2018/08/12 15:00

クロワッサンがとにかく美味! わざわざ行きたい東神戸のパン屋さん

 神戸から阪神間にかけては、駅前にも住宅街にも小さなパン屋さんが点在。それぞれ特徴のあるパンを並べて個性を競っています。遠方からわざわざ買いにいくパン好きも少なくありません。


外観。壁にさりげなく「ito」の文字が。

 阪神電車御影駅南西の住宅街に、2017年4月、オープンしたのが、「パンのお店 ito」。

「自分の子供にも安心して毎日食べさせられる、安全な食材を使ったパンを作りたい。そんな思いを紡ぎ、お店とお客様を繋ぎたいと糸=itoという店名にしました」と、店主・小塚章彦さんと奥様の有紀さん。食パンの形をした可愛い看板が目印です。


山食パンの形の可愛い看板。

立て看板も可愛い!

店内はすっきりシンプル。

店内にパンが並ぶ様子。様々なトレイやバスケットが使われていて楽しげ。

少量ずつ丁寧に焼き上げたパンが
常時50種余り店頭に並ぶ

 小塚さんは、1979年生まれ。大阪・ホテル阪急インターナショナルのフレンチレストランでサービスのアルバイトをしたのをきっかけに、フランスパンに興味を持ち、製パン専門学校へ。


ご主人・小塚章彦さんと奥様・有紀さん。

 卒業後は、当時、東京・西荻窪にあった「ムッシュソレイユ」で修業。「東京のパン屋巡りをした時に、魚介のサンドイッチやパテ、リエットなどもあって、働きたいと思ったんです」。


パンを作る小塚章彦さん。

パンを並べる有紀さん。

「ムッシュソレイユ」のシェフは、元々、フランス料理出身。パティシエもされていたのだそう。そんなお店で、調理パンやサンドイッチ、お菓子作りも学びました。関西へ戻ってからは、「ムッシュアッシュ」(閉店)やホテルのベーカリー、神戸の「プラス・ドゥ・パスト」などでも働き、自店を開業。


オーブン前の平台にパンが並ぶ様子。

形も味わいも様々なパン。

 お店に並ぶパンは、常時50種余り。季節によって種類が変わります。毎朝3時から厨房に入り、少量ずつ、丁寧に焼き上げられています。小塚さんは「食べたいパンを作っている」とにっこり。


「ハードトースト」400円。

「パン・ド・ミ」460円。

パンが並ぶ奥にオーブンが。

 入口を入ってすぐのコーナーでは、夫妻のお気に入りの紅茶やグラノーラも販売されています。


夫妻がお気に入りの紅茶やグラノーラも販売。

表面サックリ、中ふんわり
クロワッサン生地のパン

 まず、小塚さんのお気に入り、クロワッサン生地のパンをご紹介しましょう。


クロワッサン生地のパン。上・左から「アーモンド・シュガー」140円、「栗とアーモンドのクロワッサン」180円、「明太子チーズ」180円。中・左から「ベリーベリーデニッシュ」200円、「甘夏のデニッシュ」200円、「洋梨のタルト」250円。下・左から「自家製フランボワーズとホワイトチョコのクロワッサン」200円、「クロワッサン」160円、「パン・オ・ショコラ」180円。

「明治乳業の発酵バターを使い、折り込み層を減らして、中がふんわりしているのが特徴です」
 
 小塚さんが言うとおり、「クロワッサン」は、表面はパリパリではなくサックリ。中はふんわり。発酵バターの香ばしさが口いっぱいに広がります。

 クランベリー、ブルーベリー、ラズベリーを使い、アニスの香りを忍ばせた「ベリーベリーデニッシュ」。甘くない大人向けの「パン・オ・ショコラ」、ピンクペッパーをアクセントにきかせた「甘夏のデニッシュ」といった、大人向けのおやつクロワッサンが色々あって楽しい。

「自家製フランボワーズクリームとホワイトチョコのクロワッサン」は、リキュールがほんのり香ります。渋皮栗が丸ごと1粒入った「栗とアーモンドのクロワッサン」も、贅沢な味わい。

 クロワッサン生地ではありませんが、「洋梨のタルト」も、人気の一品。洋梨のコンポートの下にチョコレートが敷かれていて、コク深いおいしさ。


「ヴィエノワ」。左から「プレーン」120円、「オレンジマーマレードとクリームチーズ」200円、「くるみ」140円、「くるみ練り込み練乳クリーム」200円。

 水でなく牛乳を使った生地の「ヴィエノワ」は、優しい甘さとさっくりした歯触りが特徴。プレーンとくるみ入りの2種類、それぞれのサンドも人気です。

 菓子パンも色々。


菓子パン。上・左から「クリームパン」140円、「こしあんぱん」140円、「緑茶レモンあんぱん」160円。下・左から「ブリオッシュ・シュクレ」140円、「シトロン・ショコラ」180円、「いよかんメロンパン」160円。

 自家製カスタードがたっぷり入った「クリームパン」、バターが香り立つ「ブリオッシュ・シュクレ」。シンプルですが、クセになる味わい。

「いよかんメロンパン」は、クッキー生地部分に入れた国産のいよかんピールが、ほんのり香ります。「こしあんぱん」は、甘さ控え目なこしあんが、サクッと優しい生地にマッチ。

「緑茶レモンあんぱん」は、緑茶あんにレモンピールを入れて、さわやかな風味。「シトロン・ショコラ」は、カカオを練り込んだほろ苦い生地に、カルダモンのスパイシーな香りとレモンピールの爽やかさがプラスされた大人味。

 続いて、調理パン。


「クロックムッシュ」。上から「ツナとオリーブ」250円、「ハム」400円。

「クロックムッシュ」を仕上げる小塚章彦さん。

「クロックムッシュ」は、2種類。ベシャメルソース、ハム、チーズのベーシックなタイプ「ハム」と、ペッパーがきいた「ツナとオリーブ」があります。ワインのお供にもぴったりの、これも大人のおやつです。

 サンドイッチもご紹介しておきましょう。


サンドイッチ色々。奥「トマトとモッツァレラ」350円、中左「淡路産地鶏としめじ」400円、中右「生ハムとクリームチーズ」400円、手前「パストラミビーフ」500円。

 一番人気が「パストラミビーフ」。ボリュームもたっぷり。「淡路産地鶏としめじ」は、ジューシーな地鶏としっかりしたパンが相性抜群。「トマトとモッツァレラ」「生ハムとクリームチーズ」など、料理を味わっているような絶妙な組み合わせ。旨味たっぷりのサンドイッチはどれも好評だそう。


フォカッチャ。上から「バジルチキン」250円、「ホワイトアスパラガスとタプナード」230円、「生ソーセージとグリュイエールチーズ」280円。

 食べやすいハード系パンも、小塚さんの自慢です。

「湯種カンパーニュ」は、ライ麦粉を入れた生地を、その名のとおり湯種製法でむっちり、柔らかく仕上げたカンパーニュ。噛むと独特の香ばしさと風味が楽しめます。


ハード系。左から「イチジクがおいしいパン」400円、「湯種カンパーニュ」400円、「リンゴとクランベリーとくるみのパン」400円。

「とってもおいしいセミドライのイチジクを使っているので、そのまま名前にしました」と有紀さんが言う「イチジクがおいしいパン」。ジューシーなイチジクの豊かな風味に、オレンジピールの爽やかな香りがアクセント。

「トマトのふわふわパン」は、セミドライトマト、ブラックオリーブ、アンチョビ、チーズが入ったリッチな南仏風の味わい。ワインにぴったりです。


ハード系。左「大葉とベーコンのエピ」200円、中上「トマトのふわふわパン」400円、中下「くるみチーズ」200円、右「スモークチーズと黒こしょうのフーガス」270円。

「大葉とベーコンのエピ」、「スモークチーズと黒こしょうのフーガス」、リキュール・シャルトリューズに漬け込んだリンゴを使った「リンゴとクランベリーとくるみのパン」、チーズの芳醇な風味の「くるみチーズ」など、一度食べたら忘れられなくなるおいしさのパンがいっぱい。


U字形とI字形のパンを集めて。左上「かぼちゃと大納言」180円、左下「ゴルゴンゾーラとはちみつのパン」220円、I字形・左から「かんきつピールとクリームチーズのバゲット」220円、「ナッツスティック」200円、「枝豆とチーズのパン」220円。

 スティック状の「かんきつピールとクリームチーズのバゲット」「枝豆とチーズの塩パン」も人気商品。さらに、細長い「ナッツスティック」はくるみ、ピーカンナッツがぎっしり。噛む程に香ばしさが広がります。

 U字形の「ゴルゴンゾーラとはちみつのパン」はクセのある風味が赤ワインと好相性。
同じくU字形をした「かぼちゃと大納言」は、和の味わい。

「いろんな種類があって、選べる楽しさも提供したい」と、開業から1年経ち、パンの種類がどんどん増えてきたのだそう。「これからは、パンと一緒に味わっていただきたい、パテやリエットも作りたいですね」と小塚さん。

 小さなお店には、パンのお楽しみがいっぱい詰まっています。

パンのお店 ito

所在地 兵庫県神戸市東灘区御影本町6-4-16
電話番号 078-891-5047
http://pan-ito.com/


宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

文・撮影=そおだよおこ

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