2018/06/08 18:00

スター目白押しのシネマ歌舞伎に出演! “歌舞伎界のサラブレッド”片岡千之助

 CREA WEBインタビュー連載が、〈厳選「いい男」大図鑑〉としてリニューアル。一発目に登場するのは、十五代目片岡仁左衛門を祖父に、片岡孝太郎を父に持つ片岡千之助。今年18歳になった“歌舞伎界のサラブレッド”のプライベートや素顔に迫ります。

幼少時代から拍手をもらうのが好き


――自身の家系のことを初めて知った瞬間は、いつ頃ですか?

 物心ついたときから、自然と知ったと思うのですが、初お目見得の前は、何も考えていなかったと思います。ただ、ギリギリ泣かない程度の年齢、2歳のときから『源平布引滝』の「義賢最期」や「実盛物語」などの舞台を観させてもらっていましたし、「憧れの人である、パパやおじいちゃんと同じことができる。同じ舞台に立つことがカッコいいことだ」と思っていたことは、なんとなく覚えています。

――2003年には、大阪松竹座「男女道成寺」で初お目見得。翌04年には、歌舞伎座「松栄祝嶋台」で片岡千之助を名のり初舞台を踏みますが、そのときのことは覚えていますか?

 後になって映像を見たことで、「こんな感じだったかも?」とか、袈裟のような衣裳をめくって遊んでいたことも思い出しますが、初お目見得のときも初舞台のときも、とにかく舞台に立つことが楽しかったです。僕、昔からいろんな方から拍手をもらうのが好きなんです。だから、どこかで緊張しながら、ニヤニヤしていました(笑)。だからといって、幼稚園のお楽しみ会みたいなもので特に目立ったことをしたことはありませんでした。

祖父・仁左衛門との「連獅子」秘話


――「シュワッチ」の見得を舞台でやるほど、ウルトラマン好きで知られています。

 ウルトラマンは、今でも好きです! 僕の時代はウルトラマンコスモスやネクサスで、毎週観るのが楽しみだったんですが、もともと父(片岡孝太郎)が好きだったことも大きいと思います。あと、(中村)福助のおじさま、今の(中村)勘九郎のお兄さんも、ウルトラマン好きなんですよ!

――その後、11年に「連獅子」では、祖父である仁左衛門さんと共演されます。

 初めて祖父と動きを合わせたときに、「こんなに厳しい祖父を見たのは初めて」と思ったぐらい、とにかくお稽古が厳しかったです。まるで「連獅子」のストーリーと同じように谷底に落とされる感覚で、挫折しそうにもなりました。でも、僕は負けず嫌いな性格ですし、やりたい気持ちを祖父に手紙で書いたぐらい、「連獅子」をやることは夢でしたので、それでも這い上がってやろうという気持ちが勝り、やり遂げることができました。

大学進学前に、改めて歌舞伎の道を決意


――3年後の14年には、「連獅子」を再演されるわけですが、そのときの心境の変化は?

 初演を1カ月間やらせていただいて、それによって少し自信がついたんです。でも、再演では自信がありすぎてはいけないと思ったし、初演よりもっと成長しなければいけないと。そんな自分の気持ちのなかで葛藤はありました。だから、昔の映像を見て、稽古での映像を見て、新たなものを作れるよう頑張りました。今度は1カ月のあいだに動きを変えるような余裕もあり、千穐楽を終えて、祖父から「よくやった。お疲れさま」という一言をいただいたときは嬉しかったです。

――自身の転機となった出来事や作品があれば教えてください。

 大学に行くことは中学のときに決めていたんですが、今からちょうど1年ぐらい前、高校を卒業するにあたって、父と「この後、歌舞伎をやっていくか?」というような話になったんです。そのとき、今までのことを一度振り返って、改めて、歌舞伎を続けていきたいと思ったんです。それに、お客さんや知り合いの方に、歌舞伎についてお話させていただくと、本当に楽しくて、「こんなに自分は歌舞伎好きなんだな」と思うようになったことも大きいですね。

期待高まる大学生活との両立

――4月から大学(青山学院大学)に進学されましたが、それまで学業と歌舞伎の両立は大変でしたか?

 中・高では部活にも入っていましたし、舞台がある時は学校が終わったら歌舞伎座に直行して、稽古して、舞台に出て、の繰り返しの毎日でした。学校はできるかぎり出席し、舞台はできるかぎり夜の部にしていただいたりと、いろいろ大変なことはありました。今の(中村)児太郎のお兄さんだったり、(中村)橋之助のお兄さんなどから、学校の先輩には授業のことだけじゃなく、「大学に入って最初の1カ月は、友達づくりなどもあるので、できるだけ行った方がいい」といったアドバイスもしていただきました。

――そのアドバイスを実行されて、今は大学生活を楽しまれていますか?

 入学式の翌日から、いろんな人に声をかけて「片岡といいます。宜しくお願いします」と自己紹介していたこともあって、いいスタートダッシュを切れました(笑)。そのおかげで、いろんな方と仲良くなれそうです。公園で、1人でボールを蹴るほどサッカー好きですし、踊ることも好きなので、フットサルやダンスのサークルに入ることも考えています。だから今、めっちゃ楽しいです!

~次回は女方に挑んだ、シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』についても伺います~


片岡千之助(かたおか せんのすけ)

2000年3月1日生まれ。東京都出身。03年7月、大阪松竹座にて「男女道成寺」の所化で、初お目見得。翌04年11月、歌舞伎座にて「松栄祝嶋台」(通称「お祭り」)の若鳶千吉で、片岡千之助を名のり初舞台を踏む。祖父は十五代目片岡仁左衛門、父は片岡孝太郎。


シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』

お伊勢参りから江戸に戻った弥次郎兵衛(市川染五郎/現:松本幸四郎)と喜多八(市川猿之助)。伊勢までの道中で一文無しとなった二人は、仕方なく歌舞伎座のアルバイトを再開。相変わらずの失敗続きで、怒られてばかりのなか、舞台で殺人事件が発生! 2人は犯人として疑われてしまう。
*シネマ歌舞伎とは、歌舞伎の舞台公演を映画館の大スクリーンのデジタル上映で楽しむ映像作品。
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
(C)松竹株式会社
2018年6月9日(土)より全国公開

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

文=くれい響
撮影=白澤正

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