2018/08/08 07:00

火と氷の国アイスランドを体感する 絶景だらけの極上ドライブロードへ

 火山と氷河の国アイスランドの自然は、これまでの価値観をがらりと塗り替えるほどドラスティック。クジラが暮らす北極海に、茫漠とした大地に迫力の瀑布、目にする全部が冒険だ。

 フィンランドでストップオーバーすれば、洗練のデザインに彩られた街歩きも楽しめる。

 人智を超えた大自然と、人の感性が生むデザイン、いわば両極の醍醐味を一度の旅で!


ダイヤモンド・サークルで
アイスランドの魅力を体感


火と氷の国をアイスランド北部で体感する。

 アイスランド北部には、見どころを押さえた「ダイヤモンド・サークル」(または「ダイヤモンド・リング」)と呼ばれる、一周約260キロの周遊道路がある。

 ホエール・ウォッチングのフーサヴィークもこの中に含まれるが、ここでは活火山による恩恵やスケールの大きな自然にフォーカスしてみよう。


ダイヤモンド・サークルという周遊道路を走っていると、地熱施設らしきものをたびたび見かける。アイスランドは1969年から地熱発電をいち早く取り入れた国。

 ダイヤモンド・サークルを走る車窓には、うっすらと苔をのせた漆黒や茶色の溶岩大地が広がる。雲の流れが速く、雲間から差し込む太陽の光が力強い。ダークな色調の風景が続いたかと思うと、鮮やかなミルキーブルーの湖が視界に飛び込んでくることも。


渋めな色彩の風景の中、鮮やかなブルーの湖が視界に飛び込むとハッとさせられる。煙をたちのぼらせているのは、地熱発電所。

 民家はたまにしか見かけず、ヨーロッパ随一の人口密度の低さと聞いて納得する。人為的なものが少ないせいか、自然に放り込まれた感覚が大きい。


各家庭で作られているという“温泉まんじゅう”ならぬ、“温泉ライ麦パン”。美味! 自然と折り合いをつけながら、郷土の味が生まれる。

ミーヴァトン湖周辺の観光案内

 ダイヤモンド・サークル上の立ち寄りたいスポットをピックアップ。

■デティフォス


映画や文学などで描かれる、幅100メートルものヨーロッパ屈指の迫力の瀑布。

 フーサヴィークから南下したところにある、水量豊富な滝。

 駐車場からウォーキングコースをしばらく進むと、滝のすぐそばまで近づける。幅100メートル、落差45メートル、ヴァトナヨークトル氷河を水源として毎秒200トンもの水が流れ落ちる大瀑布だ。

 滝の東側はリドリー・スコット監督の映画『プロメテウス』のオープニングシーンに使われたほか、文学作品にも登場するヨーロッパ屈指の名瀑だ。

■ミーヴァトン湖


夏と冬で楽しめるアクティビティががらりと変わる。夏はハイキングやサイクリングを楽しんで。

 アイスランド北部の観光の中心となるミーヴァトン湖は、2300年前の噴火の溶岩によって川が堰き止められてできた湖。面積は約36.5平方キロ、アイスランドで4番目の大きさがある。


ミーヴァトン湖周辺のアクティビティをアレンジしてくれるハイク&バイク。

 “蚊の湖”という意味があり、大量発生するユスリカという虫を狙うコミミズクやシロハヤブサ、オジロワシなどの野鳥たちの楽園になっている。

 中でもカモは14種を数え、アイスランドの固有種も。湖の周囲はトレッキングコースがいくつかあり、夏にはハイキングや自転車、ジープツアー、冬にはスノーシューやクロスカントリースキー、犬ぞりツアーなどが楽しめる。ちなみに、湖底にはマリモも生息。

■ミーヴァトン天然温泉


周囲の溶岩大地を眺めながら、いい湯だな~。夏は24時まで温泉を利用できる。

 350万リットルの湯量を誇る北部きっての巨大温泉施設。36~40度の心地よい湯に浸かりながら、周囲の溶岩大地やテーブルマウンテンのダイナミックな風景が眺められる。


温泉を楽しむファミリー。アイスランドで温泉は会話を楽しむ場でもある。

 打たせ湯エリアやいくつかのプールがあり、ウォーターパーク的に楽しむファミリーやグループも。夏には24時まで営業し、冬の夜にはここでオーロラを鑑賞することもできるとか!

Mývatn Nature Baths
(ミーヴァトン天然温泉)

所在地 Jarðbaðshólar, 660 Mývatn
電話番号 0464-4411
入場料 一般4,200アイスランドクローナ~(時期により変動)
https://www.myvatnnaturebaths.is/

2つの大陸を股にかける経験も?

■ヴォーガスヨス・カフェ


平原の中にぽつりと立つファミリー経営のレストラン。

 ミーヴァトン湖でのランチに立ち寄りたいのは、「ヴォーガスヨス・カフェ」。なんと酪農の牛舎に隣接し、窓を隔てて牛と人間が眺めあうユニークなレストランだ。


レモン以外はファームや近所で採れた食材を使用。

牛舎に隣接したテーブル席では、牛たちと目が合うことも。

 隣の牛たちのミルクで作ったモッツァレラチーズなど、レモン以外はファームや近所で取れた食材を使用。そして温泉まんじゅうならぬ、温泉ライ麦パンが美味! こうばしい香りとねっとりとした食感がやみつきに!


壁にはアイスランドの風景写真が。地元の人々からも愛されるレストラン。

Vogafjós Café
(ヴォーガスヨス・カフェ)

所在地 660 Mývatn
電話番号 0464-3800
営業時間 10:00~22:00
https://www.vogafjosfarmresort.is/en/

■ギャウ


ナーマフィヨフの丘のふもとにある地球の裂け目・ギャウ。

 アイスランドは東にユーラシアプレート、西に北米プレート、2つのプレートが生まれる裂け目“ギャウ”が各所で見られる。

 有名なのはシンクヴェトリル国立公園のものだが、ミーヴァトン天然温泉とヴォーガスヨス・カフェの近辺の荒野にもぽつんとある。地下の温泉水と、雪解け水や雨水で地表が削られ、小川が流れている部分が、そのギャウ。

 この裂け目から新しい地球が日々少しずつ生まれているのだ。ギャウにまたがれば、2つの大陸を股にかけたのと同じ!?

溶岩が生み出した自然のアート

■クヴェリル


まるで火星のように、生命を感じさせない大地が広がる。灰色の泥沼からは気泡がぶくぶく。

 ミーヴァトン湖の北東に広がる地熱地帯。草も木もない荒野に、黄色や緑、灰色、青などの泥沼が点在。


噴出し続ける白煙は、硫黄のにおい。どこかフルーツのドリアンと似た香りかも。

 沼はぶくぶくと泡立ち、噴気孔からシューッと噴き出る白煙であたり一面硫黄のにおい。有毒ガスが危険なエリアもあるので、遊歩道から外れないように。

■ディムボルギル


溶岩が生み出した黒々とした奇岩群は、悪魔の墓場にふさわしいかも。

 ミーヴァトン湖の東にある、アイスランド語で“黒い砦”という意味の溶岩の平原。漆黒の奇岩や柱状の岩、ぽっかりと穴があいた岩壁など、溶岩によって生み出された地形はまさにアート。


ガイドをしてくれたアイスランド観光局のジョンソンさん。顔はこわいが、やさしく親切。

 北欧の神話によると、天国から追放された悪魔が降り立ち、ここに悪魔の墓場を作ったとか。さらに、アイスランドにいる13人のサンタクロースたちはここに住んでいるとの逸話も。

■ゴーザフォス


細い滝を挟んで、シンメトリーに太い滝が流れ落ちるゴーザフォスの滝。

 アイスランド第2の都市アークレイリに近い瀑布。落差は12メートルほどながら、幅は30メートル以上。

 1,000年ほど前にアイスランドがキリスト教に改宗する際、信仰の対象だった北欧の神々の像をこの滝に投げ込んだことから、“神々の滝”という意味の名が付けられた。

【取材協力】
フィンエアー

http://www.finnair.co.jp/

インスパイアド・バイ・アイスランド

https://www.inspiredbyiceland.com/


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

文・撮影=古関千恵子

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