2018/09/26 07:00

DA PUMPの「U.S.A.」を聴かせれば 赤ん坊の激しい夜泣きも止まる?

まさかのロングヒット曲
初見の衝撃を振り返る


ダサいとうわさの「U.S.A」ジャケット。センターでドヤ顔をするISSAもダサかっこいいが、彼のバックでポーズを取る6人もそれぞれのダサイズムを表現することに成功。特にISSAの両端、U-YEAHとKENZOの攻撃的かつセクシーな手の位置、見事である。

 申し訳ない。今回のネタは「勝手に再ブーム」ではなく、「明らかに再ブレイク」である。もう彼らについてはTV雑誌ネットレイディオとあらゆるメディアがガンガン特集を組み、私がしたり顔で発信できる新しい情報など一つもない。

 漂う「今さら」感……。

 が、書かずにゃいられないのだ、DA PUMP再ブレイクについてのひゃっほう浮かれ節をッ。

 きっかけは、ある日の動画検索。いきなり彼らがビミョーなファッションに身を包み、ミラーボールに恋していたのである。

 エッこれDA PUMP? 私が知ってるDA PUMPと人数違うけど? いやDA PUMP好きだったけど。今でも時々「胸焦がす…」聴いて泣くけど。カラオケで「if…」を歌い、ラップの部分を持て余し立ち尽くしたりするけど!

 嵐のように襲う「けど、でも、エッ!?」。しかし、見ているうちにそんなものはどうでもよくなり、熱いモノがこみあげてきた。


とりあえず聴こうとレンタルに走ったが、捨て曲一切ナシの奇跡的ベストにビビりまくり。そして改めてISSAの歌声があの頃から「U.S.A.」の現在まで衰え知らずなことが鮮明にわかりビビりまくり。毎日コラーゲンをガブ飲みしているのではなかろうか。

 私は今、猛烈に感動している……!

 オッサンアーティストのライブではほとんど聞いたことがない「エル・オー・ブイ・イー!」という可愛らしいにもほどがあるコールに包まれながら、優しい顔で歌うISSA。

 そして笑顔がキラッキラでキャラクターの濃い6人、DAICHI、KENZO、TOMO、KIMI、YORI、U-YEAH。速攻で公式サイトに飛んでいき、メンバーの名前をチェケラッチョしたくらいだ。

 ヤダもう全員イケてる(惚)! フィーリングーッ!

子どもが泣きやむ
Joyfulなメロディー

 この興奮をどう書けばよいのか。思いあぐねているうちに時は過ぎ、彼らは私を置き去りにしてサッサと人気者になっていった。今では中年層はもちろんティーンネイジャーのハートもガッチリ。大人も子どもも共感の好きっ好きっPower大爆発である。

 知り合いの3歳のチビッ子ちゃんなどは、「アメリカ! アメリカ!」とこの曲をおねだりし、サビの「カモンベイビー・アメリカ!」を聴くだけで愚図りがピタリと止まるのだそうだ。それどころか、今では「アメリカのトランプ大統領が……」というニュースにすら反応するというではないか。

 彼女以外にも「U.S.A.」に助けられたというママさんは多く、今じゃ保育園でこの曲が流れているそうな。

 本当にベイビーがカモンしてしまった「U.S.A.」。こんなにストレートに歌詞が効力を発揮した曲が他にあるだろうか。


育児にお困りのママさんたちに大人気で、CD化までされた「タケモトピアノCMソング」(財津一郎&タケモット)。発作的にCDを購入してしまったが、内容は30秒のCMソングが30分延々くり返されるという、チビッ子にとっては天国、おとなにとっては地獄の構成。聴いたが最後、エンドレスで「ピアノ売ってちょうだい~」攻撃にあうのかと思うと、なかなか覚悟が決まらずまだ一度も聴けていない。

 赤ちゃんがピタリと泣き止むとして有名な曲としては、ピアノ買取専門の「タケモトピアノ」のCM(関西・中部ローカル)がよく知られている。財津一郎が歌う「ピアノ売ってぇーちょうだい~♪」のメロディーが幼子の愚図り泣きに効くらしい。

 これは財津一郎の声の周波数が関係している云々、という説があるが、私は彼の青空のようなハイテンションも大いに関係していると信じている。

 このままだとなにやら話が財津一郎に逸れていきそうなので、次は「U.S.A.」と「合いの手」の関係について語らせていただくことにしよう。


財津一郎さんの澄みきった声とニカーッと音が出そうな笑顔は本当にステキだ。財津一郎さんと財津和夫さんは遠い親戚なのだとか。ご先祖様もとても美声なのだろう。

忘年会の演目として考えているなら
今からレッスンを


プッチモニの4thシングル「ぴったりしたいX'mas!」。こちらは「エル・オー・ブイ・イー・ラブリー後藤!」というコールが歌詞カードにガッツリ載っている。「ファンも全員プッチモニのメンバー。さあ、君たちが歌わないとこの曲は成り立たないぞ!」とつんくが熱く煽っているようではないか。そして、この記事の著者校正数日前に吉澤ひとみがひき逃げで逮捕という情報が入った。本当に驚いた……。

「U.S.A.」のすごいところは、ナウいメロディーに懐かしワード満載の歌詞、ワールドクラスのキレキレダンス、ISSAのイカしたシンガソンという奇跡的トータルの美。そこに加えてハロヲタにより開発されたという「合いの手」が融合した点にある。

「エル・オー・ブイ・イー・ラブリーISSA!」

 ISSAもまさか40歳手前になって「ラブリー」と言われるとは想像もしていなかっただろう。

 そもそもこの「エル・オー・ブイ・イー・ラブリー」コールの第一発案者は誰なのだろう。「LOVE」という綴りを解体し、間奏のリズムに乗せることで「愛してる」と訴え、「ラブリー」を追加することで「あなたには愛される価値があるから!」と歌い手さんに自信を与える2段構え。本当によくできたコールである!


「あゝ無情」「六本木心中」「ラ・セゾン」には人間のカーニバル欲求を暴走させるサブリミナル効果が組み込まれているとしか思えない。これらがかかると、どれだけ疲れてフラフラでも両手を挙げ「フッフゥ~!」と雄叫びを上げてしまうからだ。恐るべし、アン・ルイス。

 この「U.S.A.」のヒットは、「合いの手ソング」を復活させるきっかけになる、とも予感している。実際、私はこれを聴いたあと、猛烈にアン・ルイスの「あゝ無情」、そして敏いとうとハッピー&ブルーの「星降る街角」が恋しくなった。嗚呼、「フワフワフワ!」と言いたい。「よるよるよるよる長い夜ッ!」と叫びたい……!

 年末のカラオケではこれらの楽曲が争奪戦となるだろう。まちがいない。


敏いとうとハッピー&ブルー『星降る街角 GOLDEN☆BEST』。白いスーツに身を包んだメンバーのホストチック・スマイルが素敵。コモエスタ・セニョール、という囁きが聞こえてきそうではないか! 大ヒット曲「星降る街角」以外にも、「あれも嘘なの」「あなた昔をありがとう」など、名曲がズラリ。ムード歌謡の底力を感じる一枚だ。

 しかし、「U.S.A.」には一つ難関がある。あのダンス。あれを軽く見てはいけない。

 部分部分は真似できるが、本気でマスターしようとすると死ぬ。というのも、私自身、すでに秋の営業カラオケでの披露を視野に入れ、

「ハイッ足上げて飛んで飛んでいいねいいいねいいねッ」

 と練習に励んでいるが、見るよりベリーベリーディフィカルト……。

 1番を踊り終わった時点で動悸息切れで立てなくなり、思わず救心を手に取った。ビリーズブートキャンプどころじゃねぇわ(汗)。これ踊りながら歌ってるISSA、超人かよ!

ショッピングモールという
最高の見せ場


ISSAといえば芸能界屈指のモテ男である。2012年には、当時AKB48のメンバーだった増田有華がISSA宅にお泊まりする模様が「週刊文春」にスクープされた。写真は周囲を警戒しながら帰宅するISSA。

 さて、現在は7人体制のDA PUMP。ダンスを得意とするイケメン男性グループが数多い中、そこから突出できた理由はもうご存知の通り、「ハイスキルをひたすらアピールする」のではなく、「ダサカッコよさ」を前面に押し出したからだ。

 これは私の勝手な想像だが、「U.S.A.」の一つ前のシングル「New Position」リリースの際に敢行したショッピングモールツアーが、彼らに大きな影響を与えたのではないだろうか。ファンだけでなく、買い物ついでの老若男女ファミリーが集まり、間近で彼らのパフォーマンスを楽しむのだ。オオバコでは決して体感できない生の反応と喜び。それを受け、

「次はオバチャンオッチャンも一緒にワイワイ乗れる楽曲にしたいなあ」

「ちっちゃい子も踊れる、ペンギンダンスみたいなの入れ込もうぜ!」

 とか、企画会議で盛り上がった……のかもしれない。

 そんな風に勝手に想像してニコニコしてしまうほど、「U.S.A.」を歌い踊るDA PUMPは全員幸せそうだ。舞台に立てる喜びを1秒1秒噛みしめ、観客と共有しようとする独特の笑顔がある。いやもう、どこまでもゴキゲンなグループだぜ……。

 結成から21年目。見事に再浮上した彼らから、ドリームの見方、インスパイアさせていただきます。紅白出場、決まってほしい!


田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。現在は「関西ウォーカー」で“Kansai Walkerで振り返る! 00年代の関西”連載中。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

文・撮影=田中 稲
写真=文藝春秋

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