2018/12/30 08:00

ネイチャーウォッチングが楽しい! 「星のや軽井沢」をたっぷり堪能

■星のや軽井沢 (後篇)

星のや軽井沢(前篇)をみる

 国内のみならず海外に至るまで、さまざまなロケーションに魅力的な施設を展開する星野リゾート。その星野リゾートが、今、特に力を入れているのが「ウェルネス」です。

 この連載では、バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。


クマの爪痕に自然を学ぶ
ネイチャーウォッチング


「野鳥の森ネイチャーウォッチング」で出会った素晴らしい風景。澄んだ池が鏡のように周辺の景色を映す。

「星のや軽井沢」の前身、「星野温泉旅館」が開業したのは大正3年。その頃から守られている雄大な自然は、このリゾートの宝物でもある。

 軽井沢の自然というと、涼しげな夏をイメージするけれど、冬にだって、いや、冬だからこそ楽しめるアウトドアアクティビティも事欠かない。


ムササビが多く暮らす、軽井沢野鳥の森。「星のや軽井沢」の敷地内の木々には、ムササビのための巣箱も用意されている。

 エコツーリズムの専門家集団「ピッキオ」が案内する森を歩けば、冬の軽井沢の魅力にはまってしまうだろう。

 通年行われている「野鳥の森ネイチャーウォッチング」は、木の葉が落ちて見通しがよくなり、雪の上に足跡がつく冬こそ、野生動物を見つける絶好のチャンスなのだ。


足元に動物のフンや植物を食べた痕を見つけながら歩く。

 歩くのは、「星のや軽井沢」に隣接する「軽井沢野鳥の森」。浅間山麓の広大なエリアのなか、約3キロにわたって歩きやすい散策路が整備されている。暖かな服装と歩きやすい靴があれば、特別な装備は要らない。


「軽井沢野鳥の森」から望むのは、堂々たる浅間山。

 この森と「星のや軽井沢」の関係はとても深い。

 自然を愛した歌人の中西悟堂が1930年代から一帯を「日本三大野鳥生息地」と呼び、星野温泉(現・星野リゾート)の2代目経営者、星野嘉助とともに野鳥の保護活動に尽力したことから、1974年に国設野鳥の森が誕生したという。


木の幹にはっきりと残るツキノワグマの爪痕。ネイチャーガイドと歩くからこそ、こんなものも見つけられる。

 ここは野鳥だけではなく、ほかの動物たちにとってもパラダイスだ。

 森を歩いていて見つけるのは、動物たちが歩いた痕跡が伺える獣道や、カエルが冬眠する池、そしてツキノワグマの爪痕が残る木の幹も。え? この森、クマがいるの?!

「これは豊かな森であることの象徴。大型動物が暮らしているということは、小型動物もたくさんいる証です。貴重な野生動物であるクマを傷つけず、人の安全も守りつつ、共存することが大切なんですよ」と、ネイチャーガイドの森孝之さん。


偶然、訓練中のベアドッグに遭遇。現在活躍している2頭の後継者となるべくトレーニングに励んでいるのだそう。

 別荘が増え、人と野生動物たちの暮らすエリアが重なっている軽井沢では、人の生活する場にクマが出没する可能性もある。

 両者の共存をめざし、クマに発信器をつけるなどの調査活動を行っている「ピッキオ」の頼もしいパートナーが、アジアで初のクマ対策犬、ベアドッグだ。

 大きな声で吠えてクマを森の奥に返したり、匂いでクマの移動経路を特定したりなどして、調査中のスタッフの安全を確保してくれるのだそう。

 そんな初めて聞くエピソードは、知るほどに面白い。

昼はスケートが
夜は星空観察ができる氷上へ


冬の澄んだ空気のなかで見る満天の星に、ただただ、ため息。

 寒い季節ならではの楽しみがもうひとつ。それは、星空ウォッチングだ。

 木々から葉が落ち、空が広く見えるようになるうえ、冬の軽井沢は夏よりも晴れの日が多いから、冬は空を仰ぐには絶好の季節。

「ピッキオ」のビジターセンターの前にある凍結したケラ池は、夜になると星空観察の舞台となる。


20時以降、ケラ池は宿泊者専用の「森のほとりcafe & bar」となる。ホットカクテルや焼きマシュマロで暖まるのもいい。

 観察前にムービーによるレクチャーがあるから、ぜひここで、星座の名前や位置関係を覚えておこう。レクチャーを終えたら、周辺の明かりが消され、いよいよ天体ショーの始まりだ。


谷間にあり空が開けるケラ池は、絶好の星空観測スポット。

 最初は真っ暗であまりよく見えないかもしれない。でも、目が慣れればしだいに、こぼれ落ちんばかりの星たちに気づくことだろう。

 オリオン座におうし座、ふたご座……。レクチャーで聞いたばかりの星座を肉眼ではっきりと確認できるのが嬉しい。星団のすばるを見つけたときの興奮といったら! 


うまく滑れないときは椅子を使って氷上散歩。

 満天の星に大興奮した翌日、ケラ池に行くと、そこは一面、スケートリンクになっていた。

 思わず、童心にかえってひとすべり。浅間山を望み、野鳥の声を聞きながら滑る開放感は、屋内のスケートリンクでは味わえない醍醐味だ。


イカルがポイントのカフェラテを飲みながら、ほっと一息。

 ひとしきり遊んでカフェでカフェラテをオーダーすると、ラテアートに可愛らしい野鳥の姿が。鳴き声が「コーヒー一杯プリーズ」に聞こえる野鳥、イカルをあしらっているのだそう。

 野鳥って面白いな、と思ったら、「ピッキオ」の書棚に並ぶオリジナルの野鳥の本を開いてみるのもいい。

ジビエにアフタヌーンティーまで
食の楽しみは尽きない


「日本料理 嘉助」でいただく「山の懐石」。目と舌で季節感を味わわせてくれる。

「星のや軽井沢」の宿泊は基本的に2泊から。

 一般的に、旅館は朝夕食付きであることが多いため、連泊するとなると食事に飽きてしまうが、ここではその心配は無用。宿泊と食事を分けた料金体系となっているし、レストランの選択肢は豊富だ。


窓の外に見えるのは棚田の庭。時間によって変わる風景を、食事とともに楽しんで。

 メインダイニングは「日本料理 嘉助」。

 窓の外一面に棚田を望む川床をイメージして作られた空間は、階段状の席になっていて、和食のダイニングらしからぬユニークな雰囲気。掘りごたつになっているから、リラックスして食事ができる。


お造りは海のものと山のものから。鯉のおいしさに驚き。

 山川に恵まれた土地の食材を生かした料理は、見た目の大胆さや美しさにまず感動する。口にすると、細部にこだわりが隠れていて、ふたたび歓声をあげてしまうだろう。

 なかでも驚かされたのが、近隣の佐久市で養殖されている鯉を使った料理だ。鯉は大の苦手の私が恐る恐る食べてみると、その美味しさにびっくり。まったく臭みがなく、むしろ淡泊だし、なによりコリコリとした食感がたまらない。



左:鯉の燻製ポーピエット。
右:鹿肉のロティ ポワブラード。地元の食材をフレンチで堪能。

 本格的なフレンチとワインを楽しむなら、隣接する「星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート」のメインダイニング、「ユカワタン」へ。

 フォークを入れるのが惜しいほど美しく盛られた料理には、四季折々の軽井沢の自然がみごとに表れている。


「ユカワタン」の若き料理長、松本博史シェフ。繊細なクラシックフレンチが楽しみ。

 冬の楽しみはジビエ。猟師の技術とシェフの腕で生み出される一品を楽しみに、遠方からはるばるここを訪れる人も多い。

 地元の食材を大切に使っているから、鯉料理も得意だ。ここでも恐る恐る鯉の料理を食べたところ、日本料理とはまた違ったおいしさで、再び驚かされてしまった。

 フレンチというとワインがつきものだけれど、お酒が苦手な人には、ノンアルコールカクテルのペアリングを。ソムリエが料理に合わせて選ぶから、ワインと同じように楽しめる。


アフタヌーンティーボックスの扉を開けると、可愛らしいフィンガーフードやスイーツが現れる。

 料理に季節感を大切にしているのは、アフタヌーンティーでも同じこと。

「星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート」のラウンジには、「森のアフタヌーンティー・冬」が登場。アンチョビソースで食べる温野菜やシャルキュトリーなど、温かな料理が盛り込まれている。

 パンの代わりにマドレーヌで挟んだサンドイッチやミニサイズのバーガーやクレープなど、見た目もユニークかつ可愛らしいものばかり。食べるのがもったいないな、と思いながらも次々とお腹に収まる内容は、ランチにもぴったりだ。

 木立から差し込む光を感じながら、寒い季節の温かなランチタイムを過ごしたい。

星のや軽井沢

所在地 長野県軽井沢町星野
電話番号 0570-073-066(星のや総合予約)
https://hoshinoya.com/


ピッキオ

所在地 長野県軽井沢町星野
電話番号 0267-45-7777
https://picchio.co.jp/


ケラ池スケートリンク
(軽井沢星野エリア)

所在地 長野県軽井沢町星野
電話番号 0267-45-7777
http://www.hoshino-area.jp/archives/area/skate/


軽井沢ホテルブレストンコート

所在地 長野県軽井沢町星野
電話番号 0267-46-6200
https://www.blestoncourt.com/


芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵

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