2018/10/04 18:00

「おっさんずラブ」で話題の女優 伊藤修子が愛する濃厚マンゴープリン

「おっさんずラブ」の“マイマイ”こと瀬川舞香役でさらなる注目を浴びた女優・コメディエンヌの伊藤修子さんは、大の香港好きとしても知られています。この連載コラムでは、東京で味わえる香港グルメ、偏愛してやまない香港映画、そして香港を訪れた時の思い出などを綴ります。


◆私の愛する東京の香港グルメ

香港時間[板橋・大山]


今回、伊藤さんが訪れたのは、都内ではまだ珍しい香港スイーツ専門店の「香港時間」。

 前回に引き続き、東京で味わえるお気に入りの香港グルメをご紹介します! 今回は、板橋区大山にある香港スイーツ専門店「香港時間」さんです。

 近年、台湾系のスイーツ専門店はずいぶん増えてきているように思えますが、香港系はまだまだ店舗が少ないのが残念なところ。

 その中でも自信を持ってオススメできるのが、こちらのお店です。たくさんのメニューの中から、わたしが好きなメニューをいくつかご紹介します!


楊枝甘露(ヨンジーガムロ) 580円(税込)。通称は「マンゴータピオカ」。

 まずは、夏季限定の「楊枝甘露」です。

 オーダーをしてからミキサーにかけてくれるフレッシュなマンゴー果肉のピューレに、グレープフルーツ・角切りマンゴー・タピオカが入っており、上にはココナッツミルクがかかり層になっていて、コントラストも見目麗しいです。

 マンゴーの甘みとグレープフルーツの甘酸っぱさ、ココナッツミルクの穏やかな味わいのバランスが絶妙で、キンと冷えた甘すぎない爽やかさにやみつきです。後味もすっきりしていて、まさに夏にぴったりのスイーツです!


楊枝甘露をゴクゴク一気飲みする伊藤さん。取材時はとても暑い日でした!

 初めてひとりで香港へ行ったときは、飲食店に入る勇気がなく、街中をウロウロしていたのですが、途中で暑さと空腹に耐えられなくなり、限界ギリギリでやっと入ったお店で食べたのが、この「楊枝甘露」でした。

 暑くて疲れきった身体に、フレッシュでヒンヤリしたマンゴーの甘みが染み渡り、まさに生き返るような気持ちでした!

 そのつらかった思い出に加速させられたかもしれませんが、それ以来、この味わいを異様に気に入ってしまい、レシピを調べて自宅でも作ってみたほどです。また、香港に行く際は、毎度必ず1回はいただくようになりました。


「おかわりしちゃいました!(笑)」と満面の笑みを浮かべる伊藤さん。

 本当は通年でいただきたいぐらい大好きなメニューなので、夏季限定の提供は正直残念です(笑)。2018年は9月30日(日)で終了してしまいましたが、既にもう来年の夏が待ちきれません!


ハート型がかわいいマンゴープリン 580円(税込)。

 こちらの「マンゴープリン」は、ジュースやソースなどは使用せず、マンゴーの果肉のみを毎朝丁寧にピューレして作っているとのこと。非常に手間暇をかけた一品ゆえに、1日限定10個までの販売だそうです。


別添の無糖練乳をかけて。

 濃厚なマンゴープリンはそのまま食べても十分に美味しいのですが、別添の無糖練乳をかけていただきますと、マイルドさが加わってペロリ完食です!

 ごろりと入った果肉の存在感も満足度を高めてくれます。お店が自慢のメニューとオススメしているのも非常に納得です。※2018年のマンゴープリン提供は10月まで

豆腐のデザートや
定番のエッグタルトも絶品


豆腐花[プレーン]420円(税込)。

「豆腐花(トウフファー)」は、香港で人気の豆腐のデザートです。

 絹豆腐をさらに滑らかにしたような食感で、味は完全に豆腐なのですが、甘い蜜やシロップをかけていただくので、“デザート”として親しまれています。

 こちらのお店では、甘さ控え目のシロップをかけたプレーンタイプのものと、更にその上に赤砂糖をかけたタイプのものがあります。


「これ、いくらでもいけちゃう!」と伊藤さん。赤砂糖がかかったものより、プレーンの方がお好みとのことでした。

 私は冷たい豆腐花しか食べたことがありませんが、冬場には温かい豆腐花もあるそうなので、今度試してみようと思います!

 最後に、こちらのお店の名物「香港時間セット(香港ミルクティーと香港エッグタルトのセット)」をご紹介します。


香港時間セット 500円(税込)。テイクアウトもできます。

 定番スイーツ「香港エッグタルト」は、外側がクッキーのようにサクサクとして、内側はプルッとしたプリンのような食感です。店内で焼き上げているため、いつでも出来たてのエッグタルトを味わえます!

 またこのエッグタルトには、香り高さと濃厚な味が特長の「香港ミルクティー」がとてもよく合います。

 店主のビクターさんがお店で使っている茶葉を見せてくださいましたが、茶葉を細かく挽くことで更に濃い紅茶を煮出すことができるそうです。

 この香港ミルクティーの贅沢な味わいを出すために、長い年月をかけてたくさんの改良を重ねてこられたとのこと。

 しかも、氷までもがミルクティーで出来ているため、時間が経って氷が溶けても味が薄まらないという、素晴らしいアイデアが詰まった一品で、こちらのお店に来たら必ずやいただきたいメニューのひとつです!


イケメン店主のビクターさんと、香港スイーツの話で盛り上がる伊藤さん。香港ミルクティーやエッグタルトへのこだわりなどをお話しされていました。

 また店内では素敵な香港雑貨も販売していて、ついつい財布の紐が緩みがちに(笑)。以前こちらでミニバスの看板を作っている会社のキーホルダーを買ったことがあります。

 ゆったりとお茶をしたあとに、手に取ってみられてはいかがでしょうか。



香港雑貨コーナー(左)と繁体字で書かれたメニューコーナー(右)。東京のお店とは思えない、異国情緒に溢れています。

可愛らしい香港雑貨に釘付けの伊藤さん。この後、ミルクティーカップ形のかわいいメモ帳をお買い上げ!


香港時間

所在地 東京都板橋区大山町36-6 守屋ビル1F
電話番号 090-5803-8667
営業時間 11:00~18:30 ※売り切れ次第終了
定休日 火~木曜(祝日の場合は営業)
Twitter @hongkongmoment

 次ページからは、私のお気に入りの香港スターや香港映画についてご紹介します!

◆私の愛する香港スター

ディーン・セキを知っていますか?


『滑稽時代』のDVDジャケットより、チャップリンの扮装をしたディーン・セキ。

 香港映画といっても、お洒落なアート系映画好きな方には本当にごめんなさいのページです(笑)。今回は、ディーン・セキとオススメの出演作についてです。

ディーン・セキ(Dean Shek)/石天

1950年中国北京生まれ、幼少の頃に家族で香港に移住。中学卒業後ショウ・ブラザースの南国実験劇団に入る。その後ショウ・ブラザースと俳優の専属契約を結び『追魂鏢』(68)でデビュー、『小煞星』(70)、『憤怒青年』(73)など多数の作品に出演。ショウ・ブラザースを離れたあとは『Mr.Boo! ギャンブル大将』(74)などに出演。ジャッキー・チェンの『スネーキーモンキー 蛇拳』(77)、『ドランクモンキー 酔拳』(78)などのコメディー路線カンフー映画で人気コメディー俳優に。80年、新藝城電影公司(シネマ・シティ)を設立し、『滑稽時代』(80)、『真実の愛』(81)などに主演。またプロデューサー業でも手腕を発揮し、『悪漢探偵』(82)が香港映画史上大ヒットの興収記録を樹立、以後もヒット作を量産する。俳優としての仕事は『レイド』(91)で一段落。その翌年にプロデュース作品が公開され、映画界を引退、実業家に転身。

 今回は、特にお気に入りのディーン・セキ出演3作品をご紹介します。


#01
『燃えよデブゴン2 正義への招待拳』
(原題『鹹魚番生』)
●80年製作/日本未公開


 賞金目当てのヒョー・ロリン(ディーン・セキ)と貧しい者を助ける正義の義賊、一枝花(ウー・マ)に憧れる偽の一枝花、プー・チャン(サモ・ハン・キンポー)が本物を探しに出るものの、憧れのヒーロー、一枝花は追手の殺し屋におびえて暮らすだけの弱々しい老人に落ちぶれ果てており……。

 カール・マッカ監督・出演、レイモンド・ウォン脚本で心強い仲間とガッチリ組んでいるからか、お得意の顔芸といい、ディーン・セキの良さが前面に出ております。

 落ちぶれ果てた一枝花を鍛え直し殺し屋と死闘を繰り広げるラストでは、弱そうなのにかなりの身体能力で派手に転がり回り、最終的にフラフラになって人形を人だと思って闘います(笑)。

 サモ・ハンの強烈な女装(笑)や超絶アクションも冴えわたりますが、ディーン・セキも負けじとコメディー俳優の本領発揮です!

#02
『カンニング・モンキー 天中拳』
(原題『一招半式闖江湖』)
78年製作/83年日本公開


 何をやっても半人前の青年、江(ジャッキー・チェン)が秘薬「活人丸」「反魂丹」をめぐって悪党の争いに巻き込まれながら次第に一人前のカンフー使いに成長、最後はバラバラに散らばった武術書を拾い読みしながら悪党を倒していきます。

 ディーン・セキの役どころは、ときどきフラリと現れては「ツッパリハイスクール」「一本でも人参」「友達の輪」など珍妙な技をジャッキーに伝授していく謎の男、屁っこき風太郎(笑)。

 しかし実はこの男が師匠の一番弟子と分かるあたりから、長髪で汚い格好で怪しさ全開だった屁っこき風太郎も俄然かっこよく見えてきます!

 最後の悪党を一網打尽にするシーンではジャッキーとのコンビネーションもバッチリの大活躍! ほかのジャッキー作品にも多数出演しているディーン・セキですが、おなじみの意地悪な師範代役よりもこの役が一番良いのではないでしょうか。

#03
『男たちの挽歌II』
(原題『英雄本色II』)
87年製作/89年日本公開


 ツイ・ハーク製作、ジョン・ウー監督のコンビで大ヒットした香港ノワール映画の続編です。

 服役中のホー(ティ・ロン)は偽札偽造組織の撲滅のため、10年前に組織から引退したかつての師、ルン(ディーン・セキ)の内偵に協力することになるが、警官で弟のキット(レスリー・チャン)も同時期に組織に潜入捜査しており……。

 ルンは組織から足を洗いカタギとして生きていこうとしているだけなのに、部下のコーに裏切られ、娘を殺され、避難先のニューヨークではコーの雇った殺し屋に教会を銃撃され、友人の神父も死亡、拘束衣を着せられ精神病院に収容され……と散々です。

 キットが殉職し、復讐に燃えるホー、ケン、ルンの3人が前作をはるかに超える夥しい量の銃弾、手榴弾、血しぶきの戦いになだれこんで行き、派手にドンパチします。この作品では、ディーン・セキもお得意の顔芸やコメディー演技は完全封印です!


 比較的有名な3作品をご紹介しましたが、そのほか、『香港スワット 野獣たちの陰謀』(86)でのサングラスのあやしげな鬼教官役でも抜群の存在感を発揮していますし、往年の喜劇王チャップリンにオマージュを捧げた、シネマ・シティ第一作『滑稽時代』(80)では、ホームレスに扮したディーン・セキが驚異的なパントマイムを繰り広げます。

 シネマ・シティはディーン・セキ、カール・マッカ、レイモンド・ウォン、ツイ・ハーク、エリック・ツァン、テディ・ロビン、ナンサン・シーなど、なんでもこなせる才人集団でもありました。会社自体はその後さまざまな要因で終息しますが、その現代的で新しい作風は香港映画に新しい流れを作るきっかけにもなりました。

 もう映画には二度と出ないのかと思われたディーン・セキですが、なんと引退からかなりの年数が経ってから、サモ・ハンの『おじいちゃんはデブゴン』(2016)にカール・マッカ、ツイ・ハークと揃って出演!

 海外版のDVDが発売されたときは、早速取り寄せて観ていましたが、その後日本でも遅れて公開が決まり、新宿武蔵野館に走りました(笑)。また新しい映画で姿をお見かけしたいものです!

◆私の香港旅日記

オタク雑居ビルに足を運ぶ


香港に思いを馳せる(?)伊藤さん。「香港時間」前にて。

「そんなにしょっちゅう香港に行って何をしているの?」と聞かれることが多いのですが、特別なことはしていません。香港映画のDVDを探して歩いたり、古びた喫茶店に行ったりします。実は東京にいても、同じようなことをしているので、日常とそんなに違いはないのかもしれません。

 ただ、香港にいる間は、気分のまま、思いつくままに色々な場所に足を運びたいので、他の方に気を遣わない単独行動に限ります! もし気の短い方と同行したら怒られてしまいそうですからね(笑)。

 香港にいる間は、常に香港映画のDVDに目を光らせています。最近は大手の店舗の品揃えが縮小されてしまい、路地裏や穴場の店舗に注目しています。「信和中心」というあやしげなオタク雑居ビルにもよく足を運んでいます。


オタクの聖地と言われている「信和中心」の内部。

 先日、「信和中心」で1枚VCDを買ったら、「お時間あったら別の階にも店舗があるので見て行ってください」というような意味合いのことを店員さんが言ってくださいました。少しは広東語を勉強した甲斐があり、耳よりな情報を得ました。

 また、早朝5時前に香港に到着する便に乗ったとき、空港で時間を潰すのも味気ないので、始発に乗り込み、香港島西部のケネディタウンで早朝から営業している“街市”とよばれる市場に行ってみました。

 ケネディタウン駅に到着し外に出ると、駅前に独特の臭気を発するビルがありました。どうやらそのビルが街市のようで、おそるおそるエスカレーターを上がると、野菜や肉を売っている商店が並んでいました。


ケネディタウンの街市。

 この街市の中で、薄手で木綿の肌着を売っているという情報を得ていたので探してみると、まだ開店準備中。諦めきれず近くをウロウロしていると、店員のおばさんに声をかけられ、買うことができました!

 ちょうど良いサイズがあるかを尋ねたのですが残念ながら欠品で、半ば強引にワンサイズ上でも大差ないと店員のおばさんに押し切られました。せっかくでしたので3着買って帰りましたが、サイズはやはり大きかったです(笑)。それでも本当にサラリとした着心地なので猛暑の寝巻に重宝しています。


ケネディタウンの街市で買った肌着。

 他にお土産ものを探すときは、香港大学の売店によく行きます。オシャレなTシャツや文房具などが売っているのでよくチェックしています。英語も通じない怪しげな雑居ビルとは違って、上品な安心感も漂っています。

 今までも色々な場所に足を運んではいますが、次はどんなところに行ってみようか、と常日頃考えています。

 最近は、バスでの移動に少々慣れてきて、中環(セントラル)からバスに乗って赤柱(スタンレー)にも行ってみました。赤柱は香港島南部の小さな海辺の街です。


赤柱の海辺の風景。

 赤柱の刺繍製品を販売する店では、山積みになっていたブラウスについて、詳しく日本語で説明してくれました。日焼けやシミがあるものは50ドル(日本円で700円程度)と、かなりのお買い得でした。

 もともと海外でバスに乗るのは苦手でしたが、何事もチャレンジしてみると良いことがあるものですね。手芸市なども年に数回あるらしいので、そちらも興味津々です!

 また、最近一番気になっているのが、“生写真屋”というお店がまだ香港に存在するのかどうか、です。何年も前にほぼ絶滅したと言われているのですが、次に行ったらぜひとも調査をしてみたいです。

 美大の学生の頃、映像学科の友人が香港へ旅行に行った話を聞くと、観光地などはそっちのけで、生写真屋でジャッキー(・チェン)の写真を買い漁った話をしていて、とても羨ましく思ったことがあります。その当時はちょうど香港返還の前後で、あぁその頃に行っていればよかった、と今では後悔しています。

 ただ、日本にも有名なブロマイド屋がまだあるのだから、香港にも一軒くらいはまだあるのでは? と睨んでいるので、どこかで良いご報告ができたらなと考えています!


伊藤修子(いとう しゅうこ)

女優、コメディエンヌ。1977年神奈川県生まれのA型。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。趣味は編物、喫茶店巡り、散策、70~80年代香港映画鑑賞など。99年より劇団「拙者ムニエル」に所属し、全作品に出演。2009年よりよしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。主な出演作品は、NHK大河ドラマ「平清盛」(12)、KTV「お義父さんと呼ばせて」(16)、CX「Chef~三ツ星の給食」(16)、CX「セシルのもくろみ」(17)、EX「おっさんずラブ」(18)など。10月6日(土) 23:40スタート「結婚相手は抽選で」(東海テレビ・CX系全国ネット)に出演。

文・撮影=伊藤修子
撮影=佐藤 亘

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