2019/02/23 07:00

りんごの優しい香りに包まれて過ごす 「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」

■星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
(前篇)

 国内のみならず海外に至るまで、さまざまなロケーションに魅力的な施設を展開する星野リゾート。その星野リゾートが、今、特に力を入れているのが「ウェルネス」です。

 この連載では、バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。


かの芸術家も愛した
奥入瀬渓流に溶け込むリゾート


雪に包まれた「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」。寒さ厳しいこの季節にしか味わえない感動がある。

 奥入瀬渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテルである「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は、雪深い季節だからこその楽しみを教えてくれる場所だ。

 冬季は休業していたこのホテルが、9年ぶりに冬季営業を再開したのは2017年のこと。スノーシューを履いて行う雪上ハイキングや渓流のガイドツアーなど、魅力的な冬のアクティビティーが整えられた。


夏のイメージが強い奥入瀬渓流。一面が雪になる冬も感動的。

 車窓いっぱいに広がる雪景色に期待を高まらせながら、無料送迎バス(八戸駅、青森駅より)に乗り約1時間半~2時間で、「奥入瀬渓流ホテル」に到着。


到着したゲストを迎えるのは、岡本太郎の遺作となった大暖炉。

 館内に足を踏み入れ、まず目に飛び込んでくるのは、岡本太郎の遺作である大暖炉の「河神」だ。

 奥入瀬渓流の美しい自然を表した彫刻は、その向こうの窓に広がる一面の雪景色と一体となって、雪の中はるばる来たゲストを「いらっしゃい」と迎えてくれているかのよう。


「ラウンジ 森の神話」の中央を飾るのはこのスペースと同名の作品。一面の窓には、枝葉に雪が積もる美しい自然が。

 このリゾートの中には、もうひとつ、岡本太郎の作品、「森の神話」がある。「河神」は水の妖精を、「森の神話」は森の妖精をイメージしたというダイナミックなアートは、いかにも、この地を愛した岡本太郎らしい。


「渓流和室」は、ごろんと横になっていてもソファでくつろいでいても、すぐそこに渓流が。

 東館と西館に分かれ187室を擁するこのリゾートで、もっとも自然を感じられる客室といえば、渓流に面した和室だろう。

 派手さがなくシンプルなしつらえは、自然を最大限に楽しむための工夫。壁側の空間に、テレビやデスクなど機能的な部分を集約しすっきりとした空間が、窓の外の景色を引き立てる。


「渓流和室」の窓際に置かれたソファは、絶景を眺める特等席。

 窓際には、足を伸ばしてゆったりと寛げるソファ。眼下には、木々が凍てつく厳しい冬も滔々と流れ続ける渓流が。

 ここに座って自然を眺めているだけでも、心が癒される。


客室でのんびりと雪見風呂が楽しめる露天風呂テラス付きのゲストルーム。

 露天風呂テラス付きのスペシャルなゲストルームは限定3室。プライベートバスから見える渓流が雪化粧をし、いっそう美しさを増す冬。ちょっと贅沢をして、こんな部屋での滞在を楽しんでみたい。

りんごのおいしさに目覚める
サプライズなブッフェレストラン


ディナーは80品以上が揃う豪華なブッフェレストランで。

 ゲストを驚かせるのは、青森県の名産品であるりんごをモチーフにした個性的なブッフェレストランだ。

 天井をハンドメイドガラスのりんごの実のオブジェが飾り、輪切りりんごをモチーフにしたオリジナル照明を設えるなど、店内は優しい雰囲気。

 朝夕の食事は、木の温もりあふれるこの空間で楽しむ。

「リゾートでブッフェ?」と思うことなかれ。夕食にずらりと並ぶのは、りんごを使ったオリジナルのメニューや郷土料理など、80品以上。

 その場で焼き上げる帆立の貝焼きや十和田名物「牛バラ焼き」のコーナーもある。


前菜からメイン、デザートまで、りんごを使った料理がたくさん!

 趣向を凝らした調理は、りんごのおいしさを知り尽くしたこの土地ならでは。

「生ハムとりんごのサラダ」はシャキシャキとしたりんごの食感と生ハムのバランスが絶妙で、ワインにも合う一品。

 りんごの果実をホクホクと味わう「りんごとチキンのクリーム煮」から「あつあつアップルパイ」まで、さまざまなりんご料理を試してみたくなる。


りんごやゴボウ、大根などカラフルなピクルス。

 珍しい郷土料理といえば、アピオスの天ぷら。

 アピオスというのは、明治時代にりんごの苗木が青森に輸入された際、その土についてきたことがきっかけで栽培が始まったもの。栄養価が高く、「ほどほどに食べて」という意味で「ほどいも」とも呼ばれているという説も。

 ほんのりとした甘みがあり、ジャガイモと里芋を合わせたようなホクホクの食感がクセになる。

 このレストランの予約は不要。好きな時間に利用できるのは、アクティブに旅を楽しみたい人にはうれしい。

 雪景色を眺める窓際のテーブル、頭上にりんごの木のオブジェが広がるテーブル、多彩な空間で食事を楽しむことができる。


りんごの枝の薪がほんのりと甘い香りを漂わせる「ラウンジ 森の神話」。

 たっぷりと料理を味わった後は、「ラウンジ 森の神話」へ。

 かすかに漂う甘い香りの正体は、暖炉でパチパチと燃える、りんごの剪定枝を使用した薪。

 もともとは廃材として捨てられるものだが、燃えやすく火が長持ちすることから、こうして薪として利用しているのだそう。


「ラウンジ 森の神話」では「りんごの薪薫るBar Time」と題して、りんごで作ったお酒を提供。2019年3月10日(日)まで。

 この甘い香りの中で飲みたいのは、りんごを使ったお酒。甘いカクテルではなく、円熟した香りのものなら、どっぷりとこの雰囲気に浸れそう。

 青森県産のりんごから作ったニッカのブランデーや、青森県限定販売のアップルブランデー、りんごの蒸留酒カルヴァドスなどは、アルコール度数は高いけれど、就寝前の一杯にはぴったりだ。

大自然が織りなす氷の芸術
「氷瀑」を眺める温泉


美しい氷瀑を眺めながら温泉で温まる、究極の贅沢。

 奥入瀬渓流の冬の風物詩といえば、氷瀑。これは、寒さによって滝が真っ白に凍結する自然現象。

 全長約14キロの奥入瀬渓流には14本の滝があり、厳しい寒さが続くと、さまざまな形の氷瀑が作られる。

「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」では、この自然が生み出す奇跡の芸術を露天風呂に再現。12月上旬から壁に霧状の水を吹き付け、時間をかけて氷瀑を作り上げる。

 しだいに凍った水しぶきが少しずつ重なってゆき、氷瀑となるのは1月中旬。高さ約3.5メートル、幅約16メートルの氷の芸術の誕生だ。


「氷瀑の湯」は夜になるといっそう幻想的に。

 氷瀑が観られる場所は日本にいくつかあるが、温泉にそびえるのはここだけ。

 本来は寒さに震えながら眺める絶景を、温泉で温まりながら楽しむのは、なんとも贅沢だ。

 再現したものとはいえ、日照や気温、風向きによって氷の形は変わるため、常に変化を続け、日々異なる表情を見せてくれる。

 そしてもちろん、冬限定。氷瀑がそびえる日本唯一の露天風呂を楽しむなら、2019年は3月30日(土)までがチャンスだ。

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル

所在地 青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
電話番号 0570-073-022(星野リゾート予約センター)
https://www.oirase-keiryuu.jp/


芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

文=芹澤和美
撮影=佐藤 亘



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