2019/03/08 17:00

佐藤浩市の息子・寛一郎が初主演! 映画『君がまた走り出すとき』

 18歳にして、父や祖父と同じ、役者の道を歩み出した寛一郎が、『君がまた走り出すとき』で映画初主演。映画を愛し、映画俳優を目指している彼が主演作で背負ったもの、将来の展望について語る。

新人賞を受賞するということ


――初演技をされた『菊とギロチン』で「キネマ旬報ベスト・テン」新人男優賞を受賞されましたが、自身の芝居が高く評価されたことをどのように捉えていますか?

 もちろん、カタチになったことはとても嬉しいのですが、生意気なことを言ってしまうと、僕自身、賞を獲るために役者をやっているわけではないんです。ただ、親しい友人や家族がとても喜んでくれて。そのように、どこかで僕を支えてくれた人たちへの恩返しと思っています。それに新人賞というのは、「この演技が素晴らしかったから」というよりも、「これからの期待値を込めてのもの」だと思うんです。すでに覚悟はできていますが、これからもっともっと頑張っていかなきゃいけないですね。


――ちなみに、自身の転機といえる作品を挙げるとすると?

 確実に、今の僕の基軸となっている『菊とギロチン』。あと、18年に放送された深夜ドラマ「青と僕」。作り方が映画のようだったこともありますし、今までやったことのない自分を消費しないといけない役だったこと。そして、最初からフルパワーで芝居してきた共演者の池田エライザにプロ意識を感じたんです。同世代の俳優として、そこが悔しかったですし、スロースターターでもある僕が翌日から気合を入れ直して、現場に行った作品なんです。

主演映画ということの重圧


――今年19年は、まず『チワワちゃん』が公開されましたが、スタイリッシュな映像など、「青と僕」との共通点も多い作品でした。

「青と僕」の撮影直後に『チワワちゃん』の現場に入ったんですが、若い監督さんと仕事したのも初めてでしたし、撮影法も自由で、かなり独特な現場でした。そして、僕を含め、キャスト全員、我が強い(笑)。そうやって、みんながみんな別の方向から、ひとつの作品を作り上げていく感じが新鮮で、面白かったです。ただ、僕が演じたカツオのキャラクターのイメージが、監督との間で若干違っていたことで、そこを擦り合わせることに時間がかかりました。


――そして、川口市が埼玉県と共催する「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2018」15周年記念オープニング作『君がまた走り出すとき』では、映画初主演を務められました。

 まさか、こんなに早く僕が主演をやるとは思っていませんでした。ただ、僕は役者をやっていく覚悟はあっても、それだけの経験がないので、主演として作品を背負う覚悟がよく分からなかったですから。現場は僕より年上の方ばかりで、引っ張ってもらったという感じもありますが、そのおかげで、いい意味でリラックスして芝居ができたと思います。ただ、いちばん多く映る俳優としての、見えない重圧は大きかったですし、川口市が全面協力されている作品なので、それを背負っているという想いもありました。

人や町の温かさを知った
『君がまた走り出すとき』の現場


――この作品を通じて、どのようなことを学びましたか?

 撮影中はずっと川口市に泊まって現場に行っていたので、「こんなにも豊かな景色がある場所なのか」と思いながら、役を作り込めましたし、作品にも入り込むことができました。また、市民のみなさんがエキストラとして参加してくださったり、とにかく人や町の温かさを知る現場でもありました。そして、自分が主演をやったことから「今後はどうやって主演の方を支えていったらいいのか?」といった考えも持つようになりました。


――今後の展望や目標などがあれば教えてください。

 今は何事も経験なので、いろんな監督と仕事をしたいですし、いろんな方と共演してみたいです。そして、僕の中では「役者は映画だ」と思っているので、映画人であり続けたいです。そして、「この役は寛一郎にやってほしい」と言われるような役者になるのが今の目標でもあります。

髪型によっていろいろと
印象が変わる顔だと思う


――『心が叫びたがってるんだ。』では野球部部員というキャラ設定から、坊主姿が話題になりましたが、髪型の変化で、印象が大きく変わりますね。

『チワワちゃん』でも坊主頭だったんですが、とても評判いいんですよね(笑)。学生時代も坊主にしたことがなかったんですが、髪型によって、いろいろと印象が変わる顔だと思うんです。だから、今後もどんな髪型で、どんな役を演じられるのか、僕自身も、とても楽しみなんです。


寛一郎(かんいちろう)

1996年8月16日生まれ。東京都出身。俳優・佐藤浩市を父に、三國連太郎を祖父に持つ。18歳のとき、俳優になることを決意し、17年『心が叫びたがってるんだ。』で俳優デビュー。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』では、第27回日本映画批評家大賞新人男優賞を、『菊とギロチン』で第92回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第33回高崎映画祭最優秀新進俳優賞を受賞。また、出演作『雪子さんの足音』が静岡先行公開中。


『君がまた走り出すとき』

犯罪に手を染め、警察に追われて逃げこんだ民家で老婦人・多笑(松原智恵子)に、亡き孫と勘違いされた翔太(寛一郎)。成り行き上、その家に住むことになる彼だったが、数日後に訪ねてきた多笑の孫・佳織(山下リオ)と鉢合わせに。その後、彼はラジオで地元市民ランナーの話題を聞いたことで、マラソン大会に参加することに。
新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
http://kimimata.com/
(C)2018 川口市

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

文=くれい響
写真=榎本麻美
ヘア&メイク=升水彩香
スタイリスト=越中春貴(Rim)



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