2018/09/09 18:00

「マイマイ」こと伊藤修子が熱烈推薦 何でも美味しい飯田橋の香港カフェへ

「おっさんずラブ」の“マイマイ”こと瀬川舞香役でさらなる注目を浴びた女優・コメディエンヌの伊藤修子さんは、大の香港好きとしても知られています。この連載コラムでは、東京で味わえる香港グルメ、偏愛してやまない香港映画、そして香港を訪れた時の思い出などを綴ります。


◆私の愛する東京の香港グルメ

香港 贊記茶餐廳[飯田橋]


大の香港好きとしても有名な伊藤修子さん。

 私は香港旅行に行く前の予行演習、または東京にいながら香港気分を味わいたい時に、香港喫茶や香港式ファミレスに足を運びます。

 今回ご紹介するのは飯田橋にある「香港 贊記茶餐廳(ホンコン・チャンキチャチャンテン)」さんです。

 今日はなんだか和食という気分でもないし、こってりとした洋風でもなく、何か変わったものが食べたい……そんな気分のときにふと思い立って、こちらのお店に立ち寄ります。

 とにかくメニューが豊富で、毎回選ぶのに迷ってしまいますが、その中でも私のお気に入りメニューをいくつかご紹介いたします!


叉焼ローストポークライス 880円。

 まずご紹介するのはリピート率ナンバー1の「叉焼ローストポークライス」です。

 甘辛味の叉焼と塩味のローストポークの贅沢な合いのせです。叉焼とロースとポーク、どちらか1種類のみのメニューもあるのですが、どちらかなんて選べない……。そんなときは迷わず合いのせです!

 肉厚ながらしっとりとした口当たりの甘辛い叉焼と、パリッとした皮が特徴のシンプルな塩味ローストポーク。付け合わせのネギと生姜のタレをつけていただきますと、ピリッとしたシャープな爽やかさが加わり、味に一段と深みが出て、ご飯にもとても合います!


お気に入りのメニューに満足気な伊藤さん。

 この付け合わせダレは、香港の色々なお料理によく添えられているのですが、不思議と何でも美味しくなる魔法のタレなのです(笑)。

 こうした肉っ気たっぷりのお食事には、異国情緒を気取ってついつい炭酸的な飲み物を合わせてしまいがちです。


香港塩漬けレモン7UP 480円。セブンアップの他にコーラも選べます。

「香港塩漬けレモン7UP」はセブンアップの底に塩漬けレモンを沈めたもので、このレモンをスプーンで潰しながらいただきます。レモンを潰すごとに、ほどよい塩分が爽やかなセブンアップと混ざり合い、暑い夏にはピッタリです!

 さて、お次に紹介するメニューは「香港チキンカレーライス」です。


香港チキンカレーライス 780円。

 実はこちらはまだ食べたことがなかったのですが、お店のイチオシとのことで、いただいてみました! 運ばれて来たアツアツのカレーライスを早速口に入れてみますと……止まりません。


初めての香港チキンカレーライスに感動! 笑顔が溢れる伊藤さん。

 スパイスの配合もどこか中華風で、ゴロッとしたチキンは燻製のような独特の味わいでかなりの大ヒットです! インド風でも洋風でもタイ風でもない、これぞまさに香港式。なかなか他では食べられないお味なのではないでしょうか。これからもついついリピートしてしまいそうです!

デザートやミルクティーも絶品!

 しっかりしたお食事のほか、軽食メニューなども充実しています。


左から:香港式ミルクティー(ホット) 330円、ポーローパオ(バター付) 260円。ミルクティーはアイス(360円)にもできます。

 ポーローパオは日本のメロンパンに近い感じの香港ならではのパンで、外側がカリカリ甘く、内側がふんわりとしています。この外側の甘さと、溶け出したバターの塩味のハーモニーが絶妙でとても美味しいです! ポーローパオは店内で毎日焼いているそうです。


あつあつのポーローパオを「食べたいけれど、少し食べすぎかな?」と悩む伊藤さん。

 このポーローパオやエッグタルトなどのスイーツ軽食にはやはり香港式ミルクティーとの組み合わせがオススメです。

 香港式ミルクティーは通常の紅茶よりも数倍濃く煮出したものにエバミルクを加え、目の細かい漉し器で何度か漉して作られていて、舌触りも滑らかで濃厚なのが特徴です。


左から:香港式ミルクティー(ホット) 330円、エッグタルト 1個 220円。

「香港 贊記茶餐廳」さんでは、ポーローパオやエッグタルトの材料に日本のものを使っているので、現地より美味しいのだとか。不思議ですが、東京にいるほうがお得な気分ですね(笑)。

 吉祥寺にも新しくオープンした店舗があり、そちらのほうも設備を整え、今後メニューも増えていくようです(オーナーの張さん談)。


オーナーの張さんとも香港トークで盛り上がり、すっかり仲良しに。

 飯田橋もしくは吉祥寺でゼヒお近くのほうへお出かけになってはいかがでしょうか。


香港 贊記茶餐廳
(ホンコン・チャンキチャチャンテン)

所在地 東京都千代田区飯田橋3-4-1
電話番号 03-6261-3365
営業時間 11:30~23:00(L.O. 22:30) ※ランチタイム 11:30~14:00
定休日 無休
http://chankichachanten.jp/

 次ページからは、私のお気に入りの香港スターや香港映画についてご紹介します!

◆私の愛する香港スター

マイケル・ホイと『Mr. Boo!』の魅力

 さて、今回は私の大好きなスターのひとり、マイケル・ホイと映画『Mr. BOO!』シリーズについてです!


右がマイケル・ホイ。左は弟のサミュエル・ホイ。こちらは『Mr.Boo! ギャンブル大将』(原題『鬼馬雙星』)のロビーカード。公開当時、香港の映画館に掲示された。

マイケル・ホイ(Michael Hui)/許冠文

1942年9月3日中国広東省生まれ。幼い頃に両親と共に香港へ移住、大学在学中よりショー・ビジネスの世界に飛び込み、卒業後、中学教師などを経て、71年 弟のサミュエル・ホイと組んだバラエティー番組で一躍人気者に。72年 ショウ・ブラザース社の映画『大軍閥』の主演に大抜擢され、74年に兄弟と独立プロダクションを設立。その後ゴールデン・ハーベスト社と組んで、監督・脚本・主演の作品でコメディー映画の一時代を築く。

 長男マイケル、三男リッキー、四男サミュエルのホイ兄弟と言えば香港映画好きな人には説明するまでもないでしょう。

『Mr. BOO!』シリーズの日本でのテレビ放映時、「恩に着るです燕尾服」「オバン泣かせのギャル殺し」など、過剰なまでにダジャレを盛り込んだ広川太一郎によるマイケル・ホイの吹き替えも魅力です!

 ここで、特にお気に入りの3作品をご紹介します。


#01
『Mr. BOO! (ミスター・ブー)』
(原題『半斤八兩』)
●76年製作/79年日本公開


 このシリーズにおける日本公開第1作。赤字続きの弱小探偵事務所所長(マイケル・ホイ)、マヌケな助手(リッキー・ホイ)、探偵志望の青年(サミュエル・ホイ)が行く先々で巻き起こす大騒動。ジョーズの顎と腸詰めヌンチャクの対決など、爆笑珍場面の連続です!

 高層ビルでの宙づりなどかなり危険なこともやっておりますが、改めて観てみるとクローゼットの中に隠れていたマイケルが追いかけてきた警察にあからさまにバレバレで見つかりそう、まさにその瞬間、咄嗟に「な~んもいまへん」と一言、警察が去っていくシーンがあります。そんな大したシーンでもないのになぜだか苦笑混じりの思い出し笑いをしてしまいます。

#02
『Mr. BOO! インベーダー作戦』
(原題『賣身契』)
●78年製作/79年日本公開


 シリーズ中2番目の日本公開作。端役続きで売れない中年タレント(マイケル・ホイ)が、架空のテレビ会社、マウスTV社とキャットTV社の過激な視聴率争いをネタにドタバタギャグを展開。マウスTV社では視聴率が低いと、制作局長は責任を取らされビルから飛び降り自殺をさせられるなど、非常にブラックな一場面も!

 トラックの荷台から落ちるタイヤの中に隠れたマイケルが広川太一郎の吹き替え「痛イヤ痛イヤ」に合わせて派手に階段を転がり落ちるシーンの撮影では負傷して10日も入院することになったのだとか。コメディーといえどさすが過酷な香港映画界です。

 変な宇宙人のようなコスチュームで踊っているシーンでは、いったん踊りの振りを全て覚えてから、その後に全く逆の動きでいかにも間違えている風に踊らなくてはいけないので、一番苦労もしたとか。劇中でのマイケルの中途半端な女装は、顔だけで言ったらとても他人だとは思えません(笑)。

#03
『Mr. BOO! ギャンブル大将』
(原題『鬼馬雙星』)
●76年製作/79年日本公開


 日本公開順としては3番目。服役中のいかさまギャンブラーの兄貴(マイケル・ホイ)は新しく相部屋になったギャンブル好きの青年(サミュエル・ホイ)と早速意気投合、出所を機にクイズ番組やドッグレースの優勝賞金など一発逆転の金儲けにのめり込んで行きます。

 見どころはやはり、クイズ番組に出場するシーンでしょう。正解が出せないと席の位置がどんどん下がり、ワニのいる水槽に沈んでいってしまいます。偽物だか本物だかわからないワニも不思議と可愛く見えてきます。

 この作品の役柄ではベティ・ティンペイ(実生活ではブルース・リーの愛人として知られた)が演じる妙にお色気ムンムンの愛人なんかもいたりします。マイケル・ホイはなぜか色っぽい愛人や金髪女性が傍らにいると、女に興味ないふりして好色そうな魅力にさらに磨きがかかります(笑)。

 この作品は製作年が一番古いのですが、他の作品に比べ悲哀と哀愁が色濃い気がいたします。クレジットはされていませんが、本作と『Mr.Boo! 天才とおバカ』(75年製作/日本未公開)は助監督があのジョン・ウーなのだとか!


 香港と日本では公開順が異なっており、関連のないそれぞれの作品に日本独自の『Mr. BOO!』『新Mr. BOO!』と名をつけられた作品がまだまだあります。なんでも「燃えよデブゴン」にしちゃう感じと一緒です。

『Mr. BOO!』の中ではケチで好色でずるそうだけど憎めないキャラのマイケルですがとにかく多才です。

 監督・脚本・主演をこなし、役作りのために専門家から特訓を受け、まったくダメだったギャンブルをマスターしたり、ロースト料理の有名店で修業をしたりするほどの徹底ぶり。身体の動きもキレキレで、危険なシーンもスタントを使わないし、実は歌だって上手。抜群のコメディー顔なのに知性とバイタリティーの塊なのです!

『Mr.Boo!』はやっぱり日本語吹き替えでないと、という方も多いと思いますが、吹き替えでなくて肉声でも全然OK、そんな風に思えたらもう立派なマイケル・ホイ迷(迷というのは広東語でファンという意味)です。

 どことなく哀愁漂う顔にあの早口でまくしたてる広東語だってたまらん肉まん担々麺です! ケチで好色でずるそうな役をやっていてもなんやかんやつぶらで可愛い目をしてますもんね~。


香港のガーデン・オブ・スターズ(星光花園)にあるマイケル・ホイの手形。

 サミュエルが映画『悪漢探偵』(82年製作/83年日本公開)出演のため、新興の映画会社であったシネマシティと契約してしまい、マイケルが一人で頑張っていた時期もあります。しかし『フロント・ページ』(90年製作/92年日本公開)では9年ぶりに三兄弟揃っての共演を果たします。

 リッキーは2011年に亡くなってしまい、残念ながら3人揃った活動を見ることはもうできませんが、サミュエルは現在も精力的に音楽活動を続けています。

 もしも『新世紀Mr. BOO! ホイさま カミさま ホトケさま』(04年製作/日本未公開)のようなリメイク作品がまた実現するならば、一瞬のおばさん役でもいいから私もキャスティングにねじ込んでいただきたいものです……!

◆私の香港旅日記

パンとインスタントラーメンの定食?


少しでも時間ができると、香港に足を運んでいる伊藤さん。香港の摩天楼を背ににっこり。「香港 贊記茶餐廳」にて。

 さてお次は、香港に出かけたときについてのお話なども。

 本当は優雅にビジネスクラスで出かけてみたいのですが私はそんな贅沢もできませんので、格安のLCCに乗って早朝に到着する場合が多いです。4~5時間程度なら我慢だってできます(笑)。

 ホテルのチェックインまで時間があるときは、茶餐廳(チャチャンテン)に足を運んで朝の時間帯のみ提供のメニューをいただきます。

 茶餐廳とは、“香港式ファミレス”とも言われていて、多彩で経済的なB級メニューがスピーディーに提供され、気軽に利用できる便利さが特徴です。


香港の茶餐廳。レトロな雰囲気がお気に入りです。

 混雑していない時間帯であればゆったりできますが、混雑している時間帯は相席です。地元の方々に混ざっての朝食も活気があってなかなかよいものです。


香港の茶餐廳のモーニングセット。インスタントラーメン&トーストというすごい組み合わせ。

 インスタントラーメンとパンの定食という、日本では考えられない炭水化物同士の組み合わせに最初は驚きましたが、食べ始めると飛行機疲れの身体に塩分が染み渡り、暑い夏場だってスルスルとラーメンが口に入ってしまいます。

 観光客慣れしたお店でしたら英語、日本語のメニューなんかもありますが、大通りから少し奥まったところにあるお店などはまず英語すら通じないでしょう。

 見慣れない漢字が羅列されたメニューを見ても、何が何やらで圧倒されてしまいますのである程度の予習はしていくことをおススメします。私もようやく麺の種類を出前一丁に変更してほしいとかその程度の意思表示はできるようになりました(笑)。


こちらは四寶飯(セイボウファン)。卵の塩漬け、ロースト鴨、ローストポーク、紅腸(中国のソーセージ)の4種のせ飯です。

 香港には沢山の茶餐廳がありますがレトロな内装で風情のある「海安珈琲室」「中國冰室」「美都餐室」あたりが素敵でおすすめです。ゆくゆくはありとあらゆる茶餐廳を制覇してみたいものですね。


伊藤修子(いとう しゅうこ)

女優、コメディエンヌ。1977年神奈川県生まれのA型。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。趣味は編物、喫茶店巡り、散策、70~80年代香港映画鑑賞など。99年より劇団「拙者ムニエル」に所属し、全作品に出演。2009年よりよしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。主な出演作品は、NHK大河ドラマ「平清盛」(12)、KTV「お義父さんと呼ばせて」(16)、CX「Chef~三ツ星の給食」(16)、CX「セシルのもくろみ」(17)、EX「おっさんずラブ」(18)など。10月6日(土) 23:40スタート「結婚相手は抽選で」(東海テレビ・CX系全国ネット)に出演。

文・撮影=伊藤修子
撮影=佐藤 亘

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