2018/06/15 07:00

良質な台湾茶と洗練されたデザイン 台北で話題の「琅茶(ウルフティー)」

若き女性が手がける
ハイセンスな台湾茶ブランド

 台湾を代表する特産品と言えば、まず浮かんでくるのが烏龍茶です。実際、台北の町を歩いていると、数多くの茶葉店や喫茶店を目にします。当然ながら、競争の激しい台湾茶業界ですが、その中で、ひと際注目を集めているのが、ここ「琅茶(ウルフティー)」です。


路地裏にある店舗は小さな間口なのでうっかり通り過ぎてしまうことも。

オオカミのロゴが目印です。

 店があるのは「民生社区」と呼ばれるエリア。ここは緑溢れる閑静な住宅街として知られ、近年は老アパートを改装したカフェやショップなどが増えています。パイナップルケーキの名店、「微熱山丘(サニーヒルズ)」もすぐ近くに。

「琅茶」はわずか4坪ほどの小さな店舗ですが、白を基調とした明るい雰囲気で、畳の敷かれたロフトもあります。


狭いながらも空間を上手に利用。厳選された茶葉や茶器などがセンス良く並んでいます。

ロフトの茶室ではテイスティングすることもできます。アーウィンさんが注目する台中の器作家、方煜程氏の作品も展示。

 オーナーのアーウィンさんは、以前は大手IT企業でデザイナーとして活躍していた女性。実家は高山茶の産地として有名な阿里山にあり、父親は名の知れた選茶師です。小さな頃からお茶の世界に親しんできたバックグラウンドをもちます。

 そんな彼女は台北にやってきた頃、自分と同世代の若者たちがペットボトル飲料やドリンクスタンドばかりを利用し、本格的な台湾茶を楽しむ機会が少ないことに驚いたと言います。そこで30代に入ったのを機に独立。「台湾が誇る茶の文化を守っていきたい」という想いから、誰もが気軽に楽しめる台湾茶ブランドを立ち上げたのでした。


台湾茶について熱く語るアーウィンさん。

 当初はインターネット販売のみでしたが、2014年に店舗を開設。父親が厳選したハイクオリティな茶葉はもちろん、アーウィンさんがデザインしたセンスの良いパッケージも瞬く間に評判を呼び、台湾茶業界に新たな旋風を巻き起こしました。


「琅琅上口」とは朗読などでよどみなく言葉が出るという意味。ここでは「飲み心地が良いお茶」という意味を込めています。アーウィンさんの父親による書。

まるで森林浴をしている気分! 爽やかな香りの烏龍茶

まるで森林浴をしている気分に! 
爽やかな香りの烏龍茶

◆杉森烏龍
 500元


手ごろなサイズも嬉しいところ。

 琅茶の茶葉は台湾各地の優れた農家から直接仕入れています。扱っている茶葉は十数種類。春茶が入荷したばかりという「杉森烏龍」。これは台湾中部の南投県杉林渓にある標高1700メートルの「龍鳳峡」という地域で産出されたもの。

 ここの茶畑は周囲が森林に囲まれており、水はけも良好。清々しい樹木の香りがすることから「杉森」と命名しています。アーウィンさんによれば、天候が安定していた今年の春茶は特におすすめとのこと。


初心者や外国人の方でも楽しめるようにと、すべての商品の箱の裏側には中国語、英語、日本語の3カ国語で淹れ方が表記されています。

香り派 or 味派? 好みで選べる阿里山茶

香り派 or 味派? 
好みで選べる阿里山茶

◆悠韻烏龍 400元
◆野香烏龍 380元


箱には産地、品種、発酵度、焙煎具合のデータが表記されています。

 琅茶は台湾中部の阿里山一帯で産出された茶葉をいくつか扱っています。一つは「悠韻烏龍」で、標高1400メートルの「大凹」という場所で産出された高山茶。これは著名な職人が精魂こめて製茶したもので、味わいに深みがあると評判。一口飲むと、喉元にしばらく甘い余韻が残ります。台湾茶愛好家の間でも高い評価を得ています。

 また、「野香烏龍」は標高1400メートルの「樟樹湖」という場所に茶畑があり、花のような香りがするのが特色。さっぱりとした飲み心地で、台湾高山茶の特質が際立っています。特に初心者の方におすすめです。

ミントの香りがするフレッシュな紅茶

ミントの香りがするフレッシュな紅茶

◆薄荷紅玉
 320元


店では阿里山産と日月潭産も含め、数種類の紅茶を販売しています。

 台湾では烏龍茶だけでなく、紅茶も高い評価を受けています。台湾中部の日月潭紅茶が広く知られていますが、琅茶では台北郊外の坪林産の紅茶も扱っています。これは「台茶18號」という品種で、ミントやシナモンのような香りとキャラメルのような甘さをもちます。ミルクや砂糖を入れなくても美味しくいただけるのが特色とされています。

夏にぴったりの爽やか包種茶

夏にぴったりの爽やか包種茶

◆桂香包種
 320元


水出し包種茶。これからの季節、冷蔵庫に常備しておくのもおすすめ。

 包種茶は烏龍茶の中でも発酵度が低めなので、緑茶のような感覚で味わえます。産地としてはこちらも台北郊外の坪林が知られています。ここで扱うものは、キンモクセイや蘭の花のような香りが楽しめ、水出しで飲むのもおすすめです。

お土産に喜ばれるティーバッグ

お土産に喜ばれるティーバッグ

◆綜合茶包
 12袋350元


茶葉の風味によってラベルを色分け。緑は爽やかな香り、黄色は蜜のような香り、オレンジは深みのある香りが自慢です。

 琅茶では、より手ごろに台湾茶を楽しんでもらうため、ティーバッグも販売しています。自家焙煎した阿里山高山茶「小焙青茶」と阿里山産のミルキーな香りがする紅茶「奶萱紅茶」、さらに前述の「桂香包種」と「薄荷紅玉」の4種類があります。また、この4種類すべてが入ったお得なセット「綜合茶包」も人気です。

思わず集めたくなるカラフルな茶缶

思わず集めたくなるカラフルな茶缶

◆茶罐
 330元(単体)


並べるだけでワクワクしてしまうポップな茶缶。茶葉と合わせて購入すると、1缶250元に割引。

 琅茶のヒット商品であるビビッドな茶缶。新作の若草色を含め、オレンジ、黄色、緑、白、ピンクの全6種類で、アーウィンさんがデザインしたオオカミの可愛いロゴが入っています。ちなみに、店名の「琅」とは父親の名前から取ったもの。「琅」と「狼」は中国語で発音が同じため、オオカミをロゴにしたのだそう。

特別な人に贈りたい湯呑みセット

特別な人に贈りたい湯呑みセット

◆雙琅對杯茶組(湯呑み2個と茶葉入り茶缶)
 約1500元(選ぶ茶葉により異なる)


ギフトセット。茶缶の色や茶葉の種類はお好みのものを選べます。

 台湾で人気の磁器ブランド「只是 zishi」とのコラボ商品。ペアの湯呑みには、遠眼鏡で遠くを眺めるオオカミと扇子を扇ぐオオカミがデザインされています。湯呑みの内側には阿里山をイメージした山が描かれており、ちょうど山麓までお茶を注ぐと、お茶の表面に逆さの山が映るという風流な仕掛けも。


ストーリーが楽しめる表現力に富んだ図案。

使い勝手の良い蓋付き湯呑みは自分用に

使い勝手の良い蓋付き湯呑みは自分用に

◆悠哉・工夫茶蓋杯(蓋付き湯呑み)
 1380元


蓋杯の使用方法については日本語の説明があるので初心者でも安心!

 こちらも「只是 zishi」とコラボした新商品。オオカミが茶葉でサーフィンをしながらお茶を飲むというユニークな姿が描かれています。「工夫茶蓋杯(蓋付き湯呑み)」の用途は三つ。単純に湯呑みとして用いられるだけでなく、茶葉を入れて急須としても使用可。また、急須や湯呑みを別に用意すれば、お茶の香りを楽しむだけの茶杯(中国語では「聞香杯」)にもなります。

仕事中に重宝する茶こし付きタンブラー

仕事中に重宝する茶こし付きタンブラー

◆沁涼盆栽 隨身冷泡茶水壺(携帯用タンブラー)
 480元


就寝前に準備しておけば翌朝には水出し茶ができあがっています。

 水出し茶を作るのに便利なタンブラー。茶葉を5グラム入れ、満水にし、常温で約3時間、冷蔵庫で約6~8時間寝かせると、美味しいアイスティーができあがります。耐熱温度は110度までに設定されていますが、タンブラー表面がかなりの熱さとなるので、アイスティーに用いるのがおすすめ。盆栽をモチーフにした涼しげなイラストもナイス。

琅茶 (ランツァー)

所在地 台北市松山區民生東路5段36巷8弄23號
交通 MRT南京三民駅1番出口から徒歩約15分
電話番号 0970-844-235
営業時間 13:00~19:00
定休日 無休
https://wolftea.com/
※2018年6月には近所に茶器を展示したギャラリーもオープン予定


片倉真理 (かたくら まり)

台湾在住ライター。1999年から台湾に暮らし、台湾に関するガイドブックや書籍の執筆、製作に携わる。そのほか、機内誌への寄稿や女性誌のコーディネートなども手がけている。2011年に台湾で出版した中国語書籍『在台灣,遇見一百分的感動~片倉真理 旅的手記』(夏日出版社)のほか、共著に『食べる指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、『台湾で日帰り旅 鉄道に乗って人気の街へ』(JTBパブリッシング)など。2018年4月20日に新刊『台湾探見 Discover Taiwan-ちょっぴりディープに台湾体験』(ウェッジ)を刊行。

文=片倉真理
撮影=片倉佳史

今日の運勢

おひつじ座

全体運

ロマンチックな気分の日。恋愛映画をみたり、音楽に浸って過ご...もっと見る >