2018/09/30 15:00

カステラそっくりの外観が目印! 西宮・鳴尾の優しい手作りパン屋さん

 阪神電車の鳴尾駅から南へ徒歩9分余り。閑静な住宅街で一際目立つ卵色をした建物。外壁には笑顔が描かれた家型のマークと「Studio Sajinoie」のロゴ。佐治まゆみさんが営むパンと手作りスイーツのお店「Sajipan(サジパン) 販売所&カフゑ」です。


販売所の窓口でパンが買えます。

 木のドアの横には、対面販売の窓口。

「子供連れのお母さんが、荷物を持ったままトングとトレイでパンを選ぶのはとてもたいへん。手はつなげないし、子供がパンを触ったりしないかとヒヤヒヤするし。対面式で、ササッと買えたらうれしいだろうと思って」

 2児の母親でもある佐治さんの細やかな気遣いがお店の造りにも表れています。

 常時15~20種類の見本から、ガラス越しに子供と一緒にあれこれ選んでパンを購入。そのためにショーケースの高さを子供の目線と同じにしているのだそう。犬の散歩の途中に立ち寄ったり、自転車を停めて手早くパンを買って帰ったりする常連客も多い。


パンのラインナップ。子供の目線の高さに合わせてパンが並んでいます。

 佐治さんは、西宮市出身。専業主婦でしたが、2010年から自宅や集会所などでパン教室を始めました。

「ここは、私が生まれ育った場所。祖父母が残してくれた土地を活用したいと思って、パンの販売所とカフェ、教室とフリーに使えるスタジオにし、Studio Sajinoie(スタジオ サジノイエ)として2017年に開業しました」


パンを作る佐治まゆみさん。

 2階のイートインカフェスペースは17席。小さな子供がぶつけても大きなけがのないようにと、角を丸くしたオーダー家具がゆったりと配されています。ドアを開けて靴を脱いでからオーダーして2階へ持って上がる、気取りのないセルフスタイル。


広々した2階のカフェスペース。

「お客様にいらっしゃいませ! とお声がけすると、おじゃまします! という方が大半。自分の実家やお友達のお家のように寛いでほしい」と佐治さんはにっこり。

 ドリンクを注文してパンをゆっくり味わうことができます。自家製のジェラートやプリン、ランチセットもあります。

 1階奥には、家庭用電気オーブン6台、発酵機3台完備のキッチンスタジオがあり、佐治さんのパン教室が開かれます。3階のサロンスタジオは、ヨガ、ベビーマッサージ、オカリナ、お料理など、様々な教室や集まりの場として利用されています。

お客の要望を聞いて
次々に新しいパンを開発


取材日のパン色々。

 パンは常時15~20種余り。石川県「食パンのtonton」の生地を取り寄せて使用しています。

「パンが好きであちこち出かけ、年間120店回って食べたこともあります。そんな中で知ったtontonさんの、卵・乳製品・白砂糖不使用の食パンがとてもおいしくて、毎年、わざわざ買いに行っていたほど。その生地を使えば、深夜や早朝に作業する必要がない。こねなくていいんです。子育て世代の女性だけでもおいしいパン作りができると考えました」と佐治さん。

 お客の要望を聞いて、次々に新しいパンを開発。100種類にもなっているそう。


「食パン」1斤360円。左「プレーン」、右「玄米」。

焼きたての食パン。

 おやつにぴったりなのが、一番人気の「ふわチョコ」。表面はパリッ、中はふんわり。チョコの風味が口いっぱいに広がります。

「松原さんとこのあんパン」は、定評のある神戸市の「松原製餡所」の餡を使用。粒餡と生地のバランスが絶妙。上品な甘さです。


上から時計回りに「ふわチョコ」200円、「松原さんとこのあんパン」180円、「シュガートップ」100円。

「シュガートップ」は、「100円で買える甘いパンがほしい」というリクエストに応えて誕生した商品。プレーンの他、抹茶、きなこもあります。ほんのり優しい甘みで、女子大生に人気だとか。

 甘くないパンで人気があるのが「くるみゴロゴロ」。大きなクルミがいっぱい入っていて、コリコリした食感が楽しい。香ばしく、クセになる一品です。


上から時計回りに「くるみゴロゴロ」180円、「玄米塩バター」140円、「玄米パン」2個160円。

「玄米パン」は、生地に玄米を加えた、柔らかで食べやすいパン。噛むうちに優しい甘みが広がります。あんバター、パインとクリームチーズなどをサンドしたり、卵やツナのサンドイッチにしたりすることも。

「玄米塩バター」は、フランス産発酵バターを包み込み、表面にゲランドの塩をパラリ。玄米パンと同じ生地ですが、バターの風味で全く異なる印象。カリッとした食感も楽しい。

 シュレッドチーズを使ったパンも色々な種類があります。生地は玄米入り。シンプルな「玄米チーズ」は、ふんわりしていますが、もちゃっとせず歯切れがいい。


左上から時計回りに「ポテチーズ」180円、「ツナチーズ」180円、「ハムチーズ」180円、「玄米チーズ」100円。

 ロースハムをくるくる巻いて入れた「ハムチーズ」、北海道産ジャガイモ、ベーコンをマヨネーズで和えて入れた「ポテチーズ」。マヨネーズで和えて塩、コショウで味付けたツナ入りの「ツナチーズ」。どれも旨みたっぷりで、小腹がすいた時にパクッと食べたくなる。

「カフェでは、パンはリベイクして(温め直し)召し上がっていただいています」

 焼きたての香りを楽しみながら、ゆっくり過ごせます。

 ソフトな食感で口溶けのよい食パンは、きめが細かいプレーンと、もっちり甘みが強い玄米入りの2種類。カフェでは、サンドイッチで味わえます。

「MIXサンドセット」は、注文があってから作られ、ふんわり、歯切れの良い生地のおいしさを堪能できます。


「MIXサンドセット」880円。玉子サンド、レタス×ハムサンド。セットには、ヨーグルトとコーヒーか紅茶のドリンクが付く。

 11時から14時までのランチタイムには「今週のSajipanランチ」、週替わりの「スープセット」も。

スイーツも魅力

 カフェのスイーツも魅力。「ジェラート」はラッテ(ミルク)味、紅茶味、モカ味、マンゴーミルク味など、専用のマシンで作る自家製。なめらかで、口溶けも後口も良くて、食べ飽きません。刺してあるラスクが、カリッとした食感で、香ばしくおいしい。


「ジェラートセット」680円~。ラッテ(ミルク)、紅茶、モカ、マンゴーミルク味。好きなドリンクとのセットで50円引き。

ジェラートには食パンの耳のラスク付き。

「Sajiプリン」は、ちょっと大きめサイズ。淡路島牛乳、卵、砂糖だけを使った、シンプルな懐かしい味わいです。


人気の「Sajiプリン」250円。

「パン粉を使ったおいしいクッキーも開発中なんですよ」。まだまだ色々なおやつが登場しそう。楽しみです。

「買う、食べる、作る、学ぶがお店のコンセプト。実は、建物は祖母が大好きだったカステラの形なんです。祖母はお友達とおしゃべりしてお茶するのが大好きでした。ここで、ゆっくりパンとお茶を楽しんでいただけたら」


カステラをイメージした建物。

 今年の夏休み期間には、駐輪スペースを使って、金魚すくいのイベントを開催。住宅街の憩いの場となっているよう。母の味のパンと手作りスイーツに、皆、ほっこり。

Sajipan(サジパン) 販売所&カフゑ

所在地 兵庫県西宮市鳴尾町2-18-4
電話番号 090-6325-3232
https://www.sajipan.com/


宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

文・撮影=そおだよおこ

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