2018/08/08 20:00

パク・ヒョンシクが「スーツ」の現場でチャン・ドンゴンの真似をした理由

 6年ぶりにテレビドラマ「SUITS/スーツ」に主演した大スター チャン・ドンゴン。ほぼ全編、スタイリッシュなスーツ姿で魅了する。“ブロマンス”の相手を演じるのは、BOYSグループ、ZE:A出身でブレイク中のパク・ヒョンシク。注目の2人の対談が実現した。



[チャン・ドンゴン]Licensed by KBS Media Ltd. (C)2018 Entermedia Pictures, Monster Union & KBS. All rights reserved.

 エリート敏腕弁護士と、一度見たものは忘れない天才的な記憶力を持つ若者がタッグを組み、難題を解決していく「SUITS/スーツ」。その韓国版に主演したチャン・ドンゴンとパク・ヒョンシクは、ドラマの中でも外でも、キャリアや年齢の差を超えた“ブロマンス”ぶりを見せてくれた。


[パク・ヒョンシク]Licensed by KBS Media Ltd. (C)2018 Entermedia Pictures, Monster Union & KBS. All rights reserved.

原作よりも韓国版のほうが
セリフが多い


Licensed by KBS Media Ltd. (C)2018 Entermedia Pictures, Monster Union & KBS. All rights reserved.

――ドンゴンさんはアメリカの原作ドラマを見ていなかったとのことですが。

チャン・ドンゴン 出演を決めてから、どんな作品だろうと思い見始めましたが、シーズン1の途中で見るのをやめました。なぜかというと、原作に登場するキャラクターの一人一人が個性豊かであまりに魅力的すぎて。真似してしまいそうだと思い見るのをやめました。

――お互いのキャラクターについてはどう思われていましたか?

チャン・ドンゴン 僕が演じる弁護士チェ・ガンソクと、ヒョンシクさん演じるコ・ヨヌの2人は全然違うように見えて、実は似ているんです。完成版を見た時に、監督が序盤に出していた演出の意図をようやく理解できました。監督はヒョンシクさんに「強気で行け」と言っていたんです。というのも、僕たちは上司と部下、しかも僕は彼を雇い入れる人物なので、どうしても上下関係が生じる。でも、そのままだとドラマの中でキャラクターが成長しない。ヒョンシクさんもその点についてはかなり悩んだのではないかと思いますね。実際には、チェ弁護士もヨヌに知らぬ間に影響され、成長する。第1話の頃のチェ弁護士と、後半の彼はまるで別人のよう。2人は互いに影響を与え合う存在なんです。

パク・ヒョンシク 僕は原作ドラマを見て、ヨヌにあたるマイクを演じる俳優さんはセリフが多くて苦労しただろうと思いました。

チャン・ドンゴン でも原作よりも、韓国版のほうがセリフが多い気がする。

パク・ヒョンシク 僕たちのほうが口調に特徴がありますしね。でも僕はヨヌが大好きですし満足しています。チェ・ガンソク弁護士は、事務所のエースなので、カッコいいですよね。それはうらやましいです。それに比べて僕のヨヌはまともな仕事にも就いていませんでした(笑)。しかも違法で事務所に入ったので、チェ弁護士をうらやましく思います。

チャン・ドンゴン 僕もセリフが多くて大変だったけど、ヨヌは天才という設定なので、大量のセリフを覚えるだけでなく、機械のように矢継ぎ早に話さねばならない。ヒョンシクさんは苦労したし、頑張ったよね。

本を1冊覚えるような気分でした


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――「SUITS/スーツ」でお気に入りのシーンを教えてください。

チャン・ドンゴン 様々な場所で撮影を行いましたが、個人的にはトースト屋台でのシーンが好きですね(※韓国にはトーストを売る屋台やフードトラックが多い)。屋台前でのやり取りはドラマの序盤にたくさん出てるんですが、ヒョンシクさんとのセリフの掛け合いが楽しくて印象に残っています。

パク・ヒョンシク 僕はチェ弁護士の部屋ですね。この部屋の中ですべてが起こったと言えるほど思い出の詰まった場所だから一番記憶に残っています。意見が対立してケンカしたり、ふざけ合ったりそういう場面をあの部屋で撮ったので僕の大好きな場所です。よく撮影前の待ち時間には、ふざけてチェ弁護士の椅子に座ったりしていました。

――大変だったシーンはありますか?

チャン・ドンゴン やはり裁判のシーンでしょうね。「SUITS/スーツ」は法廷ドラマにしては裁判のシーンが少ないんです。チェ弁護士のモットーは「なるべく裁判に持ち込まず、その前に示談で済ませる」なので。だから、たまに法廷に立つことになると大変な思いをしました。セリフの量も多いですし、内容も難しくて本を1冊覚えるような気分でした。模擬裁判のシーンではヒョンシクさんは、パニックになっていて。

パク・ヒョンシク あのシーンは丸1日かかりました。あれは大変でしたね。

チャン・ドンゴン 長時間、狭い部屋で集中していると精神的に追い込まれてしまうから。

パク・ヒョンシク 撮影は体力より、精神的なもののほうが大変でしたね。

 ドラマ「イヴのすべて」(2000)、映画『友へ チング』(2001)がアジア各国で人気を博して以来、20年近くトップの地位を維持し続けるチャン・ドンゴン。演技に対するストイックさと謙虚な性格で知られ、私生活でも女優コ・ソヨンと結婚後は、韓国きっての美男美女カップルとして注目を浴び続けている。ここ数年、やや仕事をセーブしていたが、6年ぶりにドラマに復帰し、成熟した魅力を十二分に見せつけることになった。

 一方、パク・ヒョンシクはドラマ「力の強い女 ト・ボンスン」(2017)などの成りきり演技が評判となり、K-POPアイドルから、高視聴率俳優へと見事に転身。今まではいわゆる白馬の王子役が多かったが(本人もなかなかのおぼっちゃまらしい)、今回は不運に見舞われ続ける苦労人の青年を演じ、大先輩ドンゴンとのケミストリーもぴったりで、“ブロマンス”を体現。

ドンゴンさんはいたずら好き


Licensed by KBS Media Ltd. (C)2018 Entermedia Pictures, Monster Union & KBS. All rights reserved.

――チャン・ドンゴンさんの凄さをどんなときに感じましたか?

パク・ヒョンシク まずは何よりもオーラが違います。これは努力して作れるものではないと思いますね。チャン・ドンゴン先輩が来ると現場の空気が変わるんです。それだけで「すごいな」と圧倒されて、自然と感嘆の声が出ました。“いつかは僕もこんなふうになれるかな”とこっそり先輩の真似をしてみたりして(笑)。ドンゴンさんが特にステキだと思うのは大先輩なのに気さくに接してくれることです。後輩を気遣って先に話しかけてくれるし、現場の状況だけでなくスタッフや監督の動きを把握し常に中心にいます。そんなドンゴン先輩の姿からいろんなことを学びました。

――ドンゴンさんはヒョンシクさんに何かアドバイスをされましたか?

チャン・ドンゴン 僕は普段から後輩に対してアドバイスはしないほうですね。誰かにアドバイスできるような立場でもないですし。僕はヒョンシクさんより経験が多いだけ。自分のほうがよく知っているとか、演技がうまいとは思いません。

パク・ヒョンシク 口に出して言わないだけで、現場での先輩の姿そのものが僕にとっては、貴重なアドバイスです。ドンゴンさんは最初にお会いしたときからすごく親切でした。ドンゴンさんのほうから距離を縮めてくださって、僕の緊張を解きほぐしてくれました。ドンゴンさんはいたずら好きですし、撮影現場でもよく笑っているんです。そんな人柄のおかげですぐに打ち解けられて、役作りの助けになりましたし、本当に自分が弁護士コ・ヨヌになったみたいに役に成りきれて、うまく演じられたと思います。

チャン・ドンゴン ヒョンシクさんを見ながら、「この年齢の頃の自分はどうだったかな?」と昔の自分をよく思い出していました。彼から学んだことも多いですし、僕も若い頃に比べると自分は情熱を失ってきているな、と考えさせられるきっかけになりましたね。ヒョンシクさんとは友達のような関係で芝居以外の話もたくさんしました。後輩というよりも仲間や友達のような存在ですね。

 どんなときも謙虚なドンゴンと、まさに坂を駆け上がっていく勢いを感じさせるパク・ヒョンシク。今年で46歳と27歳の、19歳差“ブロマンス”にすっかり魅了されてしまった。


チャン・ドンゴン×パク・ヒョンシク
「SUITS/スーツ」

8月10日(金)WOWOWプライムにてスタート(全16話)[第1話無料放送]
毎週金曜 夜7:00(2話ずつ放送)※字幕版

チェ・ガンソク(チャン・ドンゴン)は大手法律事務所カン&ハムを代表するエース弁護士。部下を持たない主義だったが、事務所代表のカン・ハヨンからシニアパートナーへの昇進を告げられ、条件としてアソシエイトを雇うよう命じられる。一方、驚異的な記憶力を持つコ・ヨヌ(パク・ヒョンシク)は、祖母の入院費を稼ぐためにやむなく麻薬の運び屋の仕事を引き受け、警察に追われる身になってしまう。ヨヌは偶然通りがかったアソシエイト面接会場に逃げ込み、ガンソクと出会う。オリジナルはニューヨークの法律事務所を舞台にした人気の米国ドラマで、英国のハリー王子と結婚したメーガン・マークルが出演していたことでも話題になった。

●チャン・ドンゴン

映画『ブラザーフッド』『友へ チング』など数々の映画で大ブレイクを果たしたアジアを代表するトップスター。ドラマ出演はコメディに挑戦した「紳士の品格」以来6年ぶりとなる。

●パク・ヒョンシク

2010年にアイドルグループZE:Aのメンバーとしてデビュー。ドラマ「花郎<ファラン>」「家族なのにどうして~ボクらの恋日記~」などに出演し、俳優として注目を集める。


石津文子 (いしづあやこ)

a.k.a. マダムアヤコ。映画評論家。足立区出身。洋画配給会社に勤務後、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。映画と旅と食を愛し、各地の映画祭を追いかける日々。執筆以外にトークショーや番組出演も。好きな監督は、クリント・イーストウッド、ジョニー・トー、ホン・サンス、ウェス・アンダーソンら。趣味は俳句。長嶋有さん主催の俳句同人「傍点」メンバー。俳号は栗人(クリント)。「もっと笑いを!」がモットー。片岡仁左衛門と新しい地図を好む。

文=石津文子

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