2018/07/08 15:00

瑞々しい果実どっさりのメニューが美味 老舗の果樹農家が営む奈良の人気店

 近鉄奈良駅から南へ数分歩くと、東西に伸びる三条通り。こんもりとした春日山が東に眺められ、奈良漬けや墨、奈良うちわなど、奈良ゆかりの品々を扱う店舗もあって、古都らしい風情が感じられます。

 その三条通りに、2017年6月にオープンしたのが「堀内果実園」。明治時代から続く果樹農家が始めた「果物を楽しむ」がコンセプトのお店です。



左:三条通りのお店のフラッグ。
右:開放的なファサードが印象的な外観。

 ガラス張りの明るくモダンな造り。表には色付き始めた実が香る桃の木が置かれています。



左:ロゴマークと桃の木。
右:店内。商品が並ぶカウンター。ずっと奥まで伸びています。

 間口は狭いのですが、中に入ると、右手の長いカウンターの上には、オリジナルのドライフルーツやコンフィチュール、シロップがずらり。生の果物や添加物の少ないラムネなどのお菓子もあって、見ているだけでも楽しそう。


ドライフルーツとセミドライフルーツ。

コンフィチュールいろいろ。

かわいいラムネなども。

 奥にはイートインできる16席のカフェスペース。なんと奥行きは13メートル。フルーツの商品を見ながら奥へ進み、カウンターで注文をするラフなスタイル。お店に流れるBGMは、果実園で録音した小鳥の鳴き声です。ドリンクやカットフルーツをテイクアウトする観光客も多い。


カフェコーナー。

商品が並ぶ冷蔵ケース。

 奈良県五條市にある堀内果実園を営むのは、6代目の堀内俊孝さん。約10ヘクタールの土地で、柿、梅、カリン、ブルーベリーなどを栽培しています。

 減農薬、有機栽培を進め、2012年からはドライフルーツの製造も始め、コンフィチュールやシロップなど、果物の加工品にも積極的に取り組んできました。それらを使った他にはない、贅沢なフードが楽しめるのが、ここ。

 メニュー開発の中心となっているのが、フルーツアートクリエイターの肩書を持つ奥様の奈穂子さん。

「果物を楽しんで、ほっこり、にっこり。しあわせの果物を感じてもらいたい」

 果物屋ではない、生産農家ならではのこだわりがちりばめられているのです。


堀内奈穂子さん。

まるでケーキのような
「フルーツサンド」

 メニューをご紹介しましょう。

 まずは、なんといっても「フルーツサンド」。バナナ、キウイ、パパイア、リンゴ、パイナップル、ミカン(季節でイチジクに変更)などの旬の完熟果物を、まろやかな生クリームと黒糖入りの食パンでサンド。

 半分にカットしてありますが、持つとずっしりと重い。そして、断面がとても美しい。果物が2階建てで入っていて、それぞれの大きさにびっくり。口の中でフルーツが弾け、そのジューシーさに感動します。

 自家製のカスタードクリームが使われていて、まるでケーキのようなおいしさ。「フルーツをたっぷり色々食べた」と実感できるサンドイッチです。

 春は古都華(ことか)という奈良県産のイチゴ、夏から秋はシャインマスカット、冬は温州みかんを使った「プレミアムサンド」もあります。


「フルーツサンド」900円。

フルーツサンドを作る様子。黒糖食パンに大きくカットしたフルーツをたっぷり並べて。

「Pサンド」「Aサンド」も、おすすめです。

「Pサンド」のPは、パイナップルのP。ソテーしたパイナップル、ベーコン、チーズを使った、カレーマヨネーズ味のサンド。火を入れたパイナップルの甘味、ジューシーさを堪能できます。


「Pサンド」780円。「かりんカモミールティー」400円。

「Aサンド」のAは、アップルのA。蜜煮したリンゴをたっぷり使用。エビとアボカドにカットしたフレッシュのリンゴを加え、マヨネーズで和えて一緒にサンドしているので、2つのリンゴの味わいの違いを楽しむことができます。優しい酸味と甘味で、クセになる味わい。


「Aサンド」780円。

 秋になると登場するのが「Kサンド」。K=柿と生ハムを使った人気メニューで、柿はもちろん農園の上級品。

「火を入れた果物のおいしさを知ってもらいたいんです。サンドイッチではありませんが、11月には柿を丸ごと焼いて熱々を食べる、焼き柿も出しますよ」と奈穂子さん。ぜひ食べてみたいものです。

 ドリンクのおすすめは、2種類の果物を同時に味わえる「スムージー」。「パイナップル&ブルーベリー」「イチゴ&柿ミルク」があり、2色のコントラストがとてもきれいです。フルーツ100%のしっかりした味わいで、それぞれを別に飲み、最後は混ぜて飲むと、ひとつで3種類の味が楽しめます。牛乳とバナナだけの「リッチバナナ」は、バナナ好きにおすすめ。

「フルーツそのものの味を楽しんで、栄養をそのまま摂取してもらいたいんです」と奈穂子さんはにっこり。


「スムージー・パイナップル&ブルーベリー」(左) 600円、「のむくだものポンチ」(右) 800円。

 もうひとつのおすすめが、採れたての果物をじっくり漬け込んだ無添加のシロップを炭酸で割って作る「のむくだものポンチ」。

 まず、下に入っているハイビスカスティー、スモモのシロップのゼリーをストローで吸って味わいます。すっぱくてさわやか。その後、カットされたパイナップル、バナナ、キウイ、リンゴを食べ、梅シロップのソーダ割りを飲む。飲んで食べて、フルーツを堪能できる、贅沢な一品です。

 ドリンクは、他にも、自家製の梅シロップを使った「梅シロップ割」、かりんシロップの「かりんカモミールティー」、週末のみの、すももやキウイの「コールドプレス」もあります。どれもフルーツ本来の酸味や甘味が生かされていて、ひと口飲む度に身体も心もリフレッシュされるよう。

 暑い夏の日には「果実園のかき氷」もおすすめ。

 実は、奈良はかき氷のメッカ。近鉄奈良駅周辺には、全国からファンが訪れるかき氷自慢のお店がたくさんあります。ここも新しい注目店なのです。

「ふわふわの氷が人気ですが、フルーツには、ちょっとシャリシャリした氷の方が合います。ふんだんに果物を使った非加熱のソースが自慢」と奈穂子さん。

 凍ったスモモを削ってトッピングした「すももミルク」、ココナッツミルクを使ったマンゴーソースの「マンゴーキウイ」、果実園らしい組み合わせの「柿いちご」に、ミカンを丸ごと使った「リッチみかん」も。


「かき氷」3種。左から「すももミルク」880円、「マンゴーキウイ」「柿いちご」各950円。

 どれもかき氷なのに、果実園のかき氷らしく、カットフルーツたっぷりでジューシーな味わい。氷が溶けたらジュース感覚で飲みましょう。後口もすっきり、さわやか。

「秋にぜひ食べてほしいのが『くだものもなか』です」と奈穂子さん。フリーズドライのスモモやイチゴを白あんに練り込んで最中の皮にサンド。甘酸っぱいフルーティな最中は、小さくカットしたホワイトチョコが味わいのアクセント。また、ドライの柿をラム酒に漬けてクルミとサンドした一品も、大人味で注目。お茶にもお酒にも合いそう。


「くだものもなか」。「いちごとホワイトチョコ」(奥) 350円、「ラム柿とくるみ」(左)、「すももとホワイトチョコ」(右) 各300円。

 10月中旬から柿の収穫が始まると登場する「柿のティラミス」は、まさに果実園を代表する逸品。

「さらに果物を楽しめるお店に」と、次々とメニューも開発中だそうです。

 サンドイッチやドリンク、かき氷を味わった後は、ドライフルーツやシロップ、手作りのコンフィチュールをお土産に。ドライフルーツは「果物本来の風味を損なわないように」と、梅に国産のビート糖を使う以外に甘味料、添加物などを一切使っていません。

 口当たりがソフトなセミドライ、サクッとした食感のフリーズドライ。どれも果物のおいしさが凝縮されています。ドライフルーツにチョコがけした「ショコラ」、完熟収穫したたねなし柿を干した「あんぽ柿」など、果実園こだわりの商品がいっぱい。


左から「フリーズドライミックス」1080円、「セミドライミックス」1080円。

上段がセミドライ。左より、完熟富有柿、ふじりんご、キーウィ。下段はフリーズドライ。左より、すもも、ブルーベリー、完熟種無柿。

 奈良の果実園ならではの、果物のおやつに夢中です。

※金額は全て税込

堀内果実園

所在地 奈良県奈良市角振町23
電話番号 0742-93-8393
https://www.horiuchi-fruit.shop/


宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

文・撮影=そおだよおこ

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