2019/02/16 17:00

『シティーハンター』公開で愛が再燃 「Get Wild」について語り尽くす!

『シティーハンター』が
スクリーンに帰ってきた!


『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』は、2019年2月8日(金)より全国公開中。

 去年の映画はアタリが多かった。「田中さんカメ止め見た?」これを聞かれること十数人。「田中さん、ボヘ見た?」これを聞かれること数十人。

 ええ、見ましたとも。『カメラを止めるな!』は前半ハンディカメラ撮影でガッコンガッコン画面が揺れ三半規管が弱い私は酔ったが、途中離脱しなくてよかった。後半の素晴らしく爽やな伏線回収に乾杯グラッチェ!

『ボヘミアン・ラプソディ』ではクイーンのクの字も知らなかった私が「ユーアーザチャーンピヨーン♪」と片手をグーに高く掲げ歌うようになるのだから、いややっぱり映画って本ッ当に良いですね……。


『メリー・ポピンズ リターンズ』は2019年2月1日(金)より公開中。何だかアメコミ原作映画みたいな邦題だが、原題もこの通りなのだそう。

 そして2月。メリー・ポピンズとともに、あのナイスガイもリターンズ。そう、『シティーハンター』が20年ぶりに劇場公開!!


「新宿バルト9」のロビーには、顔ハメ看板が設置されていた。

こちらは「TOHOシネマズ新宿」の壁面を飾る巨大広告。冴羽獠がゴジラに襲われているかのようである。

歌舞伎町セントラルロードの街灯にはためく冴羽獠の勇姿。地元だけあって、新宿は『シティーハンター』一色である。

  このニュースをキャッチした時、心の暗闇に私が大大大好きだったあの歌が走り抜けた。

「ゲッワイエンターフ……」

 くっ、思わず小声で歌ってしまったではないか。そう「Get wild」。略して「ゲワイ」。

 別件の仕事で全く筆が乗らない私に冴羽獠が、そしてTM NETWORKがこう煽っている。「解けないパズルもある。それよりも君が胸を熱くしたあの曲についてワイルド&タフに書け」と!

 前振りが長過ぎて待たせてsorry。J-POP新時代の幕開けとなった一曲。言いきってしまおう。それこそが「Get wild」だと!

「Get Wild」男と
「DESIRE」女の恋を妄想


「Get Wild」のレコードジャケット。左から、TM NETWORKにおける理性担当の木根尚登、野性担当の宇都宮隆、知性担当の小室哲哉。

 私が「Get wild」を聞くたびに一緒に思い出すのが中森明菜の「DESIRE-情熱-」である。

 片やワイルドかつタフに生きろ、君だけの夢を見つけられるよ、と諭す熱いゲワイ男。

 車で夜道を暴走しながら、車道で踊る小娘を発見しても危ないと頭ごなしに注意せず、そっと心の中で励ますあたり、余裕がある男性である。

 対する「DESIRE」のゲラップ女子はなかなか強気。「立ち上がれ情熱の炎を燃やせ。夢は見る前に醒めたらなんにもならないからね」。

 ぬおぅ、ゲワイ男と人生哲学が一緒じゃないかッ。強がりで寂しんぼなのも一致。もういっそ付き合っちゃいなよYOU達!

 ゲラップ女子はダンスに夢中になっているようだし、エエッもしかして「車道で踊るあの子」と同一人物だったりして。キャッキャッ。発売年の前後関係が合わないんだけど気にしない! 妄想最優先である。


「DESIRE-情熱-」を歌う中森明菜。美しい。限りなく美しい。

 勝手に暑苦しいお見合いオバサンみたいに盛り上がったがいや待て私。こういった上目線なタイプは男も女も、自分と逆のユルくて絶望主義の太宰ピープルに惹かれるのが悲しき恋愛のセオリー。

 ということで、この2人はお付き合いしても短期間で別れ、それぞれダメダメ人物と交際。「夢は見る前にあきらめちゃダメ!」と励ますのだろう。


「Get Wild」の作曲・編曲を手がけたのはもちろん小室哲哉。そして作詞は小室みつ子。よく勘違いされがちだが、この2人の間には血縁関係も婚姻関係も存在しない。たまたま名字が同じだったとのこと。

 妄想し尽くしてスッキリしたので「Get Wild」論に話を戻そう。「Get Wild」の大きな特徴、それは「pain」である。カラオケでこの曲を歌うと、中盤でペインペインペインペインと連呼しなくてはならず、赤巻紙青巻紙黄巻紙状態でけっこう難しい。

 調べてみると意味は「苦痛」……。なるほど。ゲワイ男が放つのは、明日が怖いのは君の痛み僕の痛み誰かの痛み。

 でもこれはあなたの夢私の夢誰かの夢。 君だけが守れるものを守り、さあ、野生的に強く攻めよ、そしてチャンスと幸運を掴めよというジェントルで前向きなメッセージだ。

「君も僕と同じ痛みを持っている」。このさりげなく柔らかな共感性、沁みる!

「Get Wild」36バージョンを
収めたCDを聴いてみた!


『Get Wild Song Mafia』。ゲワイだらけで4時間20分……。たしかに全て聴き終わったあと自分が(がまん)強くなった気がした。

 さて、私は今回の個人的「Get wild」再ブーム記念として、2017年発売時からずっと購入を悩んでいた、「36曲ゲワイ」という無茶をしている『Get Wild Song Mafia』をついに入手するに至った。

 さあ、聴かせて御覧なさいな。36曲、思い思いのゲットワイルドを……!

 ピコピコスコピコというシンセサイザーの音からなかなか本筋に入らないゲワイ、「ゲゲゲゲゲゲ!」とゲを連発しなかなか本筋に入らないゲワイ。

 全曲英語で「ゲッワイルエンターッフ!」「チャンスエンラーック!」と語尾の圧がやたらと強く、全体的にオリジナルより100倍ワイルドなDave Rodgersバージョン、ゲワイの舞台をフランスの昼下がりに変貌させたクレモンティーヌバージョンなど、そらもう想像以上に参加者みなさん好き放題なゲワイ祭りであった。

 が、私は確信した。どんな風にアレンジされようとも、出だしはやはり、

「てんてんてん……てててんててん!」

 このキーボードのイントロであってほしい、と。アニメでも、このイントロは冴羽遼がシティーハンターから普通のお調子者に戻る瞬間の儀式のようなものなのである。

 それが終わってからの、「デケスデデンデンスケデンデンデン!」という疾走感溢れるメロディーにバトンタッチ、そこからアグレッシブなウツの、アスファルトなボーカルに突入、というホップステップジャンプがあってこそのゲワイ!

 つ、伝わってますでしょうか皆さま。くっそー鼻歌でお伝えしたいのに。文字から音が出ればいいのに!

 と、ここまで語りたくなるのがゲワイのパワー。やっぱりオリジナルショックに勝るものなし。私は1987年バージョンが好きである。もちろんいろんな意見があるだろう。ゲワイの味わい方は∞である。


某古書店チェーンで入手したジャンプコミックス版『シティーハンター』。34巻の「にせC・H(シティーハンター)登場!!」なるタイトルが気になってしょうがない。読むか。

 さあ、いろいろ勝手なゲワイ論をぶちまけてしまったが、20年ぶりに帰ってきた『シティーハンター』で、最高にナイスでカッコいい獠と愉快な仲間たちとともに、主題歌ゲワイに身を浸し、傷ついた夢を取り戻そうではないか。

 そのペインは君だけじゃなく誰かのペイン。何も怖くないぞ!



左:ご存知だろうか。1993年に公開された実写版『シティーハンター』で冴羽獠を演じたのはジャッキー・チェンだったことを!
右:そして、その相手役は後藤久美子だったことを!


田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

文・撮影=田中 稲
画像=文藝春秋



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