2018/06/22 12:00

片岡千之助が女方に挑戦した 『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』

 “歌舞伎界のサラブレッド”として注目を浴びている片岡千之助・18歳。インタビュー2回目では、現在公開中の、女方に挑戦したシネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』の裏話から、将来の展望、私生活についても語ってくれました。

女方を演じるうえでの苦労


――では、私生活のお話をきかせてください。映画鑑賞やマンガを読むことがお好きなようですね。

 フランスが好きだったこともあって、高校1年のときに『ミッドナイト・イン・パリ』を観て以来、ウディ・アレン監督の作品が好きになりました。このあいだ、大学の学科の推薦図書で、『トリュフォー―ある映画的人生』を読んだので、これからはフランソワ・トリュフォー監督の作品も観たいと思っています。映画館で観るのも好きですが、ネットフリックスで観るのも好きなんです。だから、将来は役者として、映画にも携われたらいいなとも思っています。マンガだったら、『NARUTO -ナルト-』『ONE PIECE』『BLEACH』『坂本ですが?』『名探偵コナン』……挙げるとキリがないんですが、とにかく好きなんです(笑)。あと、好きなアーティストは、マイケル・ジャクソンとデヴィッド・ボウイ、青学の先輩である尾崎豊さん。最近では、アヴィーチーが亡くなったのもショックでした。

――今回劇場公開される、シネマ歌舞伎(歌舞伎の舞台公演をHDカメラで撮影し、映画館の大スクリーンでのデジタル上映で楽しむ)『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』。ここで、坂東巳之助さん演じる伊之助の妹・お園役を演じられています。

 新作で、面白くて、出ている僕も後ろでクスッと笑ってしまうような演出や、シナリオが2つに分かれていて、お客様の拍手の数で変わる展開など、いろいろ詰まった作品だと思います。僕にとっては、初めての女方だったので、声の出し方だったり、袖を持つ仕草だったり、すべてが初挑戦の連続でした。じつは、みなさんとお稽古を合わせるときに、喉をやられてしまって、全然声が出せなかったんです。それぐらいギリギリな状況だったんですが、父に女方としての言い回しや仕草を教えてもらいながら、それをマネすることで、なんとか初日を迎えることができました。

舞台とは違う映像の面白さ


――実際、初日を迎えていかがでしたか?

 2日目に、祖父が観に来てくださることを知っていたので、その緊張感もあって、頑張ってみたところ、なんとか声を出すことができました。今回の映像収録は、公演の中日ぐらいだったので、そのあいだにいろいろ修正する余裕も出てきたと思います。この1カ月間、成長させていただいたというか、勉強させていただいて、想い出に残る舞台になりました。

――今後、将来の展望や目標などがあれば教えてください。

 春に初めて映像のお仕事をやらせていただいたのですが、ライトが当たって、目の前にいるお客さんに拍手をもらう舞台とは、まったくの別世界でした。どういうふうに現場でスイッチを入れればいいのか、どうしたらリラックスできるか、と考えていたのですが、そうやって緊張していた僕を、初めてお会いした共演者の方も気にされていたようで、ワンカット終わるたびに、「良かった」と励ましてくださいました。役に入り込むことの大変さを学びましたし、お芝居の難しさを知りましたが、今後も映像のお仕事を、もっとやらせていただきたいと思いました。

いちばんの憧れは、カッコいい祖父

――そのほか、どのようなジャンルの仕事をやってみたいですか?

 ミュージカルもやってみたいです。叔母の片岡サチが元宝塚歌劇団だったこともあって、小さいときから宝塚の舞台をよく観させてもらったんです。「エリザベート」や「ファントム」などで、歌舞伎とは違う歌と踊りに圧倒されていました。前に尾上松也のお兄さんが「エリザベート」のルキーニ役をされたのも観ているんですが、そのときに「僕はルドルフ役をやりたい!」と思ったぐらいです。歌うことも好きです。とにかく欲張りで負けず嫌いな性格なので、いろんなお仕事をやってみたいです!

――今、憧れている俳優がいれば、教えてください。

 好きな俳優さんはコリン・ファース。あと、ジョニー・デップのカッコ良さやトム・クルーズにも惹かれます。好きな女優さんはリリー・コリンズ。もともと、オードリー・ヘップバーンが好きだったので、ちょっと似ている感じが好きなんです。十八代目の(中村)勘三郎のおじさまは、僕にとって、いつまでもスターですが、客席や映像で祖父のお芝居を観ていると、「僕って、本当にあの人の孫なのかな?」と思うぐらいカッコいいんですよね。僕もあんなふうにカッコ良くなりたいと思いながら、密かにセリフの言い回しのマネをしています(笑)。


片岡千之助(かたおか せんのすけ)
2000年3月1日生まれ。東京都出身。03年7月、大阪松竹座にて「男女道成寺」の所化で、初お目見得。翌04年11月、歌舞伎座にて「松栄祝嶋台」(通称「お祭り」)の若鳶千吉で、片岡千之助を名のり初舞台を踏む。祖父は十五代目片岡仁左衛門、父は片岡孝太郎。


シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』
お伊勢参りから江戸に戻った弥次郎兵衛(市川染五郎/現:松本幸四郎)と喜多八(市川猿之助)。伊勢までの道中で一文無しとなった二人は、仕方なく歌舞伎座のアルバイトを再開。相変わらずの失敗続きで、怒られてばかりのなか、舞台で殺人事件が発生! 2人は犯人として疑われてしまう。
*シネマ歌舞伎とは、歌舞伎の舞台公演を映画館の大スクリーンのデジタル上映で楽しむ映像作品。
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
(C)松竹株式会社
2018年6月9日(土)より全国公開

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

文=くれい響
撮影=白澤 正

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