2019/04/19 21:00

活版印刷工場兼立ち飲み酒場って? 脇田もなりが旬の街・森下を探訪

vol.07 RHYTHM & BETTERPRESS

 2019年3月にはMotion Blue YOKOHAMAで、ちょっと大人なムードを感じさせる充実のワンマン・ライヴを成功させたばかりの、フィメール・シンガー脇田もなり。

 お酒が大好き! だけど酒場ビギナーな彼女が東京近郊の名店を探訪しながら、立派な酒呑みレディへの階段を昇っていく連載「名酒場 IN THE CITY」。

 第7回は、江東区森下にある一風変わった立ち飲み酒場へ。


浜町と森下をつなぐ新大橋。ここから眺める隅田川の景色は最高!

 今回、もなりさんが訪れたのは、森下の「RHYTHM & BETTERPRESS」。

 隅田川に架かる新大橋にもほど近い、住宅街の真ん中に佇むこのお店。なんと日中は活版印刷の工場として稼働しているのが、日が暮れると立ち飲みにメタモルフォーゼするという、かなり珍しい営業形態の酒場なんです。


もともと倉庫だった物件をリノベーション。

ターンテーブルからは、スウィング、ソウル、レゲエ、カリブ音楽、70年代ポップスなどが流れる。

 もともと印刷工場で働いていた店主の宍戸さんが、一緒に働いていた友人と独立して、2018年2月にオープン。3カ月前からは、宍戸祐樹さんが一人で工場と酒場を切り盛りしています。

「ここ、本当に印刷工場なんですか? レコードから素敵な音楽が流れてるし、お店の雰囲気もなんだかオシャレなカフェみたい……あっ、あの大きな機械が、活版印刷の印刷機なんですね! 初めて見た。ところで、活版印刷ってなんですか?」


70年代後半に製造されたハイデルベルグの活版印刷機など、年季の入った機械が並ぶ。

 えー、簡単に説明すると、 ハンコやスタンプと同じような原理で、凸状の鉛版に垂直の圧力をかけて印刷する、古くからの印刷技術。

 ここでは主に名刺やハガキ、フライヤー、コースターなどの印刷を手がけているそうなんですが、ちょうど7インチのアナログレコードを入れるスリーブが刷り上がってますね。触ってみると表面が凸凹してません?


鉛板で作られた版下にインクをのせ、プレスして印刷していく。

ドーナツ盤を入れるレコードスリーブ。

「本当だ! 少し凸凹してて触感も面白い。デザインもいろんなのを作れて、どれもすごくかわいいですね。ちょっとインクの匂いも残る中で、印刷の機械に囲まれてお酒を飲めるなんて、なんか不思議な感じです」


いろんな色のインク缶。

オムカレーの「アタマ」とは?


コダマサワーは炭酸、レモン、青リンゴ、バイスが揃う。

 さてさて、もなりさん今日は何を飲みましょう? 冷蔵ショーケースを覗くと、瓶ビールは赤星にハートランド、そしてコダマサワーのバイスなんかも並んでます。

「私はもう覚えましたよ! 赤星と金宮とバイスが置いてあるお店は、いい酒場だって(笑)」


今日のセーターの色に、青リンゴサワーの緑が映えてます。

 悩みに悩んでもなりさんが選んだのは、青リンゴサワー。

 そして、赤ウィンナー、ハムカツ、ポテサラと大衆酒場っぽいつまみが並ぶフードメニューからは、「からあげの油淋ソースがけ」と「オムカレー(ライス抜き)」をチョイス。


今日のもなりセレクション!

青リンゴサワー(セット400円)。もちろん「ナカ」はキンミヤ焼酎。

「青リンゴサワーって初めて飲んだんですけど、バイスよりも爽やかな感じですね。美味しい~! どんどん飲んじゃいそうで、危ない危ない(笑)」


からあげの油淋ソースがけ(450円)。お酒も料理も大衆酒場価格なのが嬉しい!

「唐揚げ、大きい! 衣がサクサクに揚がってるのに、お肉はとっても柔らかで。唐揚げ自体もしょうがが効いてて美味しいけど、油淋鶏っぽいタレがまたいいんですよね」
 
 そして、工場長 兼 料理長の宍戸さん自慢のオムカレーは、ライス抜きのいわゆる「アタマ」だけで注文できるのも、酒飲みには嬉しい。


オムカレー(ライス抜き 600円)。

「カレーは濃厚な味わいで、私の大好きな感じ! オムレツも卵がとってもふわふわで美味しい! これはお酒すすんじゃうなぁ(笑)」


印刷機をテーブル代わりにして大丈夫? そこはかとない背徳感を味わいつつ飲む。

森下は新たなカルチャーの発火点


店主 兼 工場長 兼 料理長、宍戸祐樹さん。

 ほろ酔い気分になって、さらにお店のことが気になってきたもなりさん。「ところで、なんでこういうお店をはじめようと思ったんですか?」と工場長に質問。

「印刷工場で働いていた時に、仕事終わりに作業場にコンビニで買ってきたお酒やつまみを持ち込んで、好きな音楽を流しながら、あーだこーだ話しつつ飲んでたんです。その時間がなんかすごく楽しくて(笑)。そういうノリで、みんなと飲めたら楽しいだろうなって思って」(宍戸さん)


Tシャツやキャップはじめ、お店のオリジナルグッズも販売している。

「それに普通の印刷工場って、表から中の様子が見えないから、どういう風に作業しているのかわからないじゃないですか? 以前に雑誌でアメリカのポートランドの印刷屋が紹介されてたんですけど、外から機械が見えるようにして印刷してたりと、お店からカルチャーを発信してるんですよね。日本でも、こういうオープンな場所を作ることで、活版印刷に興味を持ってもらえたら嬉しいなって思って。だから別に飲食店でなくてもよかったんですけど、印刷屋で働く以前に飲食店での調理経験もあったし、そもそも僕は大衆酒場で飲むのが大好きだったので、酒飲みとしての経験を活かそうと(笑)」(宍戸さん)

「すごい! 今までの経験が全部詰め込まれてるわけですね(笑)。ちなみに、私みたいな女性のお客さんも飲みに来たりしますか?」(もなりさん)


宍戸さんの描く夢に、思わず拍手のもなりさん。

「はい、女性のお客さんも結構来てくださってます。一人で飲みに来る方も多いですよ。酒場で飲むのが好きな人はもちろん、印刷や紙に興味がある女性も多くて。SNSとかで知って、印刷の機械を見に来たり、活版印刷について詳しく質問してくれたり。そうしてウチのことを知ってくれて、印刷を注文しに来てくれる方も少しずつ増えてきています」(宍戸さん)



いわゆる機械萌えな人にとっても、たまらない酒場です。

「RHYTHM & BETTERPRESS」のオープンと前後して、この周辺にはコインランドリーと喫茶店と地域のコミュニティスペースが融合した「喫茶ランドリー」が誕生。

 また橋を渡ってすぐのところには、レコードマニアが集いDJパーティも開催される、通称「レコードコンビニ」と呼ばれるコンビニエンスストアなんかも点在していて、その3軒をハシゴする人も多いのだとか。


窓側のカウンターは座って飲めるスペース。

 下町・森下からはじまりつつある新しいカルチャーの息吹を体験したもなりさん、今日の感想は?

「いやぁ、びっくりしました! こちらに来る途中、近所をぶらぶら歩いてみたんですけど、昔からある中華屋さんとか町工場なんかもあちこちにあって。そんな町の中にある、印刷屋さんで立ち飲み屋さん? ってなかなか想像できなかったけど、まさかこんなオシャレなお店だとは思わなかった! 料理もお酒も美味しいし、素敵な音楽も流れてて居心地もいいし、何より活版印刷が興味深くて。森下、ヤバいですね!(笑)」


RHYTHM & BETTERPRESS

所在地 東京都墨田区千歳3-4-8 直井ビル1階
電話番号 03-6666-9190
営業時間 活版印刷 9:00~16:00、立ち飲み 17:00~21:30 L.O.
定休日 日曜、祝日
https://randbpress.com/


脇田もなり(わきた もなり)

1995年生まれ。長崎県五島列島生まれの大阪育ち。2012年からガールズグループ、Especiaのメンバーとして音楽活動を開始。2016年に同グループを卒業し、同年、シングル「IN THE CITY」でソロデビューを果たす。2017年7月にデビュー・アルバム『I am ONLY』を発表。2018年7月にはセカンド・アルバム『AHEAD!』をリリースした。
http://www.monariwakita.com/


脇田もなり『I am ONLY!』(LP)

脇田もなりのデビューアルバムがついにLP化。2017年にリリースされ、DJ、音楽通、アイドルファンを巻き込んで話題になった一枚には、新井俊也(冗談伯爵)、ikkubaru、西寺郷太(NONA REEVES)といった面々が参加。ジャケットもLP用にリニューアルされた。
HIGH CONTRAST/VIVID SOUND 2019年4月24日発売3,300円(税抜)


脇田もなり『AHEAD!』(CD)

デビューアルバムから1年振りに届けられたセカンドアルバム。制作陣は、冗談伯爵の新井俊也と前園直樹を筆頭に、佐々木潤、マイクロスター、Illicit Tsuboiなどの豪華面子が名を連ねる。シングルとして発表された「WINGSCAPE」「TAKE IT LUCKY!!!!」も収録。
HIGH CONTRAST/VIVID SOUND 発売中
2,500円(税抜)

文=宮内 健
撮影=丸尾和穂



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