2019/02/24 11:00

宝塚のほっこりパン屋さんの自慢は オーガニック自家製酵母&国産小麦

 パンやお菓子を作るのが好きな女性が始めたお店が各地にできていて、このコラムでもご紹介してきました。

 自分がおいしいと思うパンやお菓子を心を込めて作り、自ら言葉を添えて販売する。

 たいへんですが、やりがいのあるお仕事。その方らしさが感じられるパンやお菓子は、わざわざ買いに行く価値があります。


お店があるのは閑静な住宅街。

 前にこのコラムでご紹介した宝塚の「アン ベルジェ モンクゥ」さん。取材時に出していただいた「シュリンプサンドイッチ」のパンがとてもおいしかったので、どこのパンなのかお聞きすると、すぐ近くのお店で女性が焼いておられるとのこと。

 さっそくそのお店「lichette(リシェット)」を訪ねました。

 閑静な住宅街の一角。門が開いていて「パンやけました」の看板が出ていたら、お店はオープンしています。

 知り会いのおうちにおじゃまするような気分で、庭から靴を脱いでお店に上がるスタイル。大きな一枚板の上に10種類余りのパンやお菓子が並んでいます。


オープンの日には「パンやけました」と庭の一角に小さな看板が置かれます。

シンプルでさりげない包装も素敵。

 笑顔で迎えてくれるのは、荻野志保さん。店名は、フランス語で「小さなパンのかけら」という意味。


接客する荻野志保さん。

 荻野さんは看護師の仕事の合間に好きなパンやお菓子の教室にずっと通っていました。

 15年前、「身体にいいものづくりがしたい」と退職。オーガニックレストランなどで働きながら、素材について学んだり、農家さんから話を聞いたり。


一枚板の平台にパンが並ぶ店内。

 2008年に起業し、不便な立地の工房兼店舗で販売するだけでなく、手作り市に出店するなどして経験を積みます。

 2017年夏に同じ宝塚市内から移転。念願の庭のあるお店になりました。


玄麦と自家製粉した全粒粉。

 荻野さんが作るのは、全て国産小麦を使用したパンやお菓子。

 なかでも全粒粉は、1年前から、金沢の農家から「ゆきちから」の玄麦を送ってもらい、小さな製粉器で自分で挽いて使っているのだそう。

「仲間と近隣で栽培した小麦を使ったりもしているんですよ」とにっこり。

 また、動物性のものを控えて米粉や豆乳を使ったり、塩麹や甘酒でスコーンを作ったり。細やかな心遣いで、身体に優しいものづくりを実践しています。


平台の後ろに置かれた小さな製粉器。

 野菜や果物は宝塚・山本の「めぐる八百屋 オガクロ」さんが扱っているものを使用。

 週1回の移動販売でお店に届く野菜をフォカッチャやカンパーニュなどに使うだけでなく、果物で自家製酵母を醸しています。

「庭に実ったリンゴやブドウ、ハーブも使います。酵母によって、風味や香り、生地の膨らみ方が変わる。蜂蜜を使い切ったら、その瓶に果物と水を入れてシャカシャカして作るんですよ」

 窓辺には、酵母のガラス瓶がいくつも並んでいました。


窓辺に並んだ自家製酵母の瓶。

「できれば小麦、野菜、果物などの材料も全部自分で作りたい。でもそれはとってもたいへんなこと。今の私は、農家が作ってくれたものを使わせてもらっているので、それらの素材を最大限に活かしたい」

 生地は全て手ごね。お店のオープンは週3日ですが、その他の日にも仕込みをしており、真夜中から作業をする時も多いのだとか

 素材の良さ、小麦のおいしさをわかってもらえたらと荻野さんは言います。

発酵生地のワッフルは
一度食べたらやみつきに!

 荻野さんのパンとお菓子をご紹介しましょう。


「くろカンパーニュ」ハーフサイズ 300円。

「アン ベルジェ モンクゥ」さんで使われている「くろカンパーニュ」は、有機ライ麦20%入りで自家製粉の全粒粉配合。「黒砂糖をほんの少し加えて焼いたら、香ばしくなりました」と荻野さん。

 オーブントースターで軽く焼くと、カリッとさらに香ばしくなります。噛むと小麦の旨みにライ麦の風味が加わって深い味わい。

「素朴なパンをカンパーニュ、田舎パンと呼んでいます」と微笑みます。


「百花蜜のはちみつカンパーニュ」380円。

「百花蜜のはちみつカンパーニュ」は、ポプラの木のケース入り。宝塚はちみつを使用。

 そのまま食べるともちもちした食感ですが、生地を軽くトーストすると、カリッを歯切れがよくなり、ふんわり蜂蜜の香りが広がります。


「有機豆乳の小さなパンドミ(プレーン)」250円。

「有機豆乳の小さなパンドミ(プレーン)」は、ムチムチ食感の生地を噛み締めると、甘みがじわーっ。小さな食べきりサイズがいい。


「季節野菜のほくほくフォカッチャ」1切 250円。紫芋を使って美しい色に。

「季節野菜のほくほくフォカッチャ」は、取材時、紫芋だったので、ピンクがかったキレイな色でした。そのままだとふんわりですが、オーブントースターで軽く焼くと、カリッ、サクとして、野菜の香りが立ち上ります。


トウモロコシ粉を使った「田舎マフィン」180円。

 トウモロコシ粉を使った直焼きの「田舎マフィン」は、モチモチの食感。サンドイッチにしたり、温めてバターや蜂蜜を塗ったりして朝食に。


「リエージュワッフル」1個 130円。プレーン、柚子、バナナとピーナッツバター。

「リエージュワッフル」は、看板商品。「ベルギーで食べたようなおいしいワッフルが食べたくて工夫しました」と荻野さん。

 プレーンだけでなく、ジャガイモやニンジンなどの野菜をすりおろして生地に加えた塩味の「サレ」タイプ、カカオニブやバナナ、紫芋、カボチャ、サツマイモ……。

 色々な種類を用意するイベント出店時に、ぜひ買い求めたい。一度食べたらやみつきになる発酵生地のワッフルです。


「プティショコラ」2個 250円。

「プティショコラ」は、カカオ58%のオーガニックショコラをひとかけら、ていねいに包んで焼き上げたもの。そのまま食べるとチョコがカリッ。温めると、とろり。どちらもおいしい、ビターな大人のチョコパンです。

 他にも、野菜を練り込んだカンパーニュがあったり、マフィンやスコーン、ベーグル、タルト、クッキーがあったり……。何があるかは、お店に行ったその時のお楽しみ。

「週3日、木・金・土曜のみの営業です。イベントに出店することもあるので、最新情報はインスタグラムで確認してくださいね」と荻野さん。

 毎月のお取り寄せには、「パンのはこ」「お八つのはこ」があって楽しい。センスの良いシンプルなラッピングにも心癒されます。

lichette(リシェット)

所在地 兵庫県宝塚市小林3-1-19 
電話番号 080-4020-1220
https://lichette.exblog.jp/


宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

文・撮影=そおだよおこ



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