2018/11/23 20:00

2.5次元ステージを中心に活躍する 玉城裕規というたぐいまれな才能

「弱虫ペダル」「少年ハリウッド」、そして「刀剣乱舞」……、人気の2.5次元ステージを中心に活躍する玉城裕規。端正なルックスに加え、ミステリアスかつ妖艶さも魅力である彼の俳優活動について聞く第1回。

映画『ONLY SILVER FISH』に出演


――沖縄出身の玉城さんにとって、幼い頃の夢は?

 おかんが美容師さんだったこともあり、どこかで美容師になりたいと思っていました。じつは物心ついた幼稚園の頃、東京に住んでいて、おかんが経営していた美容院でよく遊んでいたんです。小学2年ぐらいのときに、沖縄に戻ったんですけれど、その前の2、3歳の頃の沖縄の記憶は、ほとんどありませんね。あと、一番になりたくないというか、できるだけ目立たず、二番手になりたいと思っているような変わった子でしたね(笑)。


――その後、俳優を目指すきっかけは?

 小学3年生の頃、ちょうどSPEEDさんが流行っていたこともあり、友達と一緒にアクターズスクールに入ったんです。でも、すぐやめてしまいました。そこからはずっとサッカーをやっていて、中学から高校に行くときに、ふわっとですが、将来のことを考えるようになったんです。そんなときに、「受験勉強の息抜きでレイトショーでも観に行こか?」と、おかんが窪塚洋介さん主演の映画『GO』に誘ってくれたんです。貸し切り状態だった映画館で、その世界観に圧倒され、単純にスクリーンの向こうの世界がうらやましいと思いました。それを機に、役者の道を目指すようになりました。

高校2年で、単身上京


――オーディションなど、その後、どのようにして、業界に入ったのでしょうか?

 夏休みに、事務所の養成所のオーディションを受けて合格しました。早くお芝居の勉強をしたかったので、知り合いを頼りに、高校2年の途中で東京に上京しました。最初の頃は寂しかったですが、「役者をやる」という気持ちが大きかったこともあり、「頑張らなきゃいけない」という気持ちの方が勝っていましたね。今はもうないファーストキッチンでバイトをしながら、ちょいちょいエキストラとして、使ってもらっていました。


――その後、俳優として出演された作品を覚えていますか?

 初めてセリフをいただいた作品ということもあり、07年の満島ひかりさん主演の映画『僕の彼女とその彼氏~Drop in Ghost~ トワイライトファイルIIIシリーズ』については、今でもよく覚えています。

劇団時代を経て
「舞台 弱虫ペダル」に抜擢


――翌08年には、所属事務所の劇団「演劇集団Z団」の弟分(ユニット)となる「演劇集団BB団」のメンバーとなりますが、舞台に立つことはいかがでしたか?

 映画の『GO』に憧れて、この世界に入ったので、その頃は自分がまさか舞台に立つとは思ってもいなかったですね。「BB団」ができる前は、先輩の「Z団」のアンサンブルキャストとして活動していました。「どうしたら、先輩たちに追いつくんだろう?」と考えることに精一杯で、がむしゃらでした。だから、緊張感はなかったです。今の方が緊張します(笑)。その後、「BB団」として、役をもらうわけですが、そこでやっとお芝居をする楽しさを知りました。でも、映像など個人をやりたいという考えがあり、メンバー各々が目指すものがバラバラだったので、ひとつの団体として考えた場合、方向性が違ったのかもしれません。


――10年の「BB団」解散後、新たに活動されるわけですが、12年~13年に上演され、東堂尽八役で注目を浴びた、舞台「弱虫ペダル」までの経緯を教えてください。

 いろんなオーディションを受けましたが、まったく受かりませんでした。最終まで行って、結局ダメというパターンが多く、悔し泣きばかりしていました(笑)。ただ「弱虫ペダル」は、オーディションではなかったんです。お話をいただいたとき、「弱虫ペダル」の舞台化は初めてでしたし、自転車レースをどうやって舞台で表現するのか、というところから始まっていたので、とにかく手探り状態でした。僕はアニメ化で、さらに人気作になる前の3作だけの出演だったのですが、いい経験をさせていただきました。

ゼロから世界観を
作り上げる楽しさ


――時同じくして、ジャイボ役を演じられた「ライチ☆光クラブ」の舞台も話題になり、アニメ版の声優も担当されましたね。

 初演では、スケジュールの都合で、僕がいちばん最後に稽古に入ったこともあって、とにかく一生懸命でしたね。だから、そのときの記憶がなくて、どちらかというと再演の方が覚えています。再演の稽古も1週間ぐらいしかなかったですけれど、主演の木村了ちゃんに、いろいろと助けてもらった作品です。アニメ版では初めて声の仕事もやらせてもらいましたが……絵に声を合わせるのが、とにかく難しくて、自分には向いてないかも、と思いました(笑)。


――この2本は初演から携わったわけですが、2.5次元の世界観をゼロから作り上げることに関しては、いかがですか?

 僕的にはゼロから作り上げる方が楽だと思っています。とにかく失うものが何もないですし、「演出家やスタッフさんと作り上げたものを、お客さんがどう受け入れてくれるんだろう?」という楽しみしかない。反対に、すでに出来上がっている作品に、後から参加させてもらう方がプレッシャーありますね。

~次回は最新出演映画『ONLY SILVER FISH ‐WATER TANK OF MARY'S ROOM』についても語っていただきます。~


玉城裕規(たまき ゆうき)

1985年12月17日生まれ。沖縄県出身。2011年、舞台「少年ハリウッド」の伊達竜之介役で注目を浴びる。翌12年、舞台「弱虫ペダル」の東堂尽八役でも人気を博し、17年のドラマ「弱虫ペダルSeason2」にも同役で出演。舞台「ライチ☆光クラブ」では、劇中「奇人で変人」ジャイボ役を熱演。辻仁成氏の初の脚本・演出作「海峡の光」にも出演、大ヒットコミックの舞台「曇天に笑う」では主演を務め、18年は映画『ゼニガタ』『一人の息子』に出演するなど、幅広く活躍。19年には、舞台「画狂人 北斎」(2019年1月10日~20日・新国立劇場)、ミュージカル「ふたり阿国」(2019年3月29日~4月15日・明治座)が控える。


『ONLY SILVER FISH ‐WATER TANK OF MARY'S ROOM』

とある洋館に集められた男女の目的は、“オンリーシルバーフィッシュ”という一匹の魚。その魚は本当の名を呼ぶことで、過去を振り返ることが出来ると言われているが、魚の本当の名前を知ることが出来るのは、ゲームの勝者だけだ。最初のゲームは、一斉に指をさして脱落者を一人決めるというもので、開始直前、黒ネクタイの男(松田凌)はユキ(皆本麻帆)が誰を指そうと考えているかを言い当て、負けるはずだったユキを救う。その後も男は彼女を脱落させないため、白ネクタイの男(玉城裕規)らと、誰にも気付かれぬようヒントを与えるが、徐々にゲームの歯車は狂い始める。
http://www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish/
2018年11月24日(土)よりシネリーブル池袋にて公開他、全国順次
(C)2018「ONLY SILVER FISH」製作委員会

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=泉脇崇(Lomalia)
衣装=瓢子ちあき

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