2019/03/17 17:00

見た目真っ黒やガーリック山盛りも! マレーシアのカニ料理が衝撃的&絶品

マレーシア人の宴の
定番料理といえばカニ!

 友人や家族が集まり、いつもよりちょっと贅沢な食事を、というとき。日本人が思い浮かべるのはウナギやすき焼きでしょうか。

 マレーシアではずばり、カニです。

 海に囲まれたマレーシアは、シーフード大国。エビ、イカ、カニ、貝、魚などを提供する海鮮の店はとてもポピュラーで、なかには水槽から活きた魚介を選ぶタイプの店もあります。

 これらの店で、もっとも華やかなメイン食材といえるのがカニ。

 ハレの日にはみんなでシーフード店を訪れ、にぎやかにカニパーティーを楽しむのです。


水槽から選ぶレストランでは、人数に合わせてサイズや個数をリクエストできる。価格は食材費(グラム単位で設定)+調理代。注文を確定する前に、選んだ魚介の重さを測ってもらえば、値段がわかる。

ペナンやクチンなど海辺の町では、半屋外のシーフード店があり、気軽な値段でカニを味わうことができる。カニの種類は、殻が硬く大きな爪をもつマッドクラブが主流。店によるが、500gで50マレーシアリンギット程度。

クアラルンプールで人気のカニの店「ファッティークラブ」。スパイシーなチリソースが人気で連日行列。

 さて、そんなカニ好きのマレーシア人が、どんなカニ料理を食べているかというと、これがビックリ!

 日本のカニ料理からは想像できませんが、“炒めて”食べるのです。

 中華鍋で油を熱し、にんにくなどで香りをつけたら、甲羅ごと豪快に放りこんで特製ソースをからめます。

 そして、このソースこそがマレーシアのカニ人気を支える立役者。個性的でヤミツキになる味が多数!

 それではさっそく、人気のソースを紹介しましょう!

ブラックペッパーが効いた
香り高い塩卵ソースに悶絶

 まず、王道の二大ソースは、ブラックペッパーとチリソース。

 スパイスの王様とうたわれる胡椒をコレでもか! というほどたっぷり使ったブラックペッパー味は、パンチのある辛みと豊かな香りが特徴。マレーシアは自国で胡椒を生産しているため、地元の名物としても人気です。


見た目が真っ黒なので、初めて見たときは泥?(失礼)と二度見したブラックペッパー・クラブ。インスタ映えとは無縁だが、個人的にいちばん好きな味。写真提供:あやのさん

 チリソースは、じわっと広がる深い辛みのなかに、甘みと酸味があります。

 ソースがとろっとしているので、食べると手がベタベタになりますが、そのかわりに、このソースを炒飯にかけて餡かけ風にしたり、食パンにつけたりして食べるという、もうひとつの楽しみ方があります。


「ファッティークラブ」のチリクラブ。青唐辛子をたっぷり使ったタイプで甘辛。ソースは食パンにつけて残さずに。写真提供:杉さん

 次に、ここ数年ブームになっているのが塩卵(ソルティッド・エッグ)味。

 お粥のトッピングとしておなじみのアヒルの塩卵。その黄身をソースにしたもので、濃厚な香りに黄身のまろやかさがやみつきに!


チーズに似たコクのある塩気がビールによく合う。ちなみに、塩卵味はカニソースだけでなく、ベーカリーではクロワッサンのクリームにも登場し、こちらもとても人気。

 そして、マレーシアらしい味といえば、カムヒョン。

 漢字で「甘香」と記し、唐辛子の辛み、カレーリーフの香り、玉ねぎなど香味野菜の甘みが三位一体になったソース。

 オイスターソースを香りづけに使うことが多く、日本人も食べやすい味です。


ほかのソースに比べるとシンプルな味で、カニそのものの甘みも引き出されている。カレーリーフと唐辛子というコンビがマレーシアらしい。

 そのほか、チーズ、ガーリック、マーマイト、バターミルク、葱生姜、トマトケチャップ……など、数えきれないほどのバラエティ。

 それらがどれもビックリするぐらい凝った味で、淡白なカニによく合うのです。

 いや、むしろマレーシア人は、カニそのものより、このソースにハマっているのでは……と思ってしまうほど深いソースの世界。


チーズ味のカニが名物の店があると聞いて、同僚と食べに行った。チーズというよりクリーミーなシチューのようだった。蒸しパンにソースをつけて、余すところなくいただいた。

マレーシアで食べた
衝撃のカニ料理の数々

 さて、こんな料理もありました。たとえばフレーク状のガーリックチップがどっさりのったもの。カニが見えません。


ここまでくると、カニ料理なのか、ガーリックを味わうためのカニなのか考えてしまう。このフレークがまた絶品で、これだけ瓶詰にして持ち帰りたいくらいだった。

 地方都市イポーで出合ったのは、カレーパンならぬ、カニパン。

 ゆうに2斤はある巨大な食パン。中を開くと、殻付のチリクラブがどーん!

 外側の食パンをちぎって、中のチリソースに浸しながら食べました。


カニは殻付なので、皿に取って身を食べる。カニパンという気軽な名前からは想像できない豪華な料理。カニは蒸し焼きになっているため、うま味が凝縮していた。

 最後に、カニは好きだけど食べにくくて……という方へ。

 わかります。マレーシアでなぜこんなにカニが人気なのかというと、手食の文化の人が多いので、手が汚れることを気にしないから。

 また、食事の時間をゆっくり取るのは当たり前で、食べるのに時間がかかっても平気なのです。

 カニ専門店では、カニばさみや小型のハンマーがテーブルの上に用意されているので、それを使ってみましょう。

 ハンマーで殻を叩き割って、身を手づかみし、食パンをソースにつけて、ワイルドに! 童心に返ったかのようなワクワク感もありますよ。


「ファッティークラブ」では、カニの殻は皿ではなくテーブルの上に置いてOK。客が帰ると、テーブルクロスごと片づけてくれる。写真提供:杉さん

 少人数の旅ではポーション的にキビシイかもしれませんが、できるだけサイズの小さいカニを選ぶことは可能です。

 ぜひ旅のハイライトとして、華やかなカニを味わってみてください。


マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)

「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編、『ナシレマッ!』(Malaysia Gohan kai)を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://malaysianfood.org/

文・撮影=古川音(マレーシアごはんの会)



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