なぜココなのか、映画を見ると大いに納得。

 ランズエンドで気づいた愛と離婚の禅問答をきっかけに、ロスカボスへの旅はさまざまな愛について思いをめぐらすことになった。というわけで愛についての考えを深めるために(!?)、さあ、あなたもロスカボスへ!

Le Blanc Spa Resort Los Cabos
(ル ブラン スパリゾート ロスカボス)

https://www.leblancsparesorts.com/en/los-cabos/


The Cape, A Thompson Hotel
(ザ ケープ ア トンプソン ホテル)

http://www.thompsonhotels.com/hotels/cabo-san-lucas/the-cape-los-cabos/


Art Walk
(アートウォーク)

http://www.artcabo.com/


Enrique Bascón
(エンリケ バスコン)

http://www.artebascon.com/


Corsica
(コルシカ)

https://galeriacorsica.com/


Arte gallery
(アルテ ギャラリー)

http://www.artcabo.com/arte-gallery.html/


Patricia Mendoza Art Gallery
(パトリシア メンドサ アート ギャラリー)

http://www.artcabo.com/patricia-mendoza.html/

【取材協力】
アエロメヒコ航空

http://aeromexico.jp/


トラベルファクトリージャパン

http://www.tf-jpn.com/

文・撮影=請川典子

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