2018/09/08 12:00

世界中のセレブがヨットで訪れる 「リヴィエラの真珠」ポルトフィーノ

#157 Portofino
ポルトフィーノ(イタリア)


カラフルな家が港を縁取るポルトフィーノ。

 “リヴィエラの真珠”と称される、リグーリア州の小さな港町、ポルトフィーノ。

 マスタードイエロー、くすんだピンク色、レンガ色など、カラフルな家並みが港に面して続き、背後には糸杉がぴょんぴょんと突き出た丘が迫る愛らしい村は、州立公園であり、国定史跡にも指定されています。


ポルトフィーノ沖に見た漁船。もともとは小さな漁村が今は世界的なリゾート地に。

糸杉など緑に包まれ、港を見下ろす高台に立つブラウン城。

 もともと漁業を生業としていた村で、漁師たちは深夜に漁へと出港。仕事を終えて戻るのは、夜も明けきらぬ頃。薄暗がりの中では入り組んだ海岸線のどこに自分たちの帰るべき港か、よくわからない。

 そこで、沖からでもひと目で見分けがつくよう、港に面した家並みをカラフルにペイントしたのが、このパレットのように色鮮やかな村の始まりなのだそうです。


ポルトフィーノの港で出迎えるオブジェ。なぜ、ミーアキャット? なぜ、ショッキングピンク?

サン・ジョルジョ教会から見下ろすポルトフィーノの港町。セレブのステイタス、メガヨットが複数、停泊しています。

 夏のシーズンともなると、世界中からセレブたちがこの小さな村に押し寄せます。

 港にはスーパーカーのような流線形のメガヨットがずらり。船上で制服姿の数人の船員がてきぱきと作業を行う中、デッキでは白シャツに白パンツ、そして裸足のシニアが赤いビーチドレスの女性とくつろいでいます。

 絵に描いたようなお金持ちを、はじめて“生”で見ました。従業員の数を指折り数えて、年間維持費を計算してしまう私は、やはり根っからの庶民です。


港近くでは、ブランドショップやレストランなどの合間に教会も立っています。

 ポルトフィーノにセレブが集まる理由は、美しい自然とインスタ映えの家並みだけではありません。

 実は、この村には“駅”がないのです。ミラノやジェノヴァから鉄道で結ばれたお隣の町サンタ・マルゲリータ・リグーレから、船またはバスを乗り継がなくてはなりません。簡単にはアプローチできないことから、観光客の数も限られるのです。

 その点、セレブは自家用ヨットでダイレクトに乗り付けられます。

港周辺には高級ブランドが軒を連ねる


ちょっとした人だかりになっていたイタリアブランドのブルネロ クチネリ。

 そんなヴァカンスにやってきたセレブたちに向けて、港の周辺にはエルメスやサルヴァトーレ・フェラガモ、ルイ・ヴィトンなどメゾン・ブランドが軒を連ねています。小さな村には、場違いに思えるほど錚々たるブランドばかり。


同じ建物にロンシャンと教会が併設。

 港近くや丸石を敷き詰めた路地には、おしゃれなオープンテラスのカフェやレストランも並び、どこか作り物のテーマパークのよう。と思ったら、東京ディズニーシーやユニバーサル・オーランド・リゾートに、ポルトフィーノをテーマにした施設やホテルがあるのだとか。


丘の上に立つサン・ジョルジョ教会。第2次世界大戦で壊滅的な被害を受けつつも修復。

 ポルトフィーノの全景を眺めるなら、石畳の坂道を上った高台にたたずむサン・ジョルジョ教会へ。12世紀に建造されたこの小さな教会は、イタリアの典型的なスタイル。イエロー×白の色遣いが緑の中でひときわ映えます。


シンプルな内装の、イタリアの典型的な小さな教会。

 実は、ジャン・アレジと後藤久美子が式を挙げた教会だとか。眼下に広がる港を、二人も幸福な気持ちで見下ろしたことでしょう。


ポルトフィーノからサンタ・マルゲリータ・リグーレへ向かう途上、緑の斜面には豪邸が。

 ポルトフィーノのお隣のサンタ・マルゲリータ・リグーレは定期船で約15分。こちらへも足を延ばしてみることにしました。


高嶺の花のポルトフィーノに比べ、馴染みやすさを感じるリゾートタウンのサンタ・マルゲリータ・リグーレ。

 移動中船から見上げる山間には豪邸が点在しています。この中にはグッチやガッバーナ、アルマーニの別荘もあるとか。イタリアの高級リゾート地、ハンパない!

偽物の窓が建物の外壁に描かれた理由


パレストロ通りを散策すると、地元の暮らしが伝わってきます。リグーリア州の食材をお土産にするのもおすすめ。

 その点、サンタ・マルゲリータ・リグーレは地元の暮らしが垣間見られるリゾートタウン。


パレストロ通りにも壁にフレスコ画の窓の建物が。

サンタ・マルゲリータ・リグーレの方がポルトフィーノよりも規模が大きく、手ごろなホテルも。

 メインのパレストロ通り沿いには、リグーリア州の名物ジェノヴァソースなどが並ぶ食材店や、太さや形も様々なパスタ専門店、地元マダムが訪れるセレクトショップなど、どの店も親しみを感じます。


レンガ色の建物の一部の窓は、フレスコ画です。

 パレストロ通りや大聖堂前の広場には、かつての黒歴史の名残が見られます。いくつかの建物は窓がなく、代わりにフレスコ画の窓が壁に描かれています。

 これは“窓税”に反発した市民が、いっそのことなくしてしまえと、窓をレンガで埋めてしまったのだとか。政治家の悪知恵に、市民が知恵で対抗した証ですね。


メイン広場の大聖堂。シャンデリアや金色の装飾が荘厳な雰囲気を醸し出しています。

 今回、この2つのリゾート地に訪れたのは、究極のクルーズといわれる「セブンシーズ エクスプローラー」の地中海7泊8日の航海にて。寄港地のツアーまでクルーズ料金に含まれているのは、ラグジュアリー船ではここだけ。予算を気にせず、ヴァカンスできます。

ポルトフィーノ

●アクセス ミラノセントラル駅から約3時間前後でサンタ・マルゲリータ・リグーレへ(ジェノヴァからも鉄道で平均42分)。そこから定期船で約15分
●おすすめステイ先 セブンシーズ・エクスプローラー
https://jp.rssc.com/ships/seven_seas_explorer/

【取材協力】
リージェント セブンシーズ クルーズ

https://jp.rssc.com/


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

文・撮影=古関千恵子

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