2018/07/22 15:00

丁寧にいれた日本茶のおいしさに感動芦屋にオープンした日本茶専門店

 阪神間の高級住宅街として知られる芦屋に、2018年5月、日本茶をゆっくりと楽しめるお店ができました。JR神戸線芦屋駅から北東へ歩くこと約7分。「茶庵 瀧家」は、宮川の畔のビルの1階にあり、入口には鮮やかな赤色の暖簾がかかっています。


外観。横を流れる宮川ごし、西側から見た様子。

エントランス。赤い暖簾が目印。

 入口すぐのコーナーは、ギャラリーのよう。普段は、お店で使っている器の作家6人の作品が並んでいます。信楽焼、丹波立杭焼、唐津焼、備前焼、常滑焼と多彩。



左:入って右手のコーナー。ガラス越しに庭が眺められます。
右:入口すぐのコーナー。作家物の器が並んでいます。

 同じくお店で使用している木工品もあって、気に入ったら買って帰ることもできます。お店で飲めるお茶の茶葉だけでなく、こだわりの卵や調味料なども置いてあり、結構人気なのだそう。



茶器や、お店で使用するこだわりの食品も販売。

茶葉が並ぶ棚。お気に入りを購入できます。

 イートイン席は左手奥。テーブル席とカウンター席がゆったりと配されていて、落ち着いた雰囲気です。


広々した店内は、赤い椅子が印象的。

カウンターは6席。

「お客様にゆっくりしていただける空間、多くの人に出会える場所になればいいと思っています。これまで世界の食品を扱う会社で働いてきました。これからは、日本のおいしいものを見直したい」と代表の瀧川恵美さん。


左から、責任者の藤田真紀さん、代表・瀧川恵美さん、スタッフ・山本千春さん。

 昨年夏からスタッフと一緒に日本茶の勉強を始め、各地のお茶農家や茶器を作る作家も訪ね歩きました。さらに、2カ月余りかけて、京都で日本茶を出すお店も巡り、方向性を固めたと言います。


カウンターの後ろには、茶器がずらり。

「たくさん試飲して、お茶を分けていただきたいお茶農家さんを決めましたが、その時はまだ、お店はできていません。自分達が創りたいお店について熱い想いを伝えて、お茶を分けていただく約束をしました」

 茶葉の扱い方や保管方法は、お茶農家さんから教えてもらったのだそう。

日本一おいしいお茶と
こだわりの茶器

 自慢は、もちろん日本茶。「日本一おいしいお茶を探し回っていたら、全国には日本一おいしいお茶がたくさんありました」と瀧川さんはにっこり。

 全国8カ所の茶園から直接取り寄せたお茶を、お茶菓子付きのセットで楽しめます。その数、抹茶をはじめ、36種類以上。抹茶、碾茶、かぶせ茶、玉露、煎茶に分けられています。単一品種、単一農園の玉露や煎茶がずらり揃っていて、どれにしようか、おおいに迷います。

 メニューの他に、お茶農家について詳しく書かれたパンフレットを読みながら、ゆっくりとお茶をいただけます。

 まずは、京都・宇治茶「山政小山園」の抹茶「小倉山」。お茶碗を選べるのが楽しい。ふくよかな香り、まったりとした旨み。口に含むと、心が癒されます。お作法を気にせず、季節のお菓子と一緒にマイペースでゆっくりと味わいましょう。


「抹茶 小倉山」1,000円。お茶菓子付き。

 玉露は、福岡・奥八女茶「高木茶園」の八女伝統本玉露「おくゆたか」にしました。清涼感のある上品な香り。口の中でころがるような、まろやかな風味。


「八女伝統本玉露 おくゆたか」1,100円。お茶菓子付き。



八女伝統本玉露「おくゆたか」をいれる様子。
左:(1) 茶葉をお客様に見せる。
右:(2) いれるお湯の温度を温度計でチェックする。



左:(3) 茶葉を急須にいれる。
右:(4) お湯を注ぐ。



左:(5) 時間を計っていれて、湯呑に注ぐ。
右:(6) 1煎目。茶葉は鮮やかな緑色。

 2煎、3煎と飲んで、最後は茶葉をおひたしにして味わい、お茶を堪能。茶葉の量や湯の温度、抽出時間などを守り、丁寧にいれられた日本茶のおいしさに感動します。


2煎目、3煎目と飲んだ後の茶葉をおひたしにしてくれます。

茶葉を使った
おいしいおやつたち

 厳選した茶葉を使ったおやつをご紹介しましょう。おやつは香ばしいほうじ茶付き。

 一番のおすすめは、愛媛県宇和島「元祖キリン堂」直伝の、とろけるような口当たりのわらび餅。「8カ月余り、何度も何度も試作を繰り返して、ようやく完成しました」と、瀧川さんはにっこり。

 本わらび粉と和三盆だけで練り上げ、沖縄波照間産の黒糖を使った自家製の黒蜜、国産大豆の香ばしいきな粉が添えられています。


「二色(ふたいろ)わらび餅」1,200円。ほうじ茶付き。

「二色わらび餅」は、プレーンと抹茶「小倉山」を練り込んだ2種類で、見た目も涼やか。

 和三盆を溶かした水から引き上げて、ぷるんぷるんの食感を楽しみます。黒蜜をかけるとコク深く、きな粉をまぶすと香ばしい。クセになるおいしさです。


「抹茶ぜんざい」1,000円。

「抹茶ぜんざい」も、抹茶「小倉山」を使用。丹波大納言小豆、焼き餅が入っています。抹茶と小豆は相性抜群。風味豊かな抹茶ベースの楽しいおやつです。

 夏はなんといっても「かき氷」でしょう。

「信州飯田産の純氷を取り寄せて使っています」

 福岡県産あまおうの「苺みるく」、鹿児島県産マンゴーの「マンゴーみるく」、高知県産ゆずと愛媛県産小夏の「ゆず小夏」など、産地にこだわったフルーツ蜜をかけたかき氷は、すっきりさわやかな味わい。どれも果肉たっぷりの自家製蜜です。


かき氷を作る様子。

 福岡県産あまおう、北海道産ブルーベリー、長野県産ラズベリーの「スリーベリーズみるく」、愛媛県産みかん、大分県産または愛媛県産ブラッドオレンジの「島みかん」もあって、全部食べてみたくなります。


かき氷「宇治ほうじ茶 京ほいろ」800円。

 また、山政小山園のお茶を使ったシンプルでこのお店らしいかき氷も人気です。宇治抹茶・小倉山を使った「宇治抹茶金時 小倉山」と、宇治ほうじ茶の「京ほいろ」。特に「京ほいろ」は、すっきりした風味、後口。暑さが吹き飛びます。



左:「抹茶アイスティーフロート」900円。小菓子付き。
右:「ひやしあめ」600円。小菓子付き。

「抹茶アイスティーフロート」は、淡路牛乳を使った「淡路島の恵アイス」を抹茶「小倉山」のアイスグリーンティーに浮かべています。

「ひやしあめ」は、最上級の米飴と中双糖を本地釜でコトコト炊き上げ、高知県産ショウガを加えて仕上げたもの。懐かしい味にほっこりします。

おそば、たまごかけごはんも絶品

 お食事も日本茶のお店らしいメニューで人気。全てにほうじ茶が付いています。


「抹茶そば 小倉山」1,200円。だし巻きたまご付きで。

「抹茶そば」は、抹茶「小倉山」を贅沢に練り込んだオリジナルのおそばが自慢。つるつると口当たりがよく、抹茶の豊かな風味が広がり、後口に長く残ります。そばつゆは2種類。まろやかな関西風、キリッとした関東風を食べ比べることができて面白い。

 抹茶そばと御膳そば、石川県産そばの「三色せいろ」や温かいだしのメニューもあります。


「たまごかけごはん」1,200円。ほうじ茶ごはんで。

「たまごかけごはん」にもこだわりがたっぷり。ごはんは福井県産無農薬「ひらぶき米」。遺伝子組み換えでないコーンで育った「もみじ」「さくら」という純国産鶏が生む淡路島のこだわりのたまご。碾茶を混ぜた「薄葉ごはん」か、ほうじ茶を入れて炊き上げた「ほうじ茶ごはん」を選べます。

 煎茶かほうじ茶を選べる「お茶漬け」もあり、ごはんを食べてから、おやつという常連客も増えているそう。

 全て上質でバラエティー豊富なメニュー、丁寧な接客、気取りのない雰囲気。日本茶が大好きになる、芦屋の素敵なお店です。

茶庵 瀧家

所在地 兵庫県芦屋市親王塚町13-15 岸里ビル1F
電話番号 0797-26-6107
http://localplace.jp/t200345842/


宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

文・撮影=そおだよおこ

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