2019/02/09 21:00

今さら平成最後の紅白を振り返る みんなで一緒にじっくり反芻しよう!

米津玄師の名唱に腰が抜けた!


紅白歌合戦のリハーサル。広瀬すずの輝くような可愛さよ。司会っぷりは正直グダグダだったが世の男性の多くは「それでもいい。そこにすずがいるなら」と笑顔を浮かべ見守ったに違いない。

 平成最後の紅白歌合戦。記事がこんなに遅れたのは、書いては消しのラブレター状態だったからである。というのも、私は2018年12月31日以降、心から出て行ってくれない彼の歌声に困惑している。

 白状してしまおう。これまでアウトオブ眼中だった米津玄師氏の歌唱に腰が抜け、いまだ真っ直ぐに歩けないという状態が続いている有様なのだ。


米津玄師が生中継で歌を披露した大塚国際美術館。

 たとえると「死ぬまで一生食うことはないだろう」と思っていた食材を、尊敬する上司の勧めで仕方なく口に入れてみたら大好物になり「なぜ私はこれまでわざわざこれを食うチャンスを自ら逃していたのか」と猛烈に悔しがるようなもの。YouTube世代恐るべし。「千本桜」の時も思ったがいいもん作るじゃねえかチックショー! 嗚呼Lemon、Lemonをくれッ。


「手元に『Lemon』のCDがなかったので、レモンの写真でご勘弁ください」。CREA WEB編集長からの心遣いは温かくありがたいが、見ていると口に唾液が溜まってくる。

 ということで、Lemon以外にもいろんな曲との出会いと名場面がありました2018年の紅白歌合戦。

 以前「思い出のメロディー」のレポを番組放送の2カ月後にアップした時、読者の方から「なぜ今」という戸惑いコメントをいただき、そりゃそうだろうと猛省したにもかかわらず、今回も心のハンカチに染みついた名場面だけでも皆さんとサンセットメモリーしたくなってしまった。

 ありがたいことに、週刊文春がリハーサルの取材に入っていたので、異常なほどに写真が充実しているという。ヨッシャならば私の今さらな情報はともかく、リハの写真を愛でる喜びはご提供できる。 

 んもう専門的な批評は識者の方々にお任せし、ワイワイとコタツモードで振り返ろうではないか。

コラボとサプライズに度肝抜かれた
前半名場面10

■郷ひろみ
「GOLDFINGER’99~GO! GO! 2018」


見よ! リハーサルでもキラッキラのジャケットを羽織る、常に本気モードの郷ひろみを。向かって左横の赤いシャツの男性も満面の笑み。GOへのリスペクトが窺えるではないか。

 チコちゃん→スピードスケート→カーリング→カメラを止めるな!→Tik Tok→金足農業高校→FIFAワールドカップ→ひょっこりはんと、2018年にアチチなブームを巻き起こした人をアチチに乗せて紹介。

 最後の「ガラガラダララバーウ!」は会場がどよめく素晴らしい雄叫びぶり。ヒロミGOは本当に裏切らない。

■山内惠介
「さらせ冬の嵐
~刀剣男士コラボスペシャル~」


どの番組を見ても心優しく気配り王子な山内惠介。私の心の中で日に日に彼の存在感が大きくなっている。うちわを手作りしコンサートに参加するのも時間の問題だ。

 山内惠介のスマートな立ち姿が2.5次元俳優たちに溶け込み、予想以上の名コラボに。刀剣メンバーが時間遡行軍から惠介様を守るという設定だったそうな。雅なムードにウットリ!

 この歌のラスト「死にはしない」でプルプルする彼の震え芸は毎回素晴らしい。

■天童よしみ
「ソーラン祭り節2018
~どさんこver.~」


武田真治の筋肉体操に「うっとりしました。パワーをいただける」という素晴らしく前向きなコメントをした天童よしみ。他に言いようがなかったのかもしれない。

 よさこいダンサーズ&カーリング女子&筋肉体操という3つのコラボを一手に引き受けることになった天童よしみ。

 腕立て伏せガシガシ、サックスブリャブリャと忙しく参加する武田真治の存在が台風。武田真治も別コーナーで「僕も不本意って言うか」と大恐縮していたが、そりゃそうだろう。筋肉体操は西野カナの「トリセツ」とコラボでもよかった気が。

 思った通りカオスとなった現場でも顔色一つ変えず圧倒的な歌声を聞かせてくれた天童よしみは見事。

■Suchmos
「VOLT-AGE」


ロン毛&グラサン率が高いせいか、昭和のヤンチャ系ロックバンドの香りが漂うSuchmos。

 冒頭の挨拶が「臭くて狭いライブハウスから来ました。ヨロシク」。いい悪いは別として記憶にはものすごく残った。こういう爪痕の付け方もある。

■純烈
「プロポーズ」


まさかこの直後4人になるとは……。DA PUMPの「U.S.A.」をニコニコキャッキャと踊っていた姿を見てさらに好感度ドド上がり。これからも応援しています!

 NHKホールがスーパー銭湯に大変身! 後ろにガチファンのおばさま達を迎えて熱唱。途中、紙テープがうまく投げられないおばちゃんのマゴマゴ姿もご愛嬌。

 苦節11年。騒動に負けずこれからも活躍し、中年女性の潤いとなってほしい!

■水森かおり
「水に咲く花・支笏湖へ
~イリュージョンスペシャル~」


毎回凄まじいサービス精神とチャレンジャー魂を見せてくれる水森かおり。紅白ビックリ演出枠のパイオニア小林幸子も衣装会議がエスカレートしていき「火の輪をくぐる」というアイデアまで出たという。水森かおりの今後はとても楽しみだが無理はしないでほしい。

 メイガスなるイリュージョニストとコラボ。歌唱中姿を消し舞台袖から衣装を変えて登場することに成功しウルウル。見ているこちらもホッ……。

 が、彼女の「紅白では前年以上のサプライズをしなければいけない症候群」がちょっぴり心配。デカ衣装の使い回しでも誰も責めないぞ!

■Sexy Zone
「カラクリだらけのテンダネス
~2018紅白ver.~」

 映像とシンクロさせてカラクリだらけの振り付けを披露。実はかなり難易度の高いことをしているのだが、それを感じさせないのがさすがジャニーズ。

 最後中島健人氏のナイスな「セクシーサンキュー」が次の刀剣男士の紹介VTRにかぶってしまったのが惜しくてならない!

■刀剣男士
「刀剣乱舞~出陣!紅白歌合戦~」

 刀剣乱舞大ファンの姉の説明を受けたがかなり深い日本史の話が絡んでおり、彼らの世界を理解するにはまだまだ時間がかかりそうな私。だが、白髪のロン毛がとても好みだった。「子狐丸」というお方らしい。

■YOSHIKI feat. HYDE
「Red Swan」

 今回の出場について「69回でロックじゃない?」と答えたHYDEの大喜利感に癒される。

■YOSHIKI feat. サラ・ブライトマン
「Miracle」


どこまでもグローバルなYOSHIKIとリアル妖精サラ・ブライトマンのXポーズ。スマホの待ち受けにすると運が上がりそうな2ショットである。

 YOSHIKIが白のジャケットから赤に着替える律義さが素晴らしい。後光を背負ったサラ・ブライトマンのラスボス感たるや。てっきり後半のギリギリに出演すると思っていたので、いささか早すぎる出番に仰天。

けん玉ギネスと勝手にシンドバッド
後半名場面12

■DA PUMP
「U.S.A.」


2018年後半は見ない日はなかったくらいのDA PUMP。私もYouTube動画を100回以上見たはず。本当に元気をもらいました。ありがとう!

 ウッちゃん演じる三津谷寛治に「ドドンパの皆さん」と言われたDA PUMP。出演者全員のいいねダンスは圧巻。こういう時絶対誰よりもノリノリで踊ってくれる松田聖子はアイドルの鑑。

 また紹介MCにて「この曲を踊ってアキレス腱を切る人が多い」という情報を得た。皆さん準備運動は忘れずに。

■AKB48
「恋するフォーチュンクッキー」


AKB48とBNK48の代表メンバー。指原莉乃にとってはAKB48でラストの紅白に。

 タイでこの曲が大ブームということでBNK48も登場。センターの子が緊張し「紅白、コウハーク……ひーひー」と挨拶が止まってしまい、見ているほうがハラハラ。彼女に必死でサワディーサワディー(こんにちは)と繰り返していた櫻井翔のやさしさよ。

 タイの王女の名が「ウボンラット」である、ということを今回で覚えた視聴者も多かろう。AKB48は毎年歌唱以外のいろんな方向で爪痕を残してくれる。

■三山ひろし
「いごっそ魂
~けん玉世界記録への道、再び~」


けん玉ギネスはリハーサルでも成功していたらしい。もうけん玉一色だった今回の三山ひろしだが、衣装の「龍馬」の文字だけがかすかに「いごっそ魂を聞いて」と主張しているのが愛しくて切ない。

 正直自分の歌を捨てけん玉に賭けた彼に「これでええんか」と思ったが、ギネスを達成した瞬間もうそれもアリと感動しコタツを立ちスタンディングオベーションを送ってしまった。

 歌唱中はけん玉を気にしないふりして朗々と歌うメンタル。これぞ「いごっそ魂」! 前回失敗した14番がラッキー7で参加し、終了後涙の抱擁を交わしたというエピソードも胸アツ。

■西野カナ
「トリセツ」


西野カナ。80を前にした私の母親も彼女が出てくるたびに「あらまあお人形さんみたいねー」と目を細めていた。確かにナデナデしたくなる可愛さである。

 銀色の衣装がかわいかったがちょっとお疲れ? と思ったら、無期限休業のニュースが飛び込んできた。あざとい女子の生態を生き生きと描いた彼女の歌の世界はカチンとくることも多いが、なんだかんだ言いつつ平成歌謡の代表だった気がするのだ。

 新時代の「トリセツ」を掲げて帰ってくる日もそう遠くはないと信じたい。

■北島三郎
「まつり」


北島三郎と北島兄弟。紅白トリといえばサブちゃん。サブちゃんといえば紙吹雪!

 サブちゃんを待ちわびるあまり前に出過ぎて、サブちゃんが乗っている金のしゃちほこの邪魔になり櫻井翔に服を引っ張られる氷川きよし。審査員席からウキウキと身を乗り出す安藤サクラ。ドアップ過ぎて見切れるチコちゃん。安定の花柳糸之社中の皆さん……などなどいろいろ見どころがあったが、やはりサブちゃんのいのちを振り絞ったような歌唱が全て。

「平成、まつりだよぉぉぉう」に涙が滝のように!

■松田聖子
「SEIKO DREAM MEDLEY 2018」

 阿部サダヲの「聖子ちゃん」コールが響く中、出だしの「かぜーたちーぬー」の声の低さにSNSがどよどよどよ……。

 それゆえ「天国のキッス」は残念なほどヘブン感が薄らいでしまったが、「渚のバルコニー」はお忍び恋愛的な色っぽさが増すという聞き手をものすごく複雑な気分にする仕上がりに。

■氷川きよし
「勝負の花道
~世界に響く和太鼓SP~」


髪型が「ちびまる子ちゃん」の花輪君みたいになっていた氷川きよし。それすらも「きよしったもうオチャメ~♪」と萌えポイントになるのだからきよし最強。

 DRUM TAOとのコラボ。きよしに1ミリも似ていない風船人形はなぜあんな出来になったのか。衣装の早替えに手間取ったのはハラハラしたが、以前倖田來未も同じようなワタワタがあった覚えが。早替えは想像以上に難しいようだ。

■椎名林檎と宮本浩次
「獣ゆく細道」

「紅白を見据えて書きましたから」と涼しい笑顔で答えた椎名林檎の大物臭よ……。首が取れそうなほど大暴れしながら歌っているのに音程が全くブレない宮本浩次に驚愕。

■松任谷由実
「私が好きなユーミンのうた
~紅白スペシャル~」


2018年のユーミンは第66回菊池寛賞を受賞した。写真は授賞式における挨拶の模様。

 別室で「ひこうき雲」を歌って終わりかと思いきやホールに出てきて、ユーミンの大ファンというaikoがドド泣き。

 松任谷由実は特に好きでも嫌いでもない私だが客席が一斉に「やさしさに包まれたなら」を歌った時、彼女の凄さに白旗を掲げた。

■石川さゆり
「天城越え」


外国の方に「日本を代表するジャパニーズ・ビューティーは?」と聞かれたら、私は迷いなく「サユリ・イシカーワ……」と答えるだろう。

 布袋寅泰のギターと日本の伝統楽器軍団とコラボ。アップの鬼気迫る表情は待ち受け画面にしたいほど。んもう100万回くらいこの曲を歌ったであろう石川さゆりだが、まだまだ飽きさせないわよ的な意地を見せた渾身の歌唱。

■嵐
「嵐×紅白スペシャルメドレー」

 後半、昭和に押されてボンヤリになっていた「平成最後の紅白」というテーマを、メンバーそれぞれがシッカリ語り本当によくできた人達だと感心した。

 そして先日の嵐無期限活動休止宣言。西野カナといい、平成が去っていく足音がドカドカドカドカ聞こえて心の整理が(泣)。

■サザンオールスターズ
「希望の轍」
「勝手にシンドバッド」

 ユーミンとサブちゃんと桑田佳祐の絡みをにこにこと手拍子しながら見つめるYOSHIKIという、レジェンド揃いの絵面は圧巻。今回の紅白の最大の見どころの一つは桑田さんのサブちゃんリスペクトだったかもしれない。

 紅白の醍醐味は結局「時代を超えた日本を代表するアーティストがともに称え合いワイワイする多幸感」、これに尽きると証明したパフォーマンスでもあった。

紅白歌合戦の今後はどうなる?


いつ来るかいつ来るかとひたすらトイレも我慢して待ちかまえ結局なかったヒデキ追悼コーナー。ぬぉーー!!

 ……とまあ、ガーッとポイントだけピックアップしたものの、いろいろ言いたいことを言い出したらキリがない。

 特別枠の基準とはなんぞや、サブちゃんの応援とはいえ紅白出場歌手ではないのに「ブラザー」を歌唱した北島兄弟はアリなのか、西城秀樹の企画コーナーはないんかい、などなどなど。

 いやもう立ち止まるな振り向くな。もう1カ月以上も前に終わったことではないか!

 正直、どれだけ好評だったとはいえ、ここ数年紅白歌合戦に漂う「迷い感」は否めない。

 流行歌が減り、ダウンロード時代にどう対処するか、また歌手と紅白側のパワーバランスの揺らぎなど、見ているこっちもオロオロするくらい不安定である。

 が、やっぱりどんな形になろうとも、1年の終わりギリギリにこれだけ老いも若きも注目する「歌まつり」は意義があると私は思う。だからこれからも期待する!

「なんだかんだ今年も見ちゃったけど、正解だったよね」と笑って新年を迎えられる年末が続きますように。頼むよ紅白ッ。今年もコタツの上に酒とつまみを用意して、チャンネルを合わせるから!


田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

文・撮影=田中 稲
写真=文藝春秋



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