2018/09/29 08:00

晴れの日も雨の日も退屈知らず! グランピングリゾート「星のや富士」

■星のや富士 (前篇)

 国内のみならず海外に至るまで、さまざまなロケーションに魅力的な施設を展開する星野リゾート。その星野リゾートが、今、特に力を入れているのが「ウェルネスな旅」です。

 この連載では、バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。

思い思いの時間を
森のなかで過ごす一日


丘陵の森にはさまざまな仕掛けが。敷地内には憧れのハンモックも!

 忙しい日常を離れたい! 仕事のことも忘れてリセットしたい! そう思ったときにふと出かけたくなるのが、豊かな自然がある環境。ストレスなく、快適に自然を楽しむのなら、旅先はグランピングリゾートがいい。


「キャビン」と呼ばれる客室は、1部屋1部屋が独立しプライバシーが保たれた設計。

 アウトドアを優雅に楽しむ「グランピング」という言葉もすっかり定着したこの頃。次々とグランピングをテーマにしたスポットがオープンしているが、その先駆けとなったのが、「星のや富士」だ。

 河口湖を見下ろすこのリゾートは、ただ豪華なアウトドア体験を提案するだけにとどまらない、四季折々の豊かな自然を生かした、日本ならではのグランピングを追求している。


河口湖駅から「星のや富士」まで車で約20分。レセプションで専用車に乗り換え客室へ向かう。

 標高約830メートルから約930メートルまで、高低差がある丘陵地に広がるリゾートは、まるで森のなかの隠れ家のよう。

 ゲストは河口湖畔のレセプションからスタッフが運転する専用のSUV車に乗り、客室へと向かう。しだいに深い森の奥へと入っていくこのワクワク感! 到着したばかりというのに、あっという間に日常が切り離されてゆくのを実感する。


白を基調にしたシンプルなインテリアとミニマムな設計が、眺めをいっそう美しくする。

「キャビン」と呼ばれる全40室の客室はすべて、河口湖に面した山肌に立つ。部屋の扉を開けると真っ先に視界に飛び込んでくるのは、一面の窓の向こうに広がる穏やかな湖面だ。テラスリビングに出れば、さらにこの絶景が独占できる。


ソファを置いたテラスリビングでは、湖畔の風を感じながら過ごせる。

 客室の面積の3分の1がテラスを占めるという大胆な設計は、「アウトドアが主役になるグランピングリゾートでは、客室に過剰な広さや設備は不要」という考え方から。床暖房やゆったりとくつろげるソファなどが整い快適でありながらも、大自然がすぐそこにあるのは、なかなかない環境だ。

いつしか心が自然に還る
森のなかのウッドデッキ


木漏れ日が映るウッドデッキで時間を忘れてリラックス。

「星のや富士」のメインステージは、キャビンよりも山上にあるクラウドテラスと呼ばれるエリアだ。ここには、早朝から夜まで焚き火が灯るラウンジと、丘陵地に沿って階層状に連なるウッドデッキ、自由に飲めるドリンクや本を用意したライブラリーカフェなどがある。


ライブラリーカフェには、自然に関連した小説やエッセイ、実用書が並ぶ。

 ウッドデッキで耳にするのは、サワサワという葉擦れの音や野鳥の鳴き声、パチパチと薪が燃える音。木漏れ日が美しい木々を仰ぎながら、ふと、「ここしばらく、空を見上げることなんてなかったなあ」と気づく。


ハーブやリキュールを使ってカクテル作りを楽しむ、夕食前のカクテルタイム。季節によってさまざまな仕掛けが用意されている。

 ここは、日常ではできないことを楽しむとっておきの場所。焚き火を囲んで語り合ったり、ハンモックでうたた寝をしたり、ゆったりとしたチェアに座って読書をしたり。

 朝のストレッチや午後のスイーツタイム、焚き火を囲んでお酒を飲むバータイムなど、時間帯によってさまざまな催しも行なわれているから、一日いても飽きることがない。



左:レセプションの壁に飾られたリュックサックから好きな色を選ぶ。
右:すると、グランピングアイテムを詰めて渡してくれる。

 クラウドテラスにはぜひ、チェックイン時に貸し出されるリュックサックを持参したい。中には、バードウォッチング用の双眼鏡や、夜の散策時に便利なヘッドランプ、季節によってスプレーやブランケット、持ち帰りができるオリジナルのドリンクボトルやおやつのビスコッティが詰められている。

 自分でアウトドア用のアイテムを用意しなくても済むのは、とてもラクチンだ。



左:キャビンに用意された可愛らしいレインウエアを着て、雨の日もクラウドテラスへ。
右:しっとりと濡れた木々の美しさに感動!

 アウトドアというと晴天を望むものだが、ここなら雨の日でも退屈知らず。

 暖炉のあるライブラリーカフェでは寒い日や雨天も暖かく過ごすことができるし、雨の音を聴きながらみずみずしい森の空気を吸う深呼吸、特別なウエルカムドリンクなど、雨天時のスペシャルなプログラムも充実している。キャビンに用意された長靴や傘、ダウンコートをまとって、積極的に外に出たくなるだろう。


寒い日も、焚き火にあたって焼きマシュマロを頬張れば気分はあったか。

季節により味わいを変える
極上のジビエ


旬の野菜や果物と合わせるジビエは「星のや富士」の名物。

 グランピングリゾートの食事と聞くと、ワイルドなものを想像する。その期待を裏切らず、かつ、繊細な味を楽しませてくれるのが、ジビエを目の前のダッチオーブンで焼き上げる狩猟肉ディナーだ。



左:鹿のリエットとドライフルーツ。
右:鹿と夏野菜のロースト・ブルーベリーソース。料理は季節により変わる。

 ジビエは秋の味覚というイメージがあるが、近年、農作物を荒らす鹿や猪が増える河口湖周辺では狩猟が活発になり、年間を通して食べられる。

 ジビエとひとくちにいっても、季節によって狩猟肉の味が異なるのが面白い。夏は鹿や猪にとっての食糧が豊富にあるため旨みが増し、冬は木の皮やもみがらなどを食べるため身が引き締まるのだという。


鹿レバーのリゾットは想像以上に優しい味わい。

 ジビエが苦手な人も、ここで食べれば固定観念が覆されるはず。腕利きの猟師がしとめた後に素早く処理をした狩猟肉はとても新鮮で臭みがない。旬の野菜やフルーツを使って料理された大地の恵みは、食べるほどに、森に対して感謝の気持ちが湧いてくる。



左:目の前で燻製しながら料理を仕上げることも。
右:ワインは山梨県産を豊富に用意。

 ヘルシーで味わい深いジビエに山梨県産ワインを合わせれば、たっぷりと地元の山の幸を満喫できるだろう。ディナーはこのほか、メインのステーキを中央のグリルで豪快に焼き上げる屋内のダイニング、キャビンのテラスリビングで楽しむルームサービスがある。


モーニングボックスの中身は、スキレットで焼き上げたスパニッシュオムレツ、ダッチオーブンで焼いたパン、グリル料理など。保温ポットにスープが入っているのも、グランピング気分を盛り上げてくれる。

 朝食のスタイルも何通りかあるが、のんびりと特別な朝を楽しむのなら、モーニングボックスが届けられるルームサービスを。バスフィッシングが盛んな河口湖にちなみ、釣具を入れるタックルボックスを模した木箱が使われている。天気がいい日は、テラスリビングで朝の風を感じながら食べるのも気持ちがいい。


朝のクラウドテラスはより爽やか。野鳥の鳴き声に気持ちのいい一日のスタート。

 まだまだ自然が恋しければ、朝食の後は、クラウドテラスへ。

 針葉樹や広葉樹、ハーブの香りを感じながら散策をしたり、ライブラリーカフェでコーヒーを飲んだり、朝の爽やかな空気を吸うストレッチに参加したり。日常に戻る前のひとときを、あますところなく楽しんでおきたい。

星のや富士

所在地 山梨県南都留郡富士河口湖町大石1408
電話番号 0570-073-066(星のや総合予約)
https://hoshinoya.com/


芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵

今日の運勢

おひつじ座

全体運

人を仕切る立場にたちやすい日。でも自分は表に出ないほうが吉...もっと見る >