2018/09/22 20:00

JALハワイ線エコノミーの機内食を 何とミシュラン2ツ星シェフが監修!

 世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第192回は、空飛ぶ極上レストランをたかせ藍沙さんがご紹介します。


記者発表まで極秘だった
シェフの名は


記者発表が行われた羽田空港JALロイヤルケータリングのビル。ビルの前には空港に機内食を運ぶトラックがズラリと積荷を待っていた。

 JALから送られて来たプレスリリースを読んだときに目を疑った。ファーストクラスの記事を書くことが多い私にとっては、「ミシュラン2ツ星獲得のシェフによる機内食を提供」は珍しいことではない。

 でもそこには、「ハワイ線エコノミークラス」と書いてあったのだ。ファーストクラスやビジネスクラスではなく、エコノミークラス! いったい誰がどんな料理を作るのか、記者発表の日を指折り数えて楽しみに待った。


CAさんも記者発表にかけつけて新メニューをアピール!

 新メニューは2018年9月1日(土)から、成田発ホノルル、コナ行きに提供されているので、既に機内で舌鼓を打った方もいらっしゃるだろう。発表された新メニューは、11月末まで、エコノミークラスとプレミアムエコノミークラスの1食めでいただくことができる。


中央左が「レフェルヴェソンス」グランシェフの生江史伸氏、その右は日本航空執行役員路線統括本部商品・サービス企画本部長の佐藤靖之氏。

 機内食を調理しているJALロイヤルケータリング内の会場に現れたのは、生江史伸(なまえ しのぶ)シェフ。西麻布にある2ツ星レストラン「レフェルヴェソンス」のグランシェフだ。

 フランスの「ミシェル・ブラス」やイギリスの「ザ・ファットダック」のスーシェフを務めた後、2010年に西麻布に「レフェルヴェソンス」をオープンさせた。店名は、「活気」「泡」「生み出す」を意味し、食事で元気になってほしいという願いが込められている。

 記者発表の冒頭、路線統括本部商品・サービス企画本部長の佐藤靖之氏から今回の機内食の意図が説明された。

 ハワイ路線は長い歴史がある重要路線。そこに、美味しいだけではなく、食べて元気になってほしいという思いに、生江シェフの選ぶ素材、料理が合致した。ハワイは癒やしの場所、ハワイに向かう機内から有意義に過ごしてほしいという。


メニューを説明する生江シェフ。

 生江シェフからは料理の説明があった。美味しくて健康に配慮されていて、身体に負担がかからないもの、時間が経っても美味しく食べられるものをと心がけたという。

 自身のレストランでは作ることがないビーフストロガノフを選んだのはチャレンジで、多くの皆さんに好まれる味で、ナイトフライトでも身体に負担がかからないように配慮したとのこと。

 仕上がりを見届けることができないので、試作を繰り返し、実際に調理するJALロイヤルケータリングが作ったものを再び試食し、調整を重ねたという。そして、レストランのレシピとは違う、再現性の高い機内食となった。


生江シェフ監修の新メニュー。メインディッシュのトップシールには「レフェルヴェソンス」の店内で撮影されたポートレート写真がプリントされている。トレーマットは、それまでの鮮やかな赤から風紋のあるビーチのイメージに変更された。

メインディッシュは、しめじ、マッシュルーム、エノキの3種のきのこを載せたビーフストロガノフと、インカのめざめを使ったマッシュポテト。サイドディッシュは秋刀魚のエスカベッシュ、デザートは金時芋のモンブランだ。

 発表されたのは9~11月に提供されるメニューなので、秋の旬の食材を使い、見た目もひと工夫。秋の夕暮れをイメージして赤ワインを加え赤みを強調している。

 ちなみに、生江シェフ、個人的には機内食は食べないのだとか。理由は美味しくないから。そのネガティブなイメージを変えたいと意欲的だ。

 続いて、試食タイムとなった。

ハワイ線以外の機内食も
ますます充実!


機内さながらの笑顔でCAさんがトレーを配ってくれた。

 試食は、記者1人につき1食が提供された。CAさんがワゴンから次々とトレーを出して配る姿は機内の雰囲気そのもの。生江シェフのトップシールを外すと、ビーフストロガノフの香りが食欲をそそる。


添えられたメニューにはメッセージも書かれている。

こんなふうに生江シェフの写真を飾れば、ミシュラン2ツ星気分もひとしお。

 まずはサイドディッシュの秋刀魚のエスカベッシュをいただく。エスカベッシュというのは地中海風南蛮漬けだ。酢の酸味で胃袋が動き出す。


きのこの下には肉もたっぷり入っている。

 ビーフストロガノフは奥行きのあるしっかりとした味。生江シェフによると、機内では味覚が鈍ることを想定して酸味の強い赤ワインを使用したとのこと。付け合わせのマッシュポテトもビーフストロガノフにマッチした濃厚な味わいだ。

 添えられているパンは、生江シェフがビーフストロガノフに合うものを厳選したという。ビーフストロガノフが濃厚なため、デザートの金時芋のモンブランは軽く仕上げられていて、最後まで飽きずにいただける。トレーの上のすべてに生江シェフの気遣いが感じられる機内食だ。


「BIG WAVE」の缶には、ハワイらしい大波とカヌーが描かれている。ビールを飲んだ後の空き缶は持ち帰ってもいい。

 ドリンク類では、ハワイ線限定で提供されているハワイを代表するクラフトビール「BIG WAVE」に加えて、12月1日からは「LONGBOARD」も楽しめるようになる。

 また、ホノルル空港には8月に新しいサクララウンジ「Sakura Lounge Hale(ハレ)」がオープンしたばかり。従来のサクララウンジ本館は2019年3月末にリニューアルオープンする予定だ。エコノミークラス利用でも、JALマイレージバンクの上級会員なら利用することができる。

「AIR吉野家」が機内に広げる笑顔


機内食を監修するRED U-35のシェフたち。左から「スーツァン レストラン 陳」の井上シェフ、「シエル エ ソル」音羽シェフ、「京都 吉兆 嵐山本店」の崎シェフ、「モナトリエ」野崎シェフ、「菊乃井別館 無碍山房」酒井シェフ、「アーククラブ迎賓館」赤井シェフ。

 JALでは、ハワイ以外の路線の機内食も充実している。

 エコノミークラス、プレミアムエコノミークラスでは、「~若き料理人たちによる機内食~ RED U-35」と名づけられた機内食で、新たに4人の若手シェフを加え、6人のシェフたちの監修による、車麩と鶏肉の玉子とじ丼やハヤシライスなど、バラエティ豊かな機内食を用意している。

「RED U-35」とは、35歳以下の料理人たちのコンテストで、6人のシェフたちは上位入賞者だ。ちなみに、生江シェフはこのコンテストの審査員を務めている。


AIRシリーズ第29弾「AIR吉野家」。ご飯と具が別々になっていて、日本語と英語で、具をご飯の上に載せる手順の図解が添えられている。

 また、好評のため第29弾となったAIRシリーズでは吉野家の牛丼を採用。吉野家の秘伝のタレで仕上げたこだわりの牛丼「AIR吉野家」を提供している。11月末までの3カ月限定だ。

 実は私は、AIRシリーズの初期にこの「AIR吉野家」を機内でいただいたことがある。トレーが配られ牛丼の香りが漂ったとき、機内に笑顔が広がったことが印象的だった。


JALオリジナルチキンカレー「JAL The Curry」。ファーストクラスとビジネスクラスで提供される。

 ファーストクラスとビジネスクラスでは、『ミシュランガイド熊本・大分2018特別版』で1ツ星を獲得した熊本の「洋食の店 橋本」が監修したJALオリジナルチキンカレーを提供している。長距離フライトの2回の機内食の間にお腹が空いたとき、軽い食事で済ませたいときなどに有り難いメニューだ。こちらの提供期限は未定。定番になるかもしれない。


プレスバターサンド。ビジネスクラスのセルフサービスコーナーに置かれている。

 ビジネスクラスのセルフサービスコーナーでは、プレスバターサンドの提供が始まった。はさみ焼き製法で焼き上げたボックス型クッキーの中にクリームとキャラメルが入っているスイーツだ。こちらは2019年2月末までとなる。

 次の旅では、機内食の味で航空会社を選ぶというのも選択肢のひとつ。食事は旅の楽しみのなかでも比重が大きい要素なのだから。

日本航空

http://www.jal.co.jp

L' Effervescence(レフェルヴェソンス)

http://www.leffervescence.jp/

RED U-35

http://www.redu35.jp/


たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)

トラベル&スパジャーナリスト。渡航150回超・70カ国超、海外スパ取材250軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)は4刷で、台湾・中国にて翻訳出版、第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』も中国で出版された。『ファーストクラスで世界一周(仮題)』は2018年9月20日刊行。
Twitter https://twitter.com/aisha_t
ブログ http://ameblo.jp/aisha
「たかせ藍沙のファーストクラスで世界一周」Facebook
http://www.facebook.com/WRT.by.FirstClassFlight

文・写真=たかせ藍沙

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