2019/04/28 11:00

「星のやバリ」で心身をリフレッシュ 水中ヨガや生薬ドリンクで健康に

■星のやバリ(後篇)

 国内のみならず海外に至るまで、さまざまなロケーションに魅力的な施設を展開する星野リゾート。その星野リゾートが、今、特に力を入れているのが「ウェルネス」です。

 この連載では、バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。


心身を穏やかに整えてくれる
祈り、瞑想、ヨガ


人や自然、神との調和を大切にするバリヒンドゥーの暮らしを体験。

 その地名を「薬」という意味に由来するウブドには、地域に根付いた民間療法が根付いている。

 そんなこの地ならではのホリスティックなプログラムが、「星のやバリ」に登場した。

 その名も「賢者の養生」。5,000年以上昔のインドで賢者たちが集まって出し合った健康で幸せに生きるための多くの知恵、そしてバリヒンドゥーの人々が実践している養生法を通して心身を調える、滞在型リトリートだ。


神聖な地に入るときはサロンを纏う。バリヒンドゥーたちの清らかな気持ちに一歩近づいた気分。

 スケジュールは、前篇でご紹介した「バリ舞踊美人滞在」の1日を含む、3泊4日。

 ゆっくり、じっくり、そして心地よく、ウブドの知恵を授かりながら、心身をリフレッシュしてゆく。

 最初は、静かな谷あいで行う「早朝の谷のヨガ」。

 かつて僧侶たちがそうしたように、「星のやバリ」が立つ渓谷の下を流れる聖なるプリクサン川のせせらぎを聞きながら、心身を調える。


バリヒンドゥーであるスタッフは、毎日この寺院に参拝するという。

 ヨガを行う前には、バリヒンドゥーの教えに従い、伝統的な腰布のサロンをまとい、敷地内にある小さな寺院にお参りをする。聖なる地へ入るときには欠かせない習慣だ。


敷地内の寺院に祀られているのは、破壊の神シヴァ、繁栄の神ヴィシュヌ、創造の神ブラフマの三大神。

 お線香に火をつけて、煙で手を清め、花びらを指でつまんで聖水の雫を頭にかけ、お米を額につける……。寺院で施されるそんな一連の儀式に、すっかり神聖な気分に。


バリの女性は1日に3度、花びらや竹の葉で「チャナン」を作り、神に祈る。「星のやバリ」では、チャナン作りも無料で体験できる。

 これはけっしてイベント的なものではなく、バリの女性は1日に3度、花びらや竹の葉で「チャナン」を作り、神に祈るという。


瞑想時間は5分ほど。短い時間なのに、終えた後は頭がスッキリするのが不思議。

 身体を清めたら、いよいよ聖地へ。

 ヨガを行うのは、谷を下ったところにある洞の前。

 ヨガで身体をゆっくりと目覚めさせた後、瞑想を行う。最初は川のせせらぎぐらいしか聞こえない。

 だが、自分の呼吸に意識を向けているうちに感じるようになるのは、岩に滴る水の音や、かすかな葉擦れ。

 日頃、「瞑想なんて雑念だらけ!」という人も、この環境なら集中できるかもしれない。


プライベートレッスンだから、ポーズが決められなくても気にしない!

 瞑想を終えた後は、「プライベートヨガ」。

 完全プライベートで60分、しっかりと身体をストレッチする。ビギナーにとっては、この時間は少し長いと感じるかもしれない。

 でも、しだいにほぐれていく四肢を感じることが大事。緑のなかで、身体は着々と目覚め始めている。

水中ヨガと
スパイシーなトリートメント


「賢者の養生」はヨガ三昧。午後は水中で心地よく身体を動かす。

「賢者の養生」3日目に組み込まれたヨガは、全部で4回。

 それぞれに動きが異なり、朝は体を目覚めさせるための動き、就寝前は快適な眠りへと誘う内容となっている。


ヴィラを囲む運河プールは緑が近くて気持ちがいい!

 昼に行われるのは、アクアティックヨガ。水の浮力と抵抗を利用し、インストラクターの指導で身体を動かす。

 水の特性を生かすヨガポーズは、陸上よりはるかに身体が楽。

 朝のヨガではあれほど身体が固かったのに、信じられないほど足が上がる、腕が上がる!


まるでウブドの沐浴の泉のように景観になじむプール。

 水の中でエクササイズしていると、ときには、ヴィラのプールサイドリビングでくつろぐ人が手を振ってくれることも。

 閉ざされたプライベートプールではなく、ヴィラから集落全体に緩やかにつながる造りだからこその「ご近所感」に、なんだかほっとする。


ターメリックに生姜にタマリンド、パンダンリーフ。自然にあるもので作る生薬ドリンクが、身体をじんわりと温めてくれる。

 水中で冷えた身体を温めてくれるのは、ウブドの伝統的な生薬ドリンク。

「スパイス ティータイム」と名付けられたアクティビティでは、日替わりで2種類のドリンクを手作りする。


薬を意味するウブドに昔から伝わるレシピでスパイスをブレンド。

 ひとつは、植物や木の根、花、果実など自然由来のものから作られるインドネシアの伝統民間薬「ジャムゥ」をアレンジしたもの。

 ターメリックの香りは濃厚なのに、タマリンドとパームシュガーの甘みがほんのりとあって、飲みやすい。

 もうひとつは、「温かい生姜」を意味する「ウェダン・ジャヘ」。インドネシアではカフェインを含まない飲み物として親しまれるジンジャーティーだ。

 生姜を生のままスライスし、パームシュガーやレモングラス、パンダンリーフなどを加えて完成させる。ピリッとした生姜の風味が、いかにも温まりそう。



静寂に包まれたスパ棟で、深いリラクゼーションの世界へ。

 スパイスは、飲んで身体に取り入れるだけに終わらない。さらに身体を温めるべく、続いてスパ棟でスパイスを使ったトリートメントを。


トリートメントに使うコスメには、何種類ものスパイスをブレンド。

「スパイシー ボディ リバイタライジング」は、スクラブで汚れを取り除き、パックで潤し、オイルでしっかりともみほぐす約120分のトリートメント。

 マッサージの強さは、「バリ舞踊美人滞在」で行われる「ホリスティック フルマッサージ&トリートメント」よりも、強めなディーププレッシャー。複数のスパイスをベースにしたコスメも、じんわりと効く。


ムーンライトヨガが行われるのは、屋外のヨガ・ガゼボ。

「賢者の養生」3日目をしめくくるのは、ムーンライトヨガ。

 日没と同時に響き渡るゲッコー(ヤモリ)の鳴き声を聞きながら、ゆっくりと一日の疲れを癒して。

バリニーズの食文化を
美しく賢く取り入れる


白湯はハチミツとレモンを入れて。フルーツのガスパチョにはエディブルフラワーが。

 このプログラムで重要なポイントとなるのが食事。

 一見するとシンプルに見える料理のひとつひとつに、ウェルネスな意味が込められている。

 朝食に用意されるのは、体内の老廃物を排出し、代謝をあげる白湯と、完熟フルーツを使ったスムージーやガスパチョ。

 オリジナルの器や美しい盛り付けが、目を楽しませ、満足感を与えてくれる。



ランチの前菜は、フレッシュな緑の野菜をディップで食べる緑のクロッカン(左)。メインはベジタブルバリニーズカレーとインドネシア風串焼きのサティ(右)。

 メニューは、すべてのゲストが同じではない。

 事前にチェックする問診票で分けられる体質は風、水、火の3タイプ。用意されるのは、それぞれにあった食材や調理法の料理だ。


ディナーのメインは、チキンブイヨンをベースにしたグレインスープ。野菜とスパイスを使ったスパークリングワインのカクテル付き。

 賢者の知恵というと、ちょっと難しく感じるかもしれない。でも、過ごすほどに身体がそれらを受け入れていくのを実感するはず。

 私たちのふだんの生活を振り返れば、仕事に追われてストレスフルなうえに、少々過食気味でもある。

 贅沢に、おいしく胃腸をいたわることができる料理は、そんな身体をリセットしてくれる。


まるで宙に浮く鳥かごのような「カフェ・ガゼボ」。朝日を受けてキラキラと輝くジャングルとダイレクトにつながる非日常感もたまらない。

「賢者の養生」は3泊4日のプログラム。ムーンライトヨガで心身をほぐし、ぐっすりと眠りについた最終日の朝は、目覚めもスッキリ。

 幸福感に満たされたプログラム明けの朝食はぜひ、ジャングルを見下ろす「カフェ・ガゼボ」で。


手作りの籠に料理を詰めたピクニックスタイル。「テラン・ブラン」は、グアバのコンフィチュールやフレッシュチーズのクリームを添えて。

 3段式の籠で運ばれる朝食は、野菜やチキンハムを詰めたサラダボックス、南国フルーツボックス、バリの郷土食「テラン・ブラン」をアレンジしたパンケーキの豪華なセット。

「賢者の養生」でリフレッシュした後だからこそ、よりおいしい。



左:「テラン・ブラン」は丸く焼いた生地に黒米、ココナッツ、パームシュガーをのせて半分に折った定番の屋台料理。朝食にふさわしくあっさりした味にアレンジされていながらももっちりとした食感は、クセになりそう。
右:爽やかなハーブティーがよく合う。

 賢者の知恵を借り、リゾートの贅沢感も味わう休日。そんな欲張りなリトリートが、「星のやバリ」なら叶いそうだ。

星のやバリ

所在地 Br. Pengembungan, Desa Pejeng Kangin, Kecamatan, Tampaksiring, Gianyar 80552 Bali, Indonesia
電話番号 0570-073-066(星のや総合予約)
https://hoshinoya.com/


芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵



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