2018/12/27 10:00

イスタンブールで決して騙されずに 本物のカーペットを買うコツとは?

 世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第199回は、大沢さつきさんが、トルコのリゾート地と首都を周遊します。


ヨーロッパ有数のリゾート
ボドルムへ!


山肌に白い家が点在するボドルムの街。中央に見えるボドルム城は、15世紀、ヨハネ騎士団によって建てられた。

 エキゾティックで猥雑で、ギリシャ時代からの歴史があって親日国のトルコ。人気デスティネーションとして、またまた脚光を浴びている昨今。「弾丸だがゆったりする2度目のトルコ旅」という命題を持って出かけてみることにした。

 出発は成田空港、21時25分。ターキッシュ エアラインズ053便。人気のフライトは満席で、にぎにぎしく旅のスタートを切った。

 イスタンブール到着、3時35分。そのまま5時30分発のフライトで、評判のリゾート地「ボドルム」へ。

 ボドルムは日本ではあまり知られていないが、ヨーロッパでは人気のリゾートだ。「CONDÉ NAST Traveler」誌でもワン・オブ・トップのリゾートとして取り上げられることが多い。


2018年5月オープンの「シックスセンシズ カプランカヤ」は、全147室+66棟のヴィラがある。レセプションを中心に、右に温浴施設をふくむトリートメント空間、左にハーフのバスケットコートまで備えるエクササイズ空間がある。

 と、6時40分にボドルムの空港に着き、そのまま一路「シックスセンシズ カプランカヤ」(以降シックスセンシズ)へ。

 車で小一時間。朝の8時過ぎには、リゾートに到着。いよいよ「弾丸だがゆったりする2度目のトルコ旅」の本番だ。


メインダイニングは吹き抜けが心地よいスペース。もちろんテラス席もあり、エーゲ海を眺めながらの食事もできる。

 まずは朝食。目の前に広がるエーゲ海を眺めながら、ぼうっとしつつも食欲は旺盛で……。

 バラエティに富んだビュッフェをひと通り堪能したら、シメはクレープ。好きな具をチョイスして、焼いてもらうこと5分。文字通りチョコレートとろけるおいしいクレープに舌鼓を打つ。

 トルコはチョコレートがおいしい。しかも、あの「ゴディバ」もトルコの企業が所有という勢い。おいしいわけだわ。


10,000平方キロの敷地を誇るシックスセンシズは植生も豊かで、色とりどりの花も目を休ませてくれる。

 食事の後は、リゾート内をちょい散策。シックスセンシズは丘を利用して建てられているので、少し歩くだけで景色が様変わりして楽しい。ま、アップダウンがあるので、上り道はエクササイズではあるけれど。

 スケールの大きいウェルネスリゾートだが敷地も広いので、開放感がある。コンテンポラリーな建築で無駄なくスッキリだから、よけい広さを感じるのかもしれない。


ハマムマッサージのスペースは大小2つあり、バシャバシャとお湯をかけられ、ゴシゴシと垢すりされる。

 お腹がこなれたところで健康チェック! シックスセンシズ独自の「ウェルネススクリーニング」で体組成や代謝、血中酸素濃度などなど、コンディションを分析してもらう。

 これ、両手両足を電極板に置くだけでできるという素晴らしさ。日本で同じような検査を手間ひまかけてしたばかりだったので、ほとんど結果が同じなのにはびっくりだった。

 で、通常はこの後6つの運動をふくむ身体機能テストをして、運動や食事などの改善プログラムを組んでもらうのだが……。

 残念ながら今回は3日間の滞在。分析結果をもらい、戒めとすることで終了する。


シックスセンシズにはハマムの他に20室のトリートメントルームがあり、ラウンジも広い。ラウンジにはスナックも置いてあるので、ついつい手が出て要注意。

 そして次は現実逃避とばかりに、トリートメントへと向かう。夜のフライトだったし、ここはトルコなので、まずはハマムで女に磨きをかけることに。

 ゆったりもできるし、ハードにトレーニングもできるというリゾート、シックスセンシズだが、前者を選んだのはいうまでもない。

エーゲ海に癒される
「シックスセンシズ カプランカヤ」


今回滞在したのは「シービュー デラックスルーム」。ドアを開けるとデスクがあり、ベッドの奥にはソファスペースもある。

 さて、客室。窓が大きくて気持ちがいいだけでなく、もちろんエーゲ海が見える!

 バルコニーも付いているので、なんだかホッと一息。時差の影響でウトウトしかけるので、ベッドを横目に部屋の探索をすることに。

 ウォーキングクロゼットはかなり広い。バススペースもかなり広い上に窓際にバスタブが置かれているので、朝風呂が快適に味わえる。

 お茶は3種類、コーヒーは2種類飲み放題で、「シックスセンシズ」の水も何本も用意されてるのが嬉しい。


部屋には可愛い袋に入ったビーチサンダルが。

 エコかつ持続可能なリゾートを目指す「シックスセンシズ」では、世界各地の「シックスセンシズ」それぞれで飲料水を生成している。

 ほかのリゾートでもいろいろな取り組みが行われているが、浄水処理した“水”の提供まで行っているのは初めてだ。ボトリングされた日付が記され、客室の水はもちろん毎日補充される。


ウェルネスリゾートなのに、誘惑は多い。テーブルにはマカロンやクッキー、トルコの銘菓で“ゆべし”のような「ロクム」が並んでる。甘さ控えめだが、おいしいのでこれはマズい。

 さて、客室でのんびりももちろんいいのだが、寝込んでしまっては時差ボケ解消にならないと考え、ハーブ入りスクラブを作るワークショップに参加することに。

 あらかじめ用意された6種類のハーブを、好みに合わせて塩に混ぜていくだけなのだが、分量や混ぜる方法などけっこう奥が深い。ハーブも細かくすり潰さないとダメ出しされるという次第。

 小一時間して、2回分のスクラブを完成させて、今晩効果を試すことにした。


ワークショップが行われるのは「Alchemy Bar」。その名も“錬金術”のバーで、なんだか実験しているみたいで楽しい。

 シックスセンシズでは、スパでのトリートメントやエクササイズはもちろん、ありとあらゆるアクティビティが用意されている。でも今回は、弾丸。トリートメント三昧で3日楽しめる2泊ステイが目的だ。

 実際、朝シックスセンシズに着いてから翌々日の20時10分ボドルム発の飛行機に乗るまで。まるっと3日間ウェルネスに専念できるという嬉しさ。近場の東南アジアでのゆったりトリートメントもいいけど、トルコで満喫のノンビリ感はまた格別だ。


プライベートビーチの朝焼けは、静かで内省的な気分にしてくれる。即効の癒しが、弾丸だけどゆったり過ごさせてくれる素。

Six Senses Kaplankaya
(シックスセンシズ カプランカヤ)

所在地 Bozbük Mahallesi, Merkez Sokak 198, Milas, Muğla,
電話番号 0252-511-0051
https://www.sixsenses.com/resorts/kaplankaya/destination
※営業は5〜10月で冬季は休業

【日本での問い合わせ先】


メールアドレス japan@sixsenses.com

イスタンブールといえばの
宮殿ホテルで、スルタン気分


ホテル棟のバルコニーから右側に宮殿棟、目の前に広がるのがヨーロッパとアジアの境となるボスポラス海峡だ。ホテルはヨーロッパ側にある。

 夜のイスタンブール入りだったので、ホテルの豪華絢爛っぷりを味わうのは翌朝からのお楽しみ。「チュラーン パレス ケンピンスキー イスタンブール」(以降「チュラーン宮殿ホテル」)は文字通りチュラーン宮殿をホテルにしている。

 1872年に建てられたこの宮殿はオスマン帝国の宮殿のひとつとして使われ、1991年にホテルとして運用されて以降、イスタンブールを代表するホテルとしてその名を知られている。

 最近、イスタンブールでは瀟洒なブティックホテルも人気なのだけど、短期滞在にはこうした一流どころのホテルが何かと便利。コンシェルジュに頼ることも多いので、確実な選択肢です。


チュラーン宮殿の正面。赤い絨毯の敷かれた階段を上ってテラスに立つと、なんだかロイヤルにでもなったような気分になっちゃう。

「チュラーン宮殿ホテル」は歴史的建造物である宮殿棟といわゆるホテル棟に分かれている。もちろん宮殿棟にも泊まれはするが、待遇も破格なら料金も破格。

 めったやたらと泊まれるわけではないが、宿泊客なら誰でも見学できる。連結通路を行けばよいだけだが、スルタンのハマムなどスペシャルな場所が見たいときは、レセプションでリクエストを。大きなパーティなどが入っていない限り、案内してもらえる。


スルタンのハマムは意外にも純白の大理石でできたホワイトルーム。色彩は使ってないけど、細工の細かな装飾が権勢を語るという仕様だ。

 実はこの宮殿、1910年に火災に遭い外壁だけを遺して焼失。一時はサッカーの競技場にまで使用されていたものを、日本の熊谷組が買い取り大規模な修復工事を行い、蘇らせたものだ。

 その辺りもふくめ、歴史的な写真がホテル棟との連結通路に飾られている。


宮殿の吹き抜け部分は壮観。シャンデリアもハンパないが階段の手すりの下までクリスタル。

 というわけで、どっぷりオスマン帝国時代のトルコの雰囲気を味わったところで、いよいよイスタンブールの市内へと出かけることに。

 今回は“2度目のトルコ”という設定なので、フェイク横行で本物を買うこと至難とされるカーペットを買うのが目標。それも、最近流行りのアンティークカーペットの端切れをパッチワークしたカーペットという縛りだ。


ボスポラス海峡に面した場所は今も昔も一等地で、チュラーン宮殿ホテルほど広いスペースをもっているところは、そうそうない。海峡クルーズなども楽しめるので、これもコンシェルジュに相談を。

 さすがのチュラーン宮殿ホテルのコンシェルジュも、パッチワークカーペットの流行は把握していなかった……が、こちらの説明を聞くや、テキパキ数軒のカーペット店に電話をして、お目当てを見つけてくれる。そして、なかでも最も信頼できる店を勧めてくれて、こちらの了解を得て、アポイントを取ってくれた。

 フェイクのカーペット問題はトルコ人にとっても悩みの種で、とくにきっちり観光業を営んでる人たちにとっては大迷惑な話という。

 今回のトルコ弾丸ツアーを案内してくれたガイドさんも、コンシェルジュ推薦の店は最高! 問題ないと太鼓判を押してくれた。カジュアルに安く売ってる店ほど気をつけたほうがいいとのアドバイスも。

 さらには、店から迎えの車を出してくれるよう手配してくれて、宮殿ホテルに泊まった庶民もちょっとリッチな気分で、カーペット店に向かうことができた。


ホテルのレセプション。反対側にコンシェルジュのブースがある。

Ciragan Palace Kempinski Istanbul
(チュラーン パレス ケンピンスキー イスタンブール)

所在地 Ciragan Caddesi 32, Istanbul
電話番号 0212-326-4646
https://www.kempinski.com/en/istanbul/ciragan-palace/

【日本での予約先】
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド


https://www.LHW.com/ciraganpalace/

予想以上に可愛かった
パッチワークカーペット


アンティークのカーペットの傷んでいないところをパッチワークして、上から染めたカーペットがただいま人気。

 “本物“のトルコのカーペットを求めてやって来たのは「ナッカス」。ブルーモスクにほど近い、3階建ての立派な建物だ。

 そしてびっくりだったのが、まず通されたのは地下にある6世紀のビザンティンの貯水池。解説板もしっかりあり、さながら小さな博物館みたいでナンカ凄い。

「遺跡の保存はお金がかかるけど、誇りでもある」と胸を張って説明してくれたのが、日本語を話すメメットだ。


店の下にこんな遺跡があるなんて、イスタンブール恐るべし。イタリアでも遺跡が地下にあるカフェに行ったことがあるけれど、ここはきっちり博物館してる。

 メメットはナッカスのオーナーの親戚で、大成建設の仕事をしたり、日本に住んでいたこともある日本通。彼の日本語があまりに流暢なので、逆に不審に思う日本人が多いということもよく分かっているあたりがタダモノではない。

 後で聞いた話では、日本の皇太子がイスタンブールを訪問した際に通訳をしたこともあるという、由緒正しきメメットなのだった。


日本語ペラペラのメメットは店に常駐しているわけではなく、日本人の客が来るとなると呼ばれて手伝いに駆けつける。いつも暇なわけではないので、彼に会えるかどうかは運次第。最近では彼のニセモノが現れて、日本人にフェイクの絨毯を売りつけてるなんて話も。

 遺跡見学の後、トルコカーペットの織り方の実演を見せてくれたり、染料の説明もしてくれる。もちろん急いでる場合はスキップ可能だが、ここで一通り教わっておくと、カーペットにもより愛着が湧くのでお勧めしたい。


まずはチャイ。すべてはこの一杯を楽しんでからはじまる。

 で、念願のパッチワークカーペットです! と、そうは簡単にことが運ばないのがトルコ的商売。というかアラブも一緒。インドでもカーペット屋さんはそうだった。

 まずチャイを飲み、次々とカーペットを広げて見せてくれる。30分ほどして、ちょっと気になるものだけ残してまた次々広げる展開。このあたりで、ようやくパッチワークものが出てくるのだけど、まだ、価格交渉には至らないという。

 この過程を楽しめないとカーペット購入は面白くないし、失敗することも多いので、たとえ弾丸旅行でも時間に余裕をもって出かけよう。


お願いすると自分でも織ってみることができる。いやいや根気のいる作業だ。

 と、さんざん迷ったものの、アンティークキリムのパッチワークカーペットをゲット。価格は、値切るという駆け引きの産物なので公表できないが、納得できる値段になりました。

 トルコやアラブ諸国での買い物は、この価格交渉も楽しむのがコツ。予算をあらかじめ決めておいて楽しむのがテクニックです。


キリムのパッチワークは上から染め直ししていない。サイズが合わない場合は、仕立て直してもくれるという。

Nakkas(ナッカス)

所在地 Nakilbent Sok. 13, Sultanahmet, Istanbul
電話番号 0212-516-5222
http://nakkasrug.com/


 カーペット買うのに軽く2時間以上かかったが、お土産も買いたい。ということで近くのバザールを教わりサクサクお買いもの。

 グランバザールのように大きくないので、とっても買いものしやすいし、でもトルコ気分は味わえて楽しかった。戦利品はハーブやお茶、クッションカバー、ローズウォーター……たくさん買いました。


「アラスタバザール」は小規模な分買いものがしやすく、明るいので歩いているだけでウキウキしてくる。

小さなバザールだが一通りのものは揃うバラエティある店舗。ちょっと可愛いタイルなんてのも見つかる。

 これでもまだ帰りのフライトまで余裕があるので、夕飯を済ませて空港に向かう。


ボスポラス海峡の夕景クルーズを楽しんでも夜中のフライトには間に合うので、おすすめ。

 そして夜中の1時40分イスタンブール発のフライトで帰国。成田には19時10分着で、「弾丸だがゆったりする2度目のトルコ旅」完了。


成田からイスタンブールへ毎日運航のターキッシュ エアラインズがなんといっても便利。

【取材協力】
ターキッシュ エアラインズ

https://www.turkishairlines.com/ja-int/

大沢さつき(おおさわ さつき)

大好きなホテル:LAPA PALACE@リスボン
大好きなレストラン:TORRE DEL SARACINO@ソレント
感動した旅:フィリピンのパラワン島ボートダイビング、ボツワナのサファリクルーズ、ムーティ指揮カラヤン没後10周年追悼ヴェルディ「レクイエム」@ウィーン楽友協会
今行きたい場所:ナミブ砂漠
ブログ https://tabi-travell.com/

文・撮影=大沢さつき

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