2019/03/02 11:00

「ネンネ」「ネオン」「ねんごろ」 昭和歌謡を学び表現力を身につける

 刊行から半年以上が経つ今も、歌謡曲を愛するファンの間で話題となっている本がある。その名は、『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)。CREA WEBでは人気コラム「勝手に再ブーム」を連載している田中稲さんが、このジャンルの歌詞に頻出する単語を1,008語選び、絶妙な解説を加えた一冊だ。

 この中から、「た」「な」「か」「い」「ね」という5つの文字から始まる単語の解説を、特別に転載します!


第5回 「ね」の部


【眠りなさい】

 女性からの「安心して大丈夫」というやさしい囁きのはずなのに、なぜか漂う不安感。それもそのはず、言葉の裏には、「バカでわがままな男心を眠らせなさい!」という強い命令が含まれているのだ。もちろん反論は許されない。

●用例
・岩崎宏美「聖母たちのララバイ」
・ジュディ・オング「魅せられて」

【ねんごろ】

 正しい漢字表記は「懇ろ」だが、昭和歌謡の場合は「寝んゴロ」と思っていい。片想いとプラトニックな関係を無事乗り越え、やっとお互い心も体も許し合い、ゴロゴロ甘えられるくらいになったラブラブの関係。

●用例
・シブがき隊「男意ッ気」

【ネンネ】

 年の割には恋愛や性の知識が幼稚な人、夜遊びに誘うのもはばかられるような世間知らずの女の子を、少々小馬鹿にした表現。「サッサとお家に帰って、お布団に入って寝てなさい!」という上から目線な感じである。

●用例
・ダウン・タウン・ブギウギ・バンド「港のヨーコヨコハマヨコスカ」

【ネオン】

 繁華街に輝くきらびやかな電飾。まがまがしくビビッドな色が主流で、上品さは二の次、欲望を膨らませる方向でデザインされている。だからこそ人は惹きつけられ、街に邪な感情を吐き出せるのである。

●用例
・内山田洋とクール・ファイブ他「中の島ブルース」
・海原千里・万里「大阪ラプソディー」

【眠れない夜】

 よほど鋼のメンタルでない限り、誰でも一度は経験するモヤモヤした時間。特に深夜は暗さと静けさが影響し、今日の反省と明日への希望、もしくは不安で頭がいっぱいに。その膨張した思考が良質の睡眠をさえぎるのである。

●用例
・泉谷しげる「眠れない夜」
・オフコース他「眠れぬ夜」
・中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」


『昭和歌謡 出る単 1008語
 歌詞を愛して、情緒を感じて』

著・田中 稲
発行 誠文堂新光社
1,500円+税


田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

文=田中 稲
撮影=CREA WEB編集室



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