2019/03/17 11:00

スーパーの「冷凍ドライカレー」を栄養満点な一食にする簡単アイデア

 料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、ベテランフードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?


「作らない・作れない」ことに
罪悪感を抱く必要はないんです


 こないだ作った、カブのスープ。

 チキンスープでカブを煮て、酒とみりん、塩ちょい、香りづけに醤油少々。刻んだカブの葉を入れて、最後におろしショウガをたっぷりと。水溶きカタクリ粉で軽くとろみをつけて完成です。

 寒い朝にいいんですよ。

 と、いきなり料理の話からはじめましたが、私は白央篤司(はくおうあつし)と申します。この10年ちょっと、ほぼ食べものの記事や本だけを書いてきました。昨年の11月に『自炊力』(光文社新書)という本を出したばかりです。

 世の中、料理好きのための本は数多くあるけれど、料理が苦手だったり、現在は忙しくて料理をする気力・余裕はなかったりする人のための本がほとんどない……。『自炊力』を書いた理由のひとつには、こんな思いがありました。

 世の中「料理が嫌い」という人だって、たくさんいるわけです。嫌いまでゆかずとも、「食べることは好きだけど、作るのは苦手」「面倒」「どうにも気が向かない」「今はやりたいと思えない」という声は少なくない。そして同時に「そんな自分に罪悪感を覚える」という人も多いのです。

 人間食べることからは逃れられません。イヤでも何かしら毎日食べなければならない。そのとき「作らない・作れない」ことに小さいながらでも罪悪感が生まれているのだとしたら、こんなつらいことはないと思うんですね。

 そんな人たちへのエールと、そしてごくごく簡単な「こうやったらちょっとは栄養バランスもよりよくなるし、楽に自炊感がアップすると思うよ」的なアドバイスを書き留めたのが『自炊力』という本なんです。


『自炊力』で私はまず「買うことだって自炊である」と定義しました。料理することだけが自炊じゃない、と。

 現在、中食(できあいのお弁当やお総菜を買ってきて食べること)が食生活の中心という人はすごく多いわけです。ならば「どう買うか」という力こそが、現代では大事だと思うんですね。

「今回の一食、栄養的には〇〇が足りてないな」「昼と夜で、ちょっと〇〇が多すぎだな」と考えられる力が、まず自炊力アップの第1歩だと。

 それがだんだん自然にできるようになったら、「じゃあ、足りないものをどう足すか?」「どう“楽”に足すか?」「どのくらいの量を足せばいいのか?」と、ステップごとに考えられるようになっていけばいいと思うのです。

冷凍食品に冷凍野菜
ガンガン試してみて下さい

 ちょっと具体的に。


 たとえばこれ、冷凍食品のドライカレーをチンしたもの。このままでもじゅうぶんおいしいけれど、1食としてはもうちょい野菜がほしい。そんなとき私は、こんな“ちょい足し”をしています。


 インゲンとプチトマトを足して、卵を落としてあります。ドライカレーだけだとほぼ炭水化物しかとれないところに野菜とタンパク質をプラス。卵が全体の味わいをうまくまとめて、ドライカレーもともとの味つけだけで、じゅうぶんおいしくいただけます。


 そしてインゲンは冷凍野菜なんですよ。

 取材していると「野菜はとりたいけど、生ものが冷蔵庫に入っているのが“重い”んです」という声、実によく聞かれます。

「使い切れないんじゃないか」「腐らせてしまいそう……」と心配で、負担になってしまうんですね。実際使い切れず腐らせてしまったことで、「軽いトラウマになった」という人もいました。

 そんな人にはガンガン冷凍野菜、試してみてほしい。今は食感もずいぶんよくなって、質も上がりました。何よりも保存期間が長くて、下ごしらえが要らないのが魅力。チンすればそのまま使えますし、ものによってはそのまま汁に放り込んでもOK。栄養もとれますよ。

 最近は冷凍野菜を置いているコンビニも増えました。量としては先の写真のように、片手で軽くひとつかみを1食にプラスする目安にしてください。

「こんなことで自炊?」と思う人もいるかもしれませんが、できあいのものや冷凍食品にプチトマトや冷凍野菜を足すだけでも、卵1個足すだけでも、じゅうぶん立派な「自炊」です。

 食は基本、生活における楽しみであってほしいと思っています。仕事や育児、介護などで疲れているならば、それ以外の時間は基本休息、そして自分癒しの時間でなくては。そうじゃないと心休まる暇、ないですよね。

 そして食べることは「発散」に繋がるもの。だからこそ、基本的には好きなものを選んで、自由に食べてほしい。ただ、自炊力を上げていこうと思うならば、まずは「自分の食事、何が足りないか」を考えてみるところから始めるのはどうでしょうか。

 拙著に書いたあれやこれやを含みつつ、食べることと暮らしのこと、しばらくこちらで書かせていただくことになりました。

 どうぞよろしくお願いいたします。


白央篤司(はくおう あつし)

フードライター。日本の郷土料理やローカルフード、「暮らしと食」をテーマに執筆。主な著書に『にっぽんのおにぎり』(理論社)『ジャパめし。』(集英社)など。去年の11月に発売された『自炊力』(光文社新書)が現在4刷で話題に。
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

文=白央篤司



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