2018/11/26 18:00

ぺルー料理もワインフェスも堪能 最新の香港・セントラルが楽しい!

 世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第195回は、大沢さつきさんが、2018年の香港を存分に楽しみます。


最新と昔ながらの香港が渾然一体


絵になる石畳の坂道ポッティンジャー・ストリート。カラフルで、ニギニギしくって楽しくてインスタ映えする通り。

 日本から近くて、おいしいものがたくさんあり、ショッピングも楽しめ、さらにはインスタ映えする場所がたくさんある「香港」。

 その人気デスティネーション香港で、いまもっともホットなのが中環=セントラル地区。とくに「オールドタウン・セントラル」と呼ばれるエリアは東洋と西洋・レトロとモダンがミックスした、まさに香港らしい醍醐味にあふれてる。

 2018年夏にオープンしたアートスポット「大館(タイクン)」はその筆頭。19世紀に建てられた歴史的な建造物をリノベートし、香港の歴史と文化とアートの発信地として多くの人を集め、話題のレストランやバーにも事欠かない。


1919年に完成した旧警察署本部。正面はネオクラシックなデザインだが、南面は古典主義建築。

 大館のメインの建物は「旧セントラル警察署」「セントラル裁判所」「ビクトリア刑務所」だが、敷地内には16もの歴史的建造物がある。

 建物の中は当時の様子が伝わるような展示があるかと思えば、「ヴィヴィアン・タム」など人気のブランドショップやカフェ、レストランなどが多数入っていて、とにかく飽きない。


大館にはレストランやカフェが相当数あるので、そこに入るか悩むのだが…香港在住ライターで食に詳しい甲斐美也子さんおすすめは、「Old Bailey(オールドベイリー)」。おいしい江南料理が食べられる(写真はオールドベイリーとは別のカフェ)。

 敷地内にあるコンテンポラリーアートを扱う美術館とホールの建物は新しいビルで、東京・青山のプラダビルの設計でも知られるヘルツォーク&ド・ムーロンが設計。19世紀の建物との調和を保ちながらのコントラストの妙も楽しめる。

 もちろん刑務所の監房の雰囲気を味わいたければ、元監房に置かれたベンチに座ってみることもできるのでどうぞ。



分厚い壁と鉄格子、建物上部には鉄条網と、刑務所の雰囲気がムンムン漂う。

大館(タイクン/Tai kwun)

所在地 10 Hollywood Road, central
電話番号 3559-2600
https://www.taikwun.hk/en/

世界の食が香港にあり

 大館から歩いて5分のところには、2018年春にオープンした“アートとライフスタイル”の「H QUEEN’S」ビルがあり、国内外の有名ギャラリーがずらりと入っている。

 そしていまこのビルには、香港でもっとも話題のペルー料理の店「ICHU(イチュウ)」も、秋にオープン。香港グルメたちが殺到している。


レストランは開放的だが濃密で……。カジュアルだが情熱的な雰囲気。

 南米No.1シェフのヴィルジリオ・マルティネスの店イチュウは、世界のベストレストラン5位の「Central(セントラル)」の姉妹店。イチュウを切り盛りするシェフのサン・ジオンもセントラルに3年いて、今回、香港の店を任されることになった。

「世界におけるペルー料理の躍進ぶりを見て、その理由を知りたいと思ったんだ。それがわかれば、韓国料理にも応用できるんじゃないかって」。セントラルで修業をはじめた理由をシェフのサン・ジオンが話してくれた。


「パルゴ・アル・ロコト」は鯛とセロリ、アスパラガス、アボカドなどを使った一品で、ロコトは南米アンデスで採れる唐辛子の一種。伝統的な調理法をモダンなプレゼンテーションで仕上げたもの。160香港ドル。

 イチュウは“セビチェリア(ペルーの国民的な料理セビーチェをはじめとする魚料理をカジュアルに食べられる店)”の雰囲気がコンセプト。大皿料理をみんなでシェアしてわいわい食べる感じを目指してる。

 “気取ってない”と“おいしい”は、アジアにも大いに受け入れられるスタイルなので、このレストラン、ますます人気沸騰の予感です。


セビーチェの「クラシコ」。鯛とレッドオニオン、スイートポテト、ジャイアントコーンなどの食材をフレッシュライムのジュースにジンジャー、コリアンダー、ガーリック、ペルーのチリで和えたもの。ささっとつくれるが、味が安定しないので、ランチ用とディナー用に日に2度つくってサーブされる。150香港ドル。

人気カクテルの「エスピノーゾ」はテキーラベースで、アロエやサボテンのお茶、アーティチョークなどの入ったもの! ドライアイスのもくもくもは雰囲気づくりなのだそうな。130香港ドル。

 オープンして1カ月。韓国人シェフ サン・ジオンも試行錯誤の日々だったかと。ペルー料理を香港に浸透させること。食材を確保すること……手がけることはたくさんあると思うが、そこはアジアのラティーノ。真剣な表情にもときおり笑顔が見えてチャーミングだった。


「アマゾンの魚」にソースをかけるシェフ。熱帯雨林で採れるトマトのソースとバナナの葉で包んで焼くのがポイントの料理とか。ジャイアントコーンがたくさん入っていて、この一品も美味しかった。魚はスズキ。420香港ドル。

ICHU(イチュウ)

所在地 3F H Queen’s Building, 80 Queen’s Road, Central
電話番号 2477-7717
http://ichu.com.hk/

 そして香港に行くからには、やはりおいしい中華が外せない。新旧とりまぜて食通を唸らせる名店がしのぎを削っているが……。


インジークラブはシックでお洒落な空間。ランチなら380香港ドルでデザートをふくめた5品の料理が楽しめて、予約も比較的取りやすい。

 今回は、やはりセントラルにある新店「Ying Jee Club(インジークラブ)」をご紹介。

 ここ、お店自体はミシュラン1ツ星なのだが、エグゼクティブシェフはこの10年で16もの星を獲得したレジェンド。インジークラブもオープン3カ月で1ツ星を獲得だから、スゴい。


点心メニューも揃っていて、通年の定番メニューに毎月、月の前後半でセレクションの変わるメニューが用意されている。写真はランチのデザート5種。

 雑味のない完璧に洗練された広東料理の印象。食べる側もエレガントになる、そんな気分にさせてくれる料理だった。

Ying Jee Club
(インジークラブ/営致会館)

所在地 107-108 Nexxus Building, 41 Connaught Road, Central
電話番号 2801-6882
http://yingjeeclub.hk/

注目エリアのど真ん中!
ロケーション最高のホテル


ブティックホテルのザ・ポッティンジャーはヨーロッパの雰囲気。シックでクリーミィなパステルカラーを選んでいるので、とてもエレガントな雰囲気だ。

 注目のアートシーンや食エリアに抜群の至便性を発揮するホテルが「ザ・ポッティンジャー香港」だ。なんとイチュウのあるビルの隣。大館やインジークラブにも歩いて5分という素晴らしさ。

 で、そんな便利な街中でうるさくないの? という心配も無用の防音体制。明るさを保つために窓は大きいのだが、かなりしっかり防音されている。


とにかく感じのよいスタッフ。レセプションもベルボーイもみんながコンシェルジュとなって、道案内や観光相談に乗ってくれる。

 で、このポッティンジャーは全68室のブティックホテルなので、とてもこぢんまりとしていて親近感あふれるサービス。道を聞けば通りに出て指を差しながらていねいに教えてくれるし、不安そうにしていれば「何かあったらココに電話して」と即座に名刺をくれる。

 香港の多くのホテル同様、このホテルにも部屋には通話フリーのスマホがあるので、たしかに何か不便なことがあったら電話するのもかんたんだ。


ウエスト・ミーツ・イーストの中国趣味な雰囲気をかもすロビーラウンジ。

 そして、各部屋にはアンティークが飾られ、50~60年代に活躍した香港の写真家ファン・ホーの写真も必ず掛けられている。

 これらはインテリアの一部なので、アートギャラリーのように主張はしていないけれど、アートや歴史、文化を慈しむ空気感がそこはかとなくホテル全体に漂っている。大館のアート感ともつながるレトロを愛する雰囲気があります。



各部屋さまざまなアンティークが飾られているが、こちらは一番広い「ポッティンジャースイート」のアンティーク。こんなものに囲まれて過ごしたら、気分が豊かになるね。

客室全体はシンプルなので、ベッドヘッドの壁紙や要所に置かれたアンティーク、古い写真がとてもなじむ。

 “昔ながらのアートを愛でる”ということでいえば、まさにセントラル全体がそうなわけで……。

 ホテル近くのキャットストリートも昔からつづくアンティークショップ街。ハリウッドロードを少し上って行けば、インスタ映えの名所「文武廟」につづく道の両脇には高級骨董店が軒を連ねてる。

 そしてもちろん、昔ながらのファストフードであるお粥屋さんも健在なわけで、やっぱり西洋も東洋も、モダンもレトロもごった煮な香港、オールド・セントラルは楽しい! ということになる。


ホテルのダイニングはイタリアン。経営は別だが、このホテルのビルには話題の日本人シェフの店「Ta Vie(旅)」もあり、食べるのに困らないどころか、選択肢がありすぎて悩ましいというロケーション。

The Pottinger Hong Kong
(ザ・ポッティンジャー香港)

所在地 21 Stanley Street, Central
電話番号 2308-3188
https://www.thepottinger.com/jp/

弾丸ツアーでも
一気に飲めて食べられるフェス


10周年の「ワイン&ダイン・フェスティバル」は、毎年、香港の人たちだけでなく、このフェスを目当ての観光客で賑わう。来年も楽しみだ。

 新旧文化注目のセントラルだが、グルメにはたまらない「ワイン&ダイン・フェスティバル」をご紹介。

 世界各国のワインをメインに、さまざまなお酒と食のブースが450以上もが集まり、10月下旬に開催されるものだ。今年で10周年を迎えたこのフェスは地元香港グルメにも人気で、年々スケールアップしている。


ハーバーフロントの会場の熱気で潮風が心地いい。今年は台湾をはじめ韓国、ヨーロッパ、南米からの「インターナショナルストリート・イート」のゾーンが加わって、各国のワインに合わせて堪能できた。

 特設の「グランド・ワイン・パビリオン」にはワイン評価で有名なパーカーポイント88点以上のワインがずらりと揃う。

 なんと最高額3,600香港ドル(約54,000円)! いちばん安くて900香港ドル(約13,500円)というヴィンテージワインが試飲できるのだ。


ボトルの下の数字がパーカーポイント。99点とかゴロゴロあるし! トークンは入場チケットにも含まれているが、足りなくなったら会場のあちこちにあるキャッシャーで購入する。

 さらには、海外のミシュランのスターシェフ5名と香港スターシェフ2名のコラボによる8コースのテイスティングメニューが食べられる。

 料理にはソムリエがペアリングした至高のワインが供され、たとえ弾丸で香港に行ったとしても、5軒のミシュランスター・レストランの味を堪能できるというもの。


こちらは高級ワインの揃う「グランド・ワイン・パビリオン」のエリア内にある中華ブースの料理。いろいろなものを食べるように、一品少量が基本。

 今年は「マンダリン オリエンタル 香港」から、世界的シェフのピエール・ガニェール。シンガポールの「四川飯店」から陳健太郎シェフも招待された。

 ちなみに陳シェフの料理は「牛肉のマッシュルーム添え四川ソース」で、アルザックのワインをペアリングして2品めに登場。この後もなんとも贅沢な宴がつづいた。

CCB(Asia)香港ワイン&ダイン・フェスティバル

会場 香港島 セントラル・ハーバーフロント・イベントスペース&タマール公園
所在地 Central, Herbourfront, Event Space & Tamar Park, Hong Kong Island

【日本での問い合わせ先】
香港政府観光局

http://www.DiscoverHongKong.com/


ビアフェスの会場は光のショー「シンフォニー・オブ・ライツ」が正面に見えるという特等席だ。

 追加情報として、ビクトリア・ハーバーを挟んでこのワイン&ダイン・フェスティバル会場の対岸にあるマルコポーロホテルの最上階では、毎年10月下旬から4週間ほど「ジャーマン・ビアフェスタ」を開催している。

 こちらは香港に出現する南ドイツのビアホールといった雰囲気が楽しめるので、出かけてみるのも楽しい。

マルコポーロ ジャーマン・ビアフェスタ

会場 Marco Polo Hongkong Hotel, Harbour City, Tsim Sha Tsui, Kowloon
https://www.gbfhk.com/

香港ならやっぱり
キャセイパシフィック航空


香港の空港には、ビジネスクラス利用で使える出発ラウンジがなんと4カ所もある!

 香港の場合、週末を利用した弾丸旅行がかなうので嬉しい限りなのだが、やはり日本〜香港間を6都市7空港から結ぶキャセイパシフィックグループのフライトが圧倒的に便利。

 12月から3月の終わりまで徳島線も飛ぶので、四国の人もさらに香港へ行きやすくなる。


ダイナミックパッケージにもビジネスクラス+ラグジュアリーホテルの組み合わせ設定のある「セレブな香港」。もちろんリーズナブルなエコノミークラス設定もあり、価格は日々変動しているので要チェックだ。

 もうひとつこの航空会社でおすすめするのが、航空券とホテルをセットした「ダイナミックパッケージ」だ(旅行企画・実施はキャセイホリデージャパン)。

 なんといっても選択できるホテルのリストが質量ともに抜群で、贅沢をしようと思えばペニンシュラやマンダリンを選ぶこともでき、出発の1時間前まで予約可能なので思いついたら速攻で出かけられる。


キャセイパシフィック航空は、権威ある英国スカイトラックス社の「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を同一航空会社として最多の通算4回受賞している評価の高いエアラインだ。

 “ラグジュアリー”な旅を考えているなら、ビジネスクラスの旅も超おすすめ。フライト中の快適さだけでなく、キャセイパシフィック航空のラウンジの素晴らしさは定評のあるところなので、一度は体験してみて欲しい。

 機内だけでないラグジュアリーな時間は、ワンランク上の旅の時間を味わわせてくれる。


キャセイパシフィック航空のラウンジに行ったらヌードルバーの「担担麺」は絶対食べなきゃ。お約束の美味しさ!

 なお、2018年12月20日(木)まで「大人のテーマパーク 香港」キャンペーン中で、キャセイパシフィック航空のウェブサイトから香港往復航空券または香港行きの「フライト+ホテル」を購入すると、香港でのアトラクションやショッピングの割引特典が受けられる。

【取材協力】
キャセイパシフィック航空

https://www.cathaypacific.co.jp/

大沢さつき(おおさわ さつき)

大好きなホテル:LAPA PALACE@リスボン
大好きなレストラン:TORRE DEL SARACINO@ソレント
感動した旅:フィリピンのパラワン島ボートダイビング、ボツワナのサファリクルーズ、ムーティ指揮カラヤン没後10周年追悼ヴェルディ「レクイエム」@ウィーン楽友協会
今行きたい場所:ナミブ砂漠
ブログ https://tabi-travell.com/

文・撮影=大沢さつき
コーディネート=甲斐美也子(p.2)

今日の運勢

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全体運

気のおけない仲間と過ごすと、いい刺激がありそう。未来を開く...もっと見る >