2018/12/08 18:00

ニュージーランドのテカポ湖畔で 世界一美しい星空を堪能する

#163 Lake Tekapo
レイク・テカポ(ニュージーランド)


南島ほぼ中央に位置する、海抜710メートルのテカポ湖。11~12月は一斉にルピナスの花が咲き誇ります。

 “ビーチ”という英単語は、海辺ばかりでなく湖岸や河畔も含み、いわば“水回り”の環境を示すようです。なので、今回のレイク・テカポも「あれ?」と思うかもしれませんが、 “ビーチ”百景なのです。


標高1,031メートルのマウント・ジョン天文台で星空観察を行います。(C)Vaughan Brookfield

 ニュージーランドの南島のほぼ中央にあるレイク・テカポは、ユネスコの国際ダークスカイ・リザーブ(星空保護区)に指定された、世界に誇る星空で知られています。

 南島のクイーンズタウンからは長距離バスで約4時間。クイーンズタウンを昼過ぎに出発して夕方にレイク・テカポ着、星を満喫した翌日の午前中にレイク・テカポを出発するスケジュールで目指すことにしました。


途中で休憩に立ち寄ったオマラマという町。雲行きが怪しいです。

 長距離バスの車窓をよぎるのは、雲に覆われた大きな空と羊たちが群れる草原、ラベンダー畑を流れる小川など、ほのぼのとした風景。

 トイレ休憩に停車するドライブインも、地元の人が立ち寄るレストランや商売っ気のないおじさんが店番する土産物店などで、素朴な土地柄を感じます。


中心地を少し離れると、何もないレイク・テカポの町。

 到着したレイク・テカポのバス停は、国道に面してレストランや土産物店、スーパーマーケットが並ぶエリア。100メートルほど歩くと、国道沿いには湖がただただ広がっています。

 “世界的な星空観察スポット”は、その知名度に反して驚くほど何もありませんでした。


氷河が削った岩の粉により、不思議な色の湖水に。

 マッケンジー盆地に広がる、南北約30キロにわたる細長いテカポ湖。氷河が動いた時に砕けた“ロック・フラワー”という岩石が湖水に浮遊し、太陽光を受けてミルキーブルーのような不思議な色をたたえています。

60もの星座を観測できる場所


国道を挟んでテカポ湖に面したペッパーズ。町には低層階の建物しかありません。

 湖畔の町レイク・テカポは人口400人足らず、ネオンや町明かりがもともと少ない町でした。

 それに、街灯を黄色や白色ではなくオレンジ色に統一し、22時以降はカーテンを閉めて室内灯が漏れないようにするという住民たちの努力もあって、星空保護区の条件を満たす光害の少ない、漆黒の夜が叶えられたのです。


湖畔で草を食む馬たち。のどかです。

 “テカポ”は先住民のマオリの言葉で、テカ=スリーピングマット、ポ=夜。夜になると、大きな布団が町全体を覆うようなイメージが浮かびます。


中心地に立つアース&スカイ。日本語ガイドもいます。

 晴天率が高いレイク・テカポですが、曇り空が広がっていたのが気になり、夜を待ちきれず、星空観察ツアーを開催しているアース&スカイのツアーデスクへ話を聞きにいきました。


安定した天候と光害の影響の低さなどの条件をクリアして、星空保護区に。(C)EARTH & SKY

 晴れた場合。

 さらに標高の高い海抜1,031メートルにあるマウント・ジョン天文台へ行き、星空観察。頭上に広がる天の川の中の南十字星やニセ十字や、大小マゼラン星雲など、日本では見られない天体を肉眼で満喫します。


4~9月はオーロラも出現。北半球では“ノーザンライツ”と呼ばれるオーロラ、南半球での呼び名は“サザン・ライツ”。(C)EARTH & SKY

 見られる星座は60もあり、ツアーではそのうち20~25個が紹介されます。ちなみにマオリの人々も星座を結んでいたとか。

 ただしここ南半球は北半球とは逆位置ゆえに、図柄は別もの。

 たとえばギリシャ神話の狩人であるオリオン座をここではカヌーに見立て、西に位置するおうし座を“帆”、南十字星を“錨”としました。夏が近づく11月から3、4月まで天空に出現する巨大カヌーを、マオリの人々は漁のシーズンの目安にしていたそうです。

昼間のテカポ湖も素晴らしい!


空模様が夜になるにつれ、徐々に怪しく……。

 一方、曇天だった場合。

 肉眼では無理ながら、マウント・ジョン天文台に設置された、カンタベリー大学と日本の大学の共同開発によるニュージーランド最大の大型望遠鏡を使い、星空を間近に感じます。


ペッパーズでサーブされる地元の食材を盛り合わせたプレートをやけ食い!?

 ところが、その日は天候が安定しているはずのレイク・テカポだというのに、曇天から雨天に。天文台に行っても星は見られないとのことで、ツアーは中止。あぁ、世界一の星空を見に、足を延ばしたのに……。


湖畔に立つ愛らしい住居。緑と湖、そして星、自然をそばに感じる一日を過ごしていることでしょう。

 翌日は午前中の数時間をテカポ湖の湖畔で過ごしました。

 湖水は見る角度によってミルキーブルーの濃淡が変わり、ちょうどシーズンだったパープルやピンクのルピナスという花で周囲が埋め尽くされ、淡い色合いがまるで印象派の絵画のよう。


1935年に建造された善き羊飼いの教会。ステンドグラスはなく、祭壇の向こうは湖と山並みが広がります。

 レイク・テカポの星空写真でたびたび登場する、石造りの善き羊飼いの教会では、祭壇の向こうにサザンアルプスと湖の絶景が広がります。

 美しい湖をたっぷり満喫したとはいえ、レイク・テカポといえば、やはり星。2~3泊の余裕をもって訪れたいものです。

レイク・テカポ

●アクセス クイーンズタウンまたはクライストチャーチから車で約3~4時間
●おすすめステイ先 ペッパーズ・ブルーウォーター・リゾート
https://www.peppers.co.nz/bluewater/

【取材協力】
ニュージーランド政府観光局

https://www.newzealand.com/jp/

アース&スカイ

https://www.earthandsky.co.nz/ja/


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

文・撮影=古関千恵子

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