2019/04/14 11:00

シンプルで美しい伝統菓子“すはま”を コーヒーと楽しめる京都烏丸の専門店

「洲濱(すはま)」というお菓子をご存知でしょうか?

 浅煎りの大豆粉を砂糖と水飴で練り上げたお菓子「豆飴」。

 それを平安時代からのおめでたい紋様、浜辺の入り込みを意匠化した州浜形に作ったことから、「すはま」と呼ばれるようになりました。


シンプルで美しい「洲濱」。

 きなこの香ばしさと砂糖と水飴の甘みの、素朴な味わいの洲濱は、祝儀の席にふさわしいお菓子として、京都を中心に、多くの人に愛されてきたのです。

 かつて京都では、洲濱だけを作る専門店が何軒もあったそうです。最後の一軒、1657年創業の「御洲浜司 植村義次」が閉店したのは、2016年のこと。


烏丸丸太町の『すはま屋』外観。

店内には古いショウケースがそのまま置かれています。

 その「御洲浜司 植村義次」直伝の洲濱を作り、烏丸丸太町の同じ場所で「すはま屋」をオープンしたのは、芳野綾子さん。


店主・芳野綾子さん。

メニューは芳野さんの母親が手描き。取材時には可愛いお雛様の絵が描かれていました。

「父が茶道の家元教授で、毎年、初釜で『御洲浜司 植村義次』さんの洲濱を使い、客人をおもてなししてきたんです。小さい頃から、端っこを食べるのがとても楽しみでした」と芳野さんはにっこり。


「洲濱」は、お店では1本を9切にするのが基本。1切は幅約13mm。

「自分も大好きで、父親のお茶席に欠かせないお菓子が作られなくなるのはさみしい」と、大学生だった芳野さんは、植村義次14代のご主人に習い、何度も作ってお墨付きをもらいます。

 ご主人にも勧められ、元の植村義次のお店を借りて2018年11月1日に開業。

「ごく自然に、気がついたらお店をやっていた」と芳野さんは微笑みます。

 店の表の磨りガラスの文字も、店内に飾られた古い看板も、洲濱というお菓子の歴史を感じさせてくれるもの。


扉の上の磨りガラスには「御洲濱司」の文字。

壁には古い看板が飾られている。

 でも、店内は、お茶室のリフォームを多く手がけている女性設計士によって、すっきり今風に。

 テーブル8席も設けられて、洲濱とコーヒーのマッチングが楽しめるオシャレなカフェになりました。

「私自身、コーヒーが好きだったんですが、植村義次のご主人もコーヒー好きで、洲濱とコーヒーの相性がいいと教えてくださったんです」と芳野さん。


店内のイートインコーナー。

お店の奥には坪庭も。

きなこが香ばしい洲濱と
コーヒーの相性は抜群!

 カフェのメニューはいたってシンプル。


「洲濱セット」600円。洲濱2切れ+ドリンク。「コーヒー」「紅茶」各450円にも、「春日の豆」が付く。

 おすすめは、洲濱2切れが付く「洲濱セット」。ドリンクは、コーヒー、紅茶、お抹茶から選べます。
 
「コーヒーは、大好きな北山のサーカスコーヒーのもの。おすすめブレンドはペーパードリップで、浅煎りのモカはフレンチプレスでお出ししています」

 オリジナルのマグカップにたっぷり注がれたコーヒーは、香り高く、程よい苦味が、きなこの香ばしさにぴったり。

 もちろん、お抹茶も紅茶も、洲濱によく合います。

 噛む程にきなこの風味と上品な甘さが口いっぱいに広がり、抹茶や紅茶の美味しさが引き立ちます。


2色の愛らしい「春日の豆」。

 単品のドリンクも、ころんと愛らしいひと口サイズの洲濱「春日の豆」2粒付き。

 洲濱が初めてという人にも、お試しにちょうどいい供し方。伝統の和菓子とコーヒーの組み合わせの妙にすっかりはまってしまいます。

「私自身が食べたかったから、作り始めたようなもの」と言う芳野さん。

 水分量の調整がなかなか難しいのだとか。毎日、ひとりでていねいに洲濱を作っています。

 棹物の「洲濱」は、2日前までに予約が必要。「春日の豆」は、予約不要で取り置きも可。


「洲濱」900円は、2日前までに要予約。「春日の豆」1袋 650円(予約不要。取り置きOK)。

 伝統の日本の味を、コーヒーと合わせて楽しめる、現代の京都らしい貴重なお店です。

すはま屋

所在地 京都府京都市中京区丸太町通烏丸西入ル常真横町193
電話番号 075-744-0593
https://twitter.com/suhamaya193


宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

文・撮影=そおだよおこ



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